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女の長風呂71

时间: 2020-06-25    进入日语论坛
核心提示:ねむけといろけ「ひもじさと寒さと恋とくらぶればはずかしながら、ひもじさがさき」という歌があり、私はこの右三つの苦患《くげ
(单词翻译:双击或拖选)
ねむけといろけ

「ひもじさと寒さと恋とくらぶればはずかしながら、ひもじさがさき」
という歌があり、私はこの右三つの苦患《くげん》のうち、寒さがたまらん、と思うが、やはり考えてみると、寒さもさりながら、「ねむさ」というのも堪えがたい。
いざ畢生《ひつせい》の大作をものせんと、はり切って毎度机に向う(編集者諸氏が読むと思って、いい恰好していうのではない、私は、新しい作品にとりかかるときはホントにそう思う)のであるが、ふしぎや、そうなると、あたまの中はモヤーッとかすみが掛ったごとくなって、執拗な睡魔におそわれる。ちょっと一時間寝ようとゴロ寝する。すると泰平に朝までおめざめにならず、あとで七転八倒する。この際のねむけというのは、じつに抵抗しがたい強いもので、いかに恐ろしいコワーい編集者の叱咤|恫喝《どうかつ》のドナリ声も、子守歌の如く感じられるんだからねえ。私なんぞのような単細胞の女には、阿片もハイミナもシンナーもマリファナ、ハッシシも要らん、机の前に原稿用紙とペンをおいとけば、しぜんに甘美な無我の状態に入れるのだ。
仕事はさておき、ねむけが人間の苦患の、いな、欲望の、一ばん最大のものではないかと思うのは、いろけにさえもたちまさるからである。
いろけとねむけをくらぶれば、はずかしながら、ねむけが先である。いろけはやっぱり相手がいる。場所と時も考えねばならぬ。人によっては、名誉、地位を賭けねばならぬ時もあろう。境遇によっては、命までも賭けることもあろう。
少なくとも、金もいる。
体力もいるのだ。
べつに学識経験は要らないが、相手によっては要求されるかもしれない。
しかし、ねむけは、自分一人の欲である。かつ、金もいらず、学問、体力、知恵も要らぬ。名誉や地位に関係ない。尤も、大事の会議の席上、居眠りなどして、首になるということもあろうが、そうじて、五尺の身を入れる一畳の畳さえあればこと足りるのだ。
そういう利害関係のほかに、「いろけ世代」を卒業して、はや、「ねむけ世代」に入りつつある、ということも、私の場合、考えられる。
たとえば、めでたき有様の、結構なる紳士に、それとなくくどかれるとする、酒が入る、いよいよ結構なる心持になる、おまけに、かねて憎からず思っている紳士である。阿《あうん》の呼吸が合って、いざ、ということになろうとするころ、ねむけを催してくる。
もう、こうなればダメである。
コワーい編集者の叱声さえ、子守歌にきこえるぐらいの睡魔である、いろけぐらいでは太刀打ちできない。
結構な紳士であろうが、憎からぬ男であろうが、こっちはただもう、眠いばかり、
「イヤ、寝るところへご案内します」
といわれたって、寝るまでの手続きが大変なことは、いくら世俗にうとい私だとて知っていますからな、手続き要らずに、蒲団へもぐりこんですぐ、グーグーと眠れる、わが家の方が恋しいのです。
「イヤ、もう手続きはいりません、すぐ、寝さしたげます、うけ合いますから、いきましょう」
と誘われたって、ヨソの家では安んじてイビキをかいたり、よだれを垂らしたりできない。歯ぎしり、寝返りの拍子に放屁する、ねごと、夢を見て笑う、泣く、とびおきる、ねぼけて便所へ立とうとして、柱でオデコを打って泣き出す、寝相がわるくて毛布を剥いでクシャミ、洟《はな》をかむ、咳をする、——およそ、こういう気ずい気ままなことができますかねえ。いろけがあると気が散ってゆっくり眠れない。
男というものは、別々に部屋をとっても、あとで必ずドアをたたく(ような、気がする)。
しからずんば、
「新聞ありますか?」
とか、
「お茶、入ってますけど」
とか、
「テレビのうつりはどうですか?」
という。おちおち、寝させてくれない。いっそ寝たふりをして鍵をかけてしまう、こんどは電話が掛る。下のバーで、いま飲んでます、なんていう(ような気がする、きっと)。すべて、わずらわしい。あれこれ考えると、私は、もはや「いろけ」より「ねむけ」の世代へ後退しつつあると断ぜざるをえない。
しかし、私より十いくつ若い、「ハイ・ミスざかり」の、「いろけ世代」にしても、やはり、男と泊ると安眠できないそうで、
「そら、仕方ないわ、眠るために男と会うのとちゃうもん」
と割り切っている。若い人はさすがに、寝だめと食いだめができるようで、ひと晩、男とすごして半徹夜みたいな眠り方でも、あくる日は会社でちゃんと一日、働けるそう。私から見ればまこと、
「若き|はたち《ヽヽヽ》は夢なれや」である。
男といると、第一、寝顔まで引きしめていなくてはならない。ヨダレ、歯ぎしりなどもってのほか。あたまにクリップ、カーラー、網をまきつけるなど、思いもよらん、コールドクリームで顔をてかてかと光らせるのもご法度である。あくる朝も、いぎたなく眠りほうけてるわけには、いかない。男より早く起き、洗顔、お化粧して、さわやかな顔を見せなければいけない。しかるに、ハイ・ミスざかりの友人は、それは当然のことで苦にならぬ、という。
ひと晩のあいだ、男の腕を枕にして、うつらうつら、眠ったような眠らないような、夜半、目をあけ、男の寝顔にしみじみ見入ったり、目が合うと、にっこりし合ったり、そのうち、また、いつとはなしに双方、安らかな寝息をたてたり、そういう夜が大好き、という。
聞いてるだけても、四十のゾロメ女は、しんどくなる。カモカのおっちゃんが酒に酔って、かたわらで突っ伏してるのを、ゆすぶっておこし、
「おっちゃんは、どっちですか、おっちゃん」
と叫べば、情けなそうな声で、
「ねむけにはかてん」
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