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女の長風呂96

时间: 2020-06-25    进入日语论坛
核心提示:マジメ人間「女の長風呂」について投書がくるのを拝見すると、ファンというより、ヒイキ、という方が多くてうれしいが、更にそれ
(单词翻译:双击或拖选)
マジメ人間

「女の長風呂」について投書がくるのを拝見すると、ファンというより、ヒイキ、という方が多くてうれしいが、更にそれを上回って多いのは弾劾、告発、憤懣《ふんまん》に堪えん、という手紙である。
「女のくせにエッチだ」
というのもあるが、私は別にそうは思えないんですがね。野坂昭如センセイも、「長風呂」はべつに「エロチック・エッセー」というほどのエッチなもんでなく、二つ年上のお姉さまが煮《た》いた高野豆腐と椎茸の煮しめの味がするといわれた。
つまり、家庭惣菜風である。とてものことにエッチなんて高級なことは書けない。
「卑しい」
というのもあるが、卑しいのは卑しい心で読むからで、こういう人は「むっつりSUKEBE」という。
「もっとマジメにやれ! たとえば人の心を美しく正すようなものを書けッ」
という叱正もくる。付記して、
「『恍惚の人』をみよ。ああいうふうに、世論を動かし、社会の矛盾を正す如きものを書かねばならん」
と、わがゆく手に一条の光明を与えて下さる如き指示もある。しかし、「恍惚の人」が老人問題についてごうごうの世論をまきおこしたのは、それは副次的な産物で、有吉サン自身も、「そうしよう思《おも》て書いたんちがう」いうふうなことを、いうてはった。
作家なら誰しもそうあるだろうことで、一丁これで、懦夫《だふ》をして起《た》たしめるものを書こうなんて、思う人はないはずである。
ことにこの、マジメにやれ、というのが困る。世の中、マジメ人間が多すぎることを、私はたいへん弱ったことだと思うとります。せっかく狐狸庵先生が「ぐうたら哲学」をおすすめになっているのであるが、どうもまだゆき渡らぬらしい。マジメ人間というほど、悲しいことはない。そういう人は、「アンクル・トムの小屋」が南北戦争を起し、|額田 王《ぬかだのおおきみ》をめぐって中大兄皇子《なかのおおえのみこ》と大海人皇子《おおあまのみこ》の恋のさや当てから壬申《じんしん》の乱が起ったのだと信じて疑わぬ。
戦争中であったりすると、大本営発表を鵜呑《うの》みにして、ラジオで軍艦マーチが鳴り出すと衿を正して聞き、東条首相が下々のゴミ箱まで視察してまわったりすると大感激する。
政府が国民を餓死させるようなことは、決してなさるはずがないのだ、と信じて配給食糧だけで食いつなごうとし、終戦の詔勅をよんで、ああお気の毒に、お上もどんなにお心をいためておられるであろうかと、自分の栄養失調、ヒゼン・カイセン、焼け出されのバラック住まいはタナに上げて、恐懼《きようく》の涙をこぼす。
お話変って戦後に舞台は一変すると、民主主義ならでは夜も日も明けぬ。革命歌も見よう聞きまねで習いおぼえ、プラカードをかついでメーデーさわぎ、世の中ややおさまると、赤軍派の親の家に石ツブテを投げ、
「教育者のくせに、わが子も満足に育てられんか、首吊って死ね」
と脅迫する。
さてまたお話変って汚染騒ぎになると、魚は汚れていると一も二もなく信じこんで肉もダメ、牛乳、卵もあかんらしい、と栄養失調、マジメ人間というのはせつないねえ。
新聞なんかマジメに読む奴あるかい、あほ。私は戦時中の大本営発表以来、新聞は数割、割引して読むことにしている。
人と人との約束は守るけれども(原稿の締切りはこの限りに非ず)、事に当り、イロイロのことを遠まわりして考えるというふうで、ありたいものである。
男は、女のことをマジメだというが、女から見ると、けっこう男もマジメ人間多く、マジメ人間というのはヒステリックになりやすいから、ヒステリー男というのも、意外に多いのである。
私は上京するたび、一週間前に自分でキップを買いにいくが(趣味でいくのではない。自分でいかないと誰もいく人がない)、あのコンピューターの所にいるおじさんが、どうもにが手である。三ノ宮駅のみどりの窓口にコワーイ御仁がいて、私がひかり何号などというのをちょっといいまちがえると、噛みつきそうな顔で「ハッキリせんかい、ハッキリ!」という。そのじろりとにらんだ白眼の恐ろしさ。震え上った私は帰りのキップも買えずに今度はタクシーで新神戸駅までいき買うという、それほどヒステリーのマジメ男が多い。しかし新神戸だとて似たりよったりのつっけんどん、これは思うに、あのキカイが男どもをヒステリーにするのだ。人間が便利になるために作るキカイに、人間が苛《いじ》められてては、世話ないというものだ。これも男たちが職務に忠実たらんとマジメになるからだ。
男は好色精神にもマジメが入る。
「婦人公論」の付録にこんな話があった(提灯もちするわけではないが、この本に時々つく付録は面白い。又、それ以上おもしろいのは雑誌巻末の「ハガキ通信・私の告発」でありますぞ。この読者たちが、夫・姑・親・職場の上司らに対する酷烈をきわめた告発をよんでごらん、まさに火炎放射器のごときすさまじさ。私の愛読する所以《ゆえん》である。誰もホメないから紹介しとく)。
あるフランスの作家が招かれてアメリカへわたり、宴会にのぞんだ。右手に目もさめる若い美女、左手にモッサリした冴えない中年のおばさん、その中に挟まれた男としては、当然、右手の若い美女に関心がいく。これは男という男、九十パーセント、マジメ人間だからであり、ごじぶんの欲望や関心にマジメ忠実だからである。作家はしきりと美女と歓談し、宴ははてた。左手の中年婦人が、淋しげにぽつんという。「ちっとも小説のお話ができませんでしたわね。実は私も、以前小説を一つ書いたことがありますのよ」男性作家は、半分、バカにした風でかるくたずねた。「ホウ、何という題ですか?」「『風と共に去りぬ』」——。
しかし、たいていの男ならこの場合、マーガレット・ミッチェル女史を悲しませただろうから、べつにこの男性作家だけを責めたり笑ったりするに及ばない。男というものはマジメである。マジメは視野せまく、こころ偏狭である。謹厳実直ということである。マジメ人間にはあそび心、笑いがない。
よって私はマジメな男が子供をもっているのを最高最大のユーモアと思うものである。女と交わるにマジメを以てす、というのはどういう風にやるのか、私にはどう考えてもわからないからである。
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