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女の長風呂48

时间: 2020-06-25    进入日语论坛
核心提示:男の見当はずれ男には修養の足らぬ人間が多い。私は若い頃事務員をしていて、つくづく、思い知らされた。会社で面白くないことが
(单词翻译:双击或拖选)
男の見当はずれ

男には修養の足らぬ人間が多い。私は若い頃事務員をしていて、つくづく、思い知らされた。
会社で面白くないことがあると、男は、すぐふくれっつらをする。
声がとンがる。好戦的な言辞を弄《ろう》する。
ムーとした顔で、関係ない人に対してもあたりちらすのであります。
家庭へかえれば遠慮する人間が居らぬこととて、ひどい奴は女房をなぐる、食卓をひっくり返す、モノを投げる。而《しこ》うしてわめく。
「男は外へ出れば七人のテキがあるのだ、男の苦労が女にわかってたまるか!」
ああそうですか。
しかし、女には女の苦労があるのよ。
「バカモン、女に苦労があってたまるか、三食昼寝つきの結構な身分で、人なみなこというな!」
しかし、夜ですよ、あァた。夜の昼寝のほうは、いろいろ人しれぬ苦労があるわよ。
「ナヌ? 回数が少ないというのか、会社のタナカにきいてみろ、サトウにきいてみろ、オレが一ばん多いぞ、文句があるかというのだ、文句が。オレは男のするべきことはちゃんとやってるのだ。文句はいわせんぞ」
そうじゃないのよ、あァた。……
といいかけて、女房たちは口をつぐみ、みんなかげで、こそこそ苦労ばなしになる。
女たちにいわせると、どうして男たちはああもぶきようなのだろうという。
たいてい、ぶきっちょ。へたくそ。
女の心理も生理も、てんでわからない。
回数が多けりゃいいってもんじゃないのだ。
はじめの頃は、世なれない新妻だから、女から注文を出すなんて思いも及ばない。「たらちねの母が手離れかくばかりすべなきことは未《いま》だせなくに」——という境地を超えて、もう少し、何とかならないものかしらと思うようになる。
しかし何ともならない。
男ははじめから、自分のやりかたがわるいなんてつゆ疑っていない。だから、女が羞かしいやら、何かわるいような気がしていい出しかねているのもわからない。何でも自分本位で、自分さえ満足してりゃ女の方も満足してるように思う。しかし、そういうわけにいかない。
世の中の男たちは、そういうとき、女という女、みんな立ち上がって亭主の非を鳴らし、ああせいこうせいと一知半解の性的情報を、|う《ヽ》のみにして男どもの鼻づらとってひき廻すと思うかもしれない。性的イニシァティブをとってわが思うままにむさぼろうと狂奔《きようほん》すると思うかもしれない。
しかし女の中にはまだかなり多く、たとえ夫婦でもそういうことを口にのぼせてあげつらうのは、ハシタないと思っている女たちもいるのだ。これは社会の階層や、個人の教養学歴には関係ない。
そういう女たちはあきらめてしまう。男というものは、ぶきようなものであり、自分本位のひとりよがりで、へたくそなものだと思ってあきらめる。男はそんなことは知らないから、「文句があるか」といっていばったりする。
女だって、思ってることをそのまま口に出すのはハシタないと、じっとこらえている人間もいるのだ。男は信じないかもしれないけど。
そうして男が見当違いのことに汗をかいているのに、タメイキついたりしている。「そことちがうけどなあ」と思ったって、いうことのできないデリケートな女もいるのだ。
しかるに男というのは、たいがいデリケートではないから、女が口に出しやすい雰囲気をつくってくれない。
「そうでしょ、たいてい男というものは自分がよければ女もいいと、なぜか思いこむでしょ」とカモカのおっちゃんにいったら、おっちゃんは、小首をかしげ、
「それはまァね」
「そういうとき、男は何というか」
「ええやろ、と女にききますな」
それがいけない。そういうときわるいとはいえない。汗かいてがんばってる男に、あまりよくないとありのままにいうことは、情《じよう》において忍びない。気のやさしい女は、お愛想さえいったりする。
すると男はますます、いい気になる。女が心中タメイキついてあきらめてるのに、てんであらぬ方ヘボールを投げたりする。そうしてひとりで喜んでいる。じつにやりにくい。
見当はずれというほど悲しいことはない。
第三者がみてるとユーモラスだが、本人は悲しい。(尤も、ユーモアというものはかなしいものだ)
あんまり悲しくて笑ったら、男は女を喜ばせたと信じてハッスルして有頂天になる。
なさけなくなって泣いたら、男は女を泣かせるほどの腕になったとうぬぼれて、ますますあらぬ方向へ精出して励む。
どっちへ廻っても男の見当はずれは度しがたい。
百戦練磨の女なら、どこが、どのくらい見当はずれだと指摘できるのであるが、経験乏しい素人の主婦や女たちにそれがわかるはずなく、彼女たちは寄るとさわると、
「何となく、ピントはずれで……」
「でも、こんなものかと思うけど……」
なんて、大和撫子らしく、つつましくあきらめてるのだ。
「しかし、それでは夫婦和合できまへん、やっぱりちゃんというてもらわな」
とカモカのおっちゃん、
「やっぱり向き向き、好き好きということはあるもんやし、ああでもないこうでもないと双方、あんばいすることが、和合の秘訣ですな」
というが、そこが男の修養の至らなさで、たいてい気短かのわがままが多く、ヒトのいうことに耳傾ける度量のあらばこそ、だいたい、元々男がそういうたぐいの人間ばかりなら、タメイキついて亭主の見当はずれをあきらめる女房はいないわけだ。
「ほんならどうしますねん」
とおっちゃんはいうが、女としてはどうしようもなく、汗かいて働いてる男に、「イヤ、ご苦労」と思うだけ。
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