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女の長風呂44

时间: 2020-06-25    进入日语论坛
核心提示:混浴に於ける考察私は風呂好き、温泉好きであるから、温泉へいく旅行は大好きである。しかし大浴場の大混浴というのだけはどうに
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混浴に於ける考察

私は風呂好き、温泉好きであるから、温泉へいく旅行は大好きである。しかし大浴場の大混浴というのだけはどうにもいただけない。いつぞや指宿《いぶすき》の混浴温泉へいったが、どうにも入る気がしなかった。
そもそも温泉というのは、こんこんと湧き出る清らかな湯に身を浸して汚れを浄め、心もともに邪念を払い、而して天恩ゆたかな日本の国土に住む幸せをしみじみ感謝しつつ、人生のクリーニングをするところに眼目があるのだ。窓から緑の山々や渓谷の木々を目にしつつ湯にひたり、よくもはるばるやってきた甲斐があったと静かな喜びをかんじるところが温泉の最大の恵みであるのだ。
それを混浴場へいくと何ですか、男たちが飢えた阿修羅のようにギラギラ目を光らせて右往左往している。「湯煙りで見えやしません」とすましている人もあるが、それはずうっと向うのこと、手近はマル見えで、湯船に一列に浸って通る女をねめ据えていられたりしちゃ、気が弱い女は卒倒する。
やっとこさで「婦人専用」とプレートのかかった片隅の浴槽へ逃げこんで、じっとつかっていると、そこへも一杯機嫌のおろかな男ども(男というのはマッパダカでいると、みなおろかに見えるもんだ、ともかく何とも不恰好だからね)がどやどやなだれこんできてドボンドボンとしぶきをあげて入りこみ、もうわずらわしいといったらない。
「ここは婦人専用です」
と注意してやってもそ知らぬ顔で近寄ってきたりして、湯から上がることもできない。しかし若い男は何といっても一対一になると恥ずかしがりだから、一人が出ると次々にあがっていって、一人で「婦人専用」へ入りこむ奴はないが、そこへくると厚かましいのは中年男で、ひとり、のっそりと身を滑らして入りこみ、悠々と手拭いで顔をふいたり、タオルをあたまにのっけたり、こういう奴に、「婦人専用です」といっても一向あわてない。
「ああ、さよか、こら憚《はばか》りさん」
などと悠揚迫らず、ナゼカたいがい大阪弁だったりして、同郷人として私は赤面せざるを得ぬ。中年者はやおら周囲を見廻し、中婆さんのところは視線を走らせ、老婆には一ベつもくれず、若い娘に目がいくと、とみこうみ、じーっと眺めていたりして、その厚かましさに私はあたまにきて、湯をぶっかけてやりたいくらい。
いや何も私は、私の方を一ベつもしてくれなかったから怒っているのではないのだ。ともかく、私のように温泉そのものを楽しんで、道場か何ぞの如く、身も心も浄めようなんて思っている人間から見ると、混浴なんて人間くさいのは、温泉の邪道の最たるものであると、断ぜざるを得ないからだ。
そうじゃないですか。
浮世の人間にあきあきし、くさくさして山の中や海岸の温泉へ逃げて来ているのに、何が悲しくてまた男の視線に気を使ってビクビクしたり、隠したり、避けたり、見るような見ないような、よけいな苦労をしなくちゃならんのだ。
「しかしこの頃の若い娘は、ビキニなんぞ着て海岸歩くのに慣れてるよって、あんがい混浴も平気とちゃいますか」とカモカのおっちゃんはいう。「あんな海水着、もう半分、マッパダカみたいなもんやさかいね」
「若い娘はそうかもしれないが、中年女はそういうわけにはいかない」と私は重々しく答えた。「若い娘はまだ生まれたまンま、というところがありますから、恥ずかしいと思う感情が未成熟です。若い者ほど恥ずかしがる、というのは、女の場合、あてはまらない。それは年経て、秘めごとの何たるかを知り、羞恥心も成熟した中年女ほど、羞ずかしいと思うものです」
「しかし女がそう思うほど、男は気にしてへんかもわからへん、これ見なさい」とおっちゃんは、新聞を指した。
その投書欄に、こういうのがある。
十九歳の少年工員、海水浴でおぼれかけた娘を救ってやったら、娘は礼をいうどころかこわい顔をして「助けてなんて頼まないのに、あんたエッチね」といったというので、少年はあたまにきて「この恩知らずめ」とどなりつけたんだそうだ。
「こんな娘がいるのかと思うとなさけない」と少年は投書をそう結んでいる。
「イヤ、たしかに女てそんなとこがありますな」とカモカのおっちゃん、「ツワリか宿酔《ふつかよい》か知らんけど苦しんでる女の子に、どないしました、と手ェかけたら、キャッ、いやらしい、スケベ、エッチ! と目を吊り上げていう。何を考えとんねん、エッチはそっちやないか、男見たらみんなエッチや思う方がいやらしい。自意識過剰もええとこです」
「いやその、海水浴の話はともかく、混浴へいくと、たしかに男はエッチだと思うよ」と私はいい張った。「女が向うむいて体洗ってるのに、わざわざそばまでいって石鹸さがすフリをしたりね、そのついでに、ナメるようにこっち見ていく。足が滑ったふりをしてよろけてつき当る拍子にさわろうとしたり、いやもう、男という男、オール色餓鬼みたいな|あんばい《ヽヽヽヽ》、女を見れば、さわることしか考えてないみたい」
「それは女の思いすごしです。女という女は、男がいつも飢えてるように思うらしいけど、そう思いこんでるのが女のエッチなところ。男はあんがい、公明正大で、エッチなことなんか、これっぱかしも考えてないときが多い。海水浴で女が溺れてる、助けようとする、石鹸がすべっていく、あわてて拾おうとする、邪念悪心は一つもおまへんよ。それをわるく勘ぐって何でもエッチにとろうとする所が、女のエッチな所以《ゆえん》」
「しかし、ですね……」
「いったい、そない、ワイワイいうて大事にするほどの物を、女がもっとんのかいな、よう胸に手ェあてて考えてみい」
「それは、あの……」
「男が見てチビるとでもいうのんか、いったいそんなリッパなもんが女にあるのか、女はすぐ胸とアソコをかくすけど、乾ブドウみたいに萎びた胸が何ぼのもんです」
「あの、それはですね……」
「それに下かて、ええかげんな海藻のこびりついた腐れ鮑《あわび》があるだけやないか、大層にいうな、というねん、大層に」
スミマセン。
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