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女の長風呂88

时间: 2020-06-25    进入日语论坛
核心提示:余  禄信州・某寺のお戒壇めぐり、真ッ暗やみの中を一人ずつ手さぐりでソロソロあるくとき、奇妙に若い女が被害にあうからおか
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余  禄

信州・某寺のお戒壇めぐり、真ッ暗やみの中を一人ずつ手さぐりでソロソロあるくとき、奇妙に若い女が被害にあうからおかしい、という。
鼻をつままれてもわからぬ暗闇だから、若い女も年よりも中年も弁別できるはずないのに、若い女がゆくときまってスカートをまくられたり、どこかにさわられたりする。娘さんの一人は、パンティの中まで手を入れられたといって怒っていた。
同行の男性が、これはてっきり後続の参詣者の中に痴漢がいるのだと思い、階段の登り口で、とっちめてくれんと待ちかまえていると、出て来たのは婆さんの団体、口々に念仏を唱え、仏の功徳を念じつつ、お戒壇めぐりを終えた嬉しさに随喜の涙をうかべて上がってきた。婆さんがいまさらレズでもあるまいし、この際、娘さんのスカートをまくるとは考えられぬ。しかし上り口はひとところなのに、ついに痴漢らしきもの現われなかったよし、これ、某寺の七ふしぎの一。
「そら、下に寺僧か寺男かが居って、余禄に若い女にさわっとったんちゃいまッか」
とカモカのおっちゃんは見解をのべた。
「けど、そんな余禄は困るやないの、もしそうなら、寺当局に強う談じこんで、取締ってもらわな、あかんわ」
と私が憤慨するとおっちゃんは、
「いや、ひょっとしたら、寺の給料安いよって、なかば黙認の余禄かもしれへん。今日び、その位のことないと、人集まりまへんやろ、寺側の労働管理政策とちがいますか」
といった。
それで私は、余禄ということについて考えた。新聞にはよく悪徳警備員、悪徳警官などが万引きした女を取調べ、あるいは不問に付すと称して、ボディにタッチしたり、貞操を要求したり、などという不祥事件がのっているが、これも余禄であろうか。
いや、取調べと称してさわるぐらいまでは余禄であろうけれど、それ以上ゆきすぎて、脅迫するというのは職権濫用であろう。政治家や役人が、地位や特権を利用して私腹を肥やしたり私的利益を得るのは、これは職権濫用を更にゆきすぎて汚職というべく、悪事のスケールが大きい。
まあ、そういう悪徳官僚や悪徳政治家の不埒な悪業にくらべれば、信州某寺の寺男(にきめてしまっては気の毒であるが)の余禄などは、じつに庶民的でかわいらしい。
余禄というものを定義すると、つまり正当な報酬のほかに、そこから派生する特権的利益といったらいいであろうか。
では、物書きの余禄は何であろう?
流行歌手ならばファンの女の子をどうこうということもあるであろうが、なまじ物書き・文士は活字相手の商売だけに、週刊誌の広告、新聞の見出しの文字が、実際の行動より先に、あたまの中にすぐ浮かぶ。
「|あの《ヽヽ》佐藤愛子さんが男性ファンに暴行!」
「|あの《ヽヽ》野坂昭如センセイが女性ファンをホテルに監禁!」
などと反射的にひらめくわけだ。結果のわかってることに手を出す気になれない。……のではないかと思う。
また、物書きだからといって土地を安く買えることもなく、税金をまけられることもない。バーへ行けば人より多く勘定をとられ、交通事故をおこせば人より派手に報道され、いいことはちっともないのだ。
「そうかなあ、しかし『オレ、作家!』なんて偉ぶってるのも、あんがい、いるのんとちゃいますか、作家作家といばるな、作家。作家庶民のなれの果て」
とカモカのおっちゃんはいうが、私には、作家がそういばっているとは思えない。むしろ、物書きであることで損する場合が多い。
なかんずく私は、アンケートやコメントを求められるのはじつに困るのだ。「何々先生談」というのがピッタリ板について、世の指標、現代の良心のようなすばらしい意見を発表なさる作家もあるけれど、作家でさえあれば、猫も杓子も、世の中の方向指示器になれるわけではない。
なれない物書きもいるのだ。私なんかに「日本の行く道」「アジアにおける日本の責任」など聞いてもらってもしようがない。いや、何でもかまいません、思ったことをしゃべって下さいといわれるが、思ったことをしゃべると、カットされたりして、これはよほど方向ちがいのことをしゃべったのであるらしい。雑誌が見当ちがいのことをそのままのせてくれる度量があるならまだしも、カットするのは見当ちがいの意見まで消化しきれないからである。
それに色紙、これもそう、まずい字で書かされるのは拷問にひとしい。何でもいいから書いて下さいとある人にたのまれ、書いて渡したらいたく不興な顔をされた。
聞けば、新築の家に贈呈するつもりだったそう。
私は何と書いたか。
「すべってころんで火の車」
昔、正宗白鳥が、人に乞われて、
「日暮れて道遠し 白鳥」
と書いて与えた。その人はもうひどく困惑して、もじもじしたそうである。
聞けば新婚夫婦に贈呈するつもりだったそう、ほかにもっと景気のええ、おめでたい奴を、すんまへんが、たのみますわ、と白鳥にいって、白鳥大先生を怒らしたそう。
色紙を書かされることほど、憂く辛いことはない。中にはよろこんで書く作家もいようが、私なんか作家の余禄どころか、損くじも甚だしいと思う。
では、男の余禄、女の余禄は何であろうか?
私は女の余禄は子供だと思う。女は女の人生を生きてまだ子供を自分の味方につけ、自分の思うままにオモチャにできる。では男のそれは何か?
カモカのおっちゃんいわく、
「それは浮気でっしゃないか。男に生まれた余禄には、浮気できる、これは正当な報酬のほかに、そこから派生する特権的利益とちがいますか?」
私は思う、それは職権濫用の方である。いやむしろ、汚職というべきかもしれぬ。
男の特権を悪用して自分一個の私腹をこやすのが汚職でなくてなんであろうか。
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