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花の百名山16

时间: 2020-06-26    进入日语论坛
核心提示:大岳山  イワウチワ(イワウメ科) 山の道を歩く度に、いつごろからひとが歩きはじめたのだろうか、どんな生活をしたひとたち
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大岳山  イワウチワ(イワウメ科)  
 
 山の道を歩く度に、いつごろからひとが歩きはじめたのだろうか、どんな生活をしたひとたちだったろうかというような思いが走る。
古代のひとたちは、沢よりは山の尾根を越えていったという。多摩川と秋川の谷のちょうどまん中にある|大岳《おおたけ》山は、そのような時の一つの目じるし、方角を知らせる大事な目標にもなったのであろう。
日頃は煤煙に被われた東京の空であっても、秋から冬にかけては富士山を中心にして、西の山々が紺青の姿をあらわす。横山厚夫氏の『東京から見える山見えた山』に木暮理太郎氏の三十年にわたる研究が紹介されていて、富士山を加えて、三千メートル以上の山は九座、三千メートル以下二千メートル以上の山が六十四座としるされている。人口が二百万から六、七百万時代の東京であるけれど。
私の娘の頃は、通学の電車の窓から自分の登った山を見つけ出すのが先ずうれしく、富士山の左に大山、右に武甲山を見出し、その間に奥多摩から小金沢、大菩薩の稜線をはっきりと目に入れることができた。奥多摩では丸味を帯びた隆起を持つ大岳さえとらえれば、その近くに連なる御前山、川苔山などはすぐわかった。
大岳にはじめて登ったのは十代の終りである。大学生の兄に連れられ、ケーブルにも乗らず、御獄から歩いて、氷川に下った。長い袴に運動靴で大岳の下りを、起伏の多い鋸尾根の道にしたので、泣きたいほど疲れた。医者の卵であった兄は、その後一、二年して私が結核になったときも、薬など飲まずに、栄養をとって、自然の中で暮すのが最適の療法と言うようなひとで、いつも文明に毒された近代人は、つとめて自然に還るようにと言っていた。登山にケーブルなど、とんでもないことというわけである。
いまもレントゲンに病巣のあとを残す私の結核は、いつなおったのか記憶にないけれど、発熱の身で、その後ふたたび大岳にも大菩薩にもはいっている。栄養と安静が絶対条件のはずの難病を、私は山に登りながらなおしてしまったらしい。からだの弱いことを口実に、兄でなく、弟やその友人たちと御嶽にゆく時は、ケーブルを利用し、奥の院までいって、|雄具那《おぐな》神社周辺の原生林の中を歩いたり、日の出山から関東平野を見下し、養沢の谷に下ったりした。五日市から秋川をさかのぼって、神戸岩から逆に大岳に登ったこともある。
ケーブルのあるせいか、御嶽付近は普通の日でもひとが多いけれど、大岳までくるひとは少く、その頂きからは、丹沢、奥秩父の山々が間近に迫って威圧された。
戦後二十年ほどして御嶽経由で大岳に来て、ここも高水山と同じように、あまり荒らされてないのを知ってうれしかった。高水山についで、大岳もずい分、春、秋、冬と登っている。同じ山に何度も登ることは、そのときどきの自分の健康状態がわかってありがたい。
高水山は三山を連ねて周囲から独立しているけれど、大岳のように、四方に道の通じているところは、古代からの重要な交通路であろうといつも思った。物資を運ぶために、大事な知らせを持ってゆくために、ときには、新らしい婚姻が行なわれるために、ひとびとはせっせとこれらの道を歩いていったにちがいない。そのとき少し位熱があったとて、おなかが痛んだとて、止むを得ない事情の下では、強引に自分の身を前進させていったのであろうと思えば、この位の熱など大したことはないと重い足を引きずっていった。大岳への道のたのしいのは、ヤマハンノキやクヌギ、コナラなどの濶葉樹林が多くて明るいこと、下草に花が多いことである。春はエイザンスミレ、アケボノスミレ、ヤマキケマン、ニリンソウ、ヒトリシズカなど。夏から秋にかけてはツルリンドウ、ツリガネニンジン、ヤマジノホトトギス、オケラ、ナデシコ、リュウノウギクなど。
大岳から南に、馬頭刈山を越えて八キロの尾根が、秋川の谷の軍道までつづいている馬頭刈尾根はつい最近歩いた。三頭山から和田峠までの笹尾根に、直角にぶつかる形でのびているこの稜線は、西側は陽にかがやきながら、東側はくろぐろと陽のかげっている眺めがおもしろい。春の半ばで陽に映える山桜が美しかったが、林の日かげにはイワウチワの薄紅の花が咲いていた。イワカガミに似たこの花を見つけたのはこのときがはじめてである。はじめての花にあうと未知の世界にであった思いで心が晴れ晴れとする。大岳を中心にした尾根のすべてにイワウチワがあるかどうか、改めて歩きなおしたいと思ったりした。
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