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女の長風呂79

时间: 2020-06-25    进入日语论坛
核心提示:あそこの名称小説を読んでいると、かの大切なところの名称が人によりさまざまでおもしろい。この名称は口語と文語とではむろん、
(单词翻译:双击或拖选)
あそこの名称

小説を読んでいると、かの大切なところの名称が人によりさまざまでおもしろい。
この名称は口語と文語とではむろん、別である。
普通の人は、口頭にのぼせるときは、××、×××、ワレメちゃん、あそこなど、いろいろいう。いわないですます人もある。テレビなどでも「ワレメちゃん論争」などしている。
しかし、文章にするとき、これはハッキリ、そのものを指して書かなければいけない。かつ、いわないですます、ということもできない。
「ナニをアレして、アレがそうして……」
と書いたのでは、いかなる出版社といえども原稿料はくれない。
それで人は、いろんないい方を考える。私はこれを考えるのが邪魔くさいからベッドシーンは書かない。それに女性でいろんないい方を考え、発明して書ける人は、月やくのあがった人と見てよろしかろう——何の話や。
ともかく、文語と口語はちがう。文章にするときは、口にのぼせる言葉を使うと、いたく品格がおちる。「ワレメちゃん」なんて言葉は、文章には使えない。
「彼はワレメちゃんに手をふれた」
などと書くと、へんにナマナマしくなり、思わす桜田門の方をうかがいたくなる感じ、このごろはわりにみんな、口にのぼせて、かなりひんぱんに聞く×××(或は××××)だって、文章に定着するわけにはまいらない。
「彼は×××にさわった」
と書くと、これはハッキリ、トイレのらく書き風、文章にすると、明るい所で読みたくない感じ。私はこういうときの名称には気むずかしい方である。小説・雑文を読んでいて気にいる気にいらぬ、というのはハッキリある。これは許されてしかるべきであろう。泣き泣きでも文筆業者のはしくれだから、自分の好みがなけりゃ仕方がない。
わりに見やすいのは、「女性の部分」なんていいかた、
「彼は女性の部分に手をふれた」
と書くと文語らしくておくゆかしい。秘所、なんていう言葉を使う人もあるが、これはあの世という意味もある。知ってて使っていられるのであろうけど。陰の字のつく解剖学的用語を頻出なさる方もあるが、これは男が読んでおもしろいかもしれないけれど、女が読むと、夢がなくてつまらない。
局部、なんていうと日本医師会報の文章になってしまう。
前、とか前のものというのもあるかもしれないが、前といったって、いろいろ道具はあり、そのどれを指すのやら、かつこのごろはうしろのものをご愛用なさる向きもあるのだ。たしか時代小説だと、こういう古めかしい、「前」なんてことばが生きていたと思う。
小説の種類により、いろいろであろう。
「かくしどころ」なんていうと荷風大人的であるが、案外、むかしはこの語が文章にも多くて、無難だったのかもしれないが、私は子供のころ「キング」などの広告で読んだ記憶がある。それは、
「かくしどころ用にも効果絶大!」
とある、毛はえぐすりの広告だったのだ。子供の私はたいそうふしぎであった。
私は、かくしどころというのは御真影奉安殿のことだと思ったのだ。
昔の小学校には、校庭の一隅に必ず、小さなコンクリートの御殿風のたてものがあり、ここに天皇・皇后両陛下のお写真と、教育勅語がおさめられ、小学生は登・下校のたびに必ず、うやうやしくおじぎしていたのである。そこは威厳をもって密閉され、中をうかがうこともできない。いうなら、「かくしどころ」の感があったのだが、今おもうに、「かしこどころ」(宮中三殿の一つ、賢所)とまちがっていたのではあるまいか。
なぜ、奉安殿に毛が生えなければいかんのだ。嗚呼《ああ》。子供の頃には不可解なことがいっぱいあった。
しかし、文章にすると「かくしどころ」という言葉は、荘重な響きを帯び、かつ、大正風倫理観念のものものしさがあってよい。
シンボル、という言葉もある。
しかしなぜか、この言葉は男にしか使わない。カモカのおっちゃんにいわせると、
「そらやっぱり、シンボルという言葉は、一点に凝縮した、という感じがないとあきまへん。それダ! とゆびさしていうことができるもんでないと、あかんのとちがいますか。たとえば女やと、ゆびをつきつけて上から下まですーっとあてても、ついに足もとまでこれダ! というものがない。女は、女自体がシンボルですからなあ」
「男は、シンボル以外の部分は、男でないのでしょうか」
と私は、おっちゃんの盃に酒をそそぎつついった。
「そうもいえるかもしれまへん」
「そういえば、日本のシンボル、という言葉もありますね。これはなぜですか」
「つまり、シンボルという言葉には、急所という意味があります。よって、日本のシンボルは日本の急所であると」
「なるほど」
私は腑におちた。
「急所をさわるととび上がる人がいますからな」
「ハハァ」
「さわってる内に問題《ヽヽ》が大きゅうなったりする」
「ご尤も」
「なるべく人にふれさせるまい、人前で軽々しくあげつらうことも避けようとする、まさしく、秘部的存在」
「わかりました」
「イザというときは二・二六将校のように蹶起《けつき》するエネルギーも秘めてます」
「全くね」
「シンボルには必ず裏に何モノか、ややこしくぶらぶらと蠢動《しゆんどう》して、たくらんでる、そういうのが付随してるもんです。そこも似てます」
私たちはシンボルに乾杯した。
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