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女の長風呂99

时间: 2020-06-25    进入日语论坛
核心提示:兵隊サンよ、ありがとう男というものは見ていると面白い。いろんなイメージや連想がふくらむ。それに反して、女を見ても、同性の
(单词翻译:双击或拖选)
兵隊サンよ、ありがとう

男というものは見ていると面白い。いろんなイメージや連想がふくらむ。
それに反して、女を見ても、同性の私は、ちっともイメージが湧かない(当り前とちゃうか)。
女は、どんな人も、その人個人のほか、ありえない。何の何子さんは、何の何子さん以外ではありえない。
しかし男はちがう。何のナニガシ氏は、その向うに、無数にいる、何のナニガシ氏の総代のようなところがある。
そこが、男と女のちがいだと——私は思っている。
たとえていうと、ギイッチャンこと、藤本義一氏は、(私はいつもいうのだが)「若さま侍」でありますよ。城昌幸さんの小説ではないが、落語の「船徳」よろしく、船宿の二階にとぐろをまいて、レッキとした武家の若さまでありながら素ッ町人のくらしになじみ、あたまのかたいお家の三太夫や、しかるべき人々のヒンシュクを買っている。剣をとっては一文字くずしでバッタバッタとやたらなぎ倒して強いこと無双、あたまもよくて学問もあるくせに、伝法言葉を好み、粋がってみせ、悪所にいりびたり、そういう、しゃれのめしたところが、ワカる人はワカるんだけど、かたい三太夫なんていう評論家や、文学賞審査員には通じないだろうから、マワリの方が、気を揉んでしまう。
しかし若さまが、窮屈な邸ぐらしをきらう以上、どうしようもあるまい。船宿の二階でとぐろまいて、世を茶に暮してるのも一興、見物人としては、ときどき、抜く手もみせず、いい腕をみせてもらったときに、さーすが根はサムライ、と、感嘆の念しきり、ギイッチャンの株は上る、という所であろう。
会田雄次センセイを見ると、幕閣の老中を想起する。徳川泰平の世も終り近く、飢饉だ、一揆だ、黒船だと物情騒然、その中をせかずあわてず、スパッスパッと物ごとを裁量して、切れものこの上なしのやりての、会田ナントカの守《かみ》。
この老中が、今までの手合とちがう所は、大奥お女中に評判よろしきこと。これでなくては老中の職にいられない。高級女中の歌橋とか飛鳥井なんていう名前のついてるような恐ろしいお年寄り、中《ちゆうろう》にも信用あって「会田ナントカの守さまは、こう仰せられます」なんていわれると、うるさい大奥、シーンとして耳傾ける。
いくら徳川幕府の老中、大老と威張ったって、大奥女中たちに総スカンをくらったら、とうていやっていくことはできなかったのである。テレビで会田先生がニターリニターリと、いくら意地悪をいっても、婦人層の人気いやたかいのをみると、こういう連想が働かざるを得ない。
小松左京さんは、これは戦前の町内会長の感じ。「このドブ、詰まってんのちゃうか、あの長屋、全体に軒が傾いて来てへんか」から、出征兵士の歓送会、ラジオ体操の早おき会の企画、町内の冠婚葬祭の世話、葬式のときは、香典《こうでん》の帳つけ、婚礼には、羽織をあらためて町内代表で、祝いをもってゆく。
何たって、すごい物知り。
あたまも働く。よろず発想が、長屋の熊さん八っつぁんと、出来がちがう。
ことに、地震、火事のときなど、今から町内の人間の避難先、逃げ道を心配し、煙の具合、風の通り道、ともかく物知りだから、かえって心配ごとが多い。
政府《お》・《か》役所《み》の指示・通達は信用ならぬものと知っているゆえ、一そう気が揉めてならん。
いうなら、戦前の教科書にある「稲むらの火」の庄屋さんみたいな人に思われる。
五木寛之おにいさまは、これは戦前の町内に何十年に一人という割合で出た、「帝大生」のお兄さんのような感じ。
昔、私が子供のころ、大阪下町の町内では、生きた「帝大生」なんてめったに見ること、かなわなかった。そういう人は、まことに雲の上人《うえびと》であった。
たいてい、その土地の旧家の坊《ぼ》ん坊《ぼ》んで、大阪の旧家などには、天神サンが筑紫へ流されはるときに、その家で休憩しはった、そのときのお盃がいまだに家宝として残っている、というような古いのがあるのである。そういう所の坊っちゃんが、東京帝大生、休暇で帰省などされると、大評判、遠くの町内から、弁当もちで見にくる。
たまに外へ出られたりするのにあうと、はげ頭の隠居から熊さん八っつぁん、洟《はな》たれ小僧まで最敬礼し、「どうや、あのかしこそうなご様子」と、わが町内の誇りにする。
あの頭脳の中には何がつまってるんだろうと、万人ひとしく畏敬のマナコ、戦前の大阪下町における帝大生の存在などは、そういうものであったのだ。まして、町内の若い娘などにいたっては、帝大生の奥ふかく住むお邸の前を通るさえ、心かきみだされる心地。
野坂昭如センセイを見るたび、私が思い出すのは「兵隊サンよ、ありがとう」という戦中の小学生の歌であります。
野坂サンは、何となく、われわれ昭和ヒトケタ前半の代表選手といった感があり、われら同世代人を代表して、ひとりで、やっさもっさしている。私たちに代って銃をとって戦う。
キックする、ラグビーする。
「兵隊サンよ、ありがとう」
歌をうたう、えらいサンにかみつく。
「兵隊サンよ、ありがとう」
「四畳半襖の下張」事件で、頑迷|固陋《ころう》なお上に決然と挑戦する。
「兵隊サンよ、ありがとう」
小学生のころ、戦地へ向う兵隊サンの行軍を、われわれコドモは、日の丸振って見送った。
「肩を並べて 兄さんと
今日も学校へ ゆけるのは
兵隊サンのおかげです
お国のために お国のために戦った
兵隊サンのおかげです
兵隊サンよありがとう 兵隊サンよありがとう」
歌声の中を「兵隊サン」はザックザックと靴音ひびかせ、戦野へたっていった。「兵隊サンよ、ありがとう」は、何も私、「応援団はチャッチャッチャッ」で傍観していうのではない。感謝をこめ旗を振り、非力《ひりき》ながら銃後の護りは引き受けた、あとに続くを信じてくれ、と叫んでるのであります。
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