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花の百名山46

时间: 2020-06-26    进入日语论坛
核心提示:羅臼岳  チシマツガザクラ(ツツジ科) |羅臼《らうす》は、知床という土地の遠さもあるけれど、北海道で一番ヒグマが多いと
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羅臼岳  チシマツガザクラ(ツツジ科)  
 
 |羅臼《らうす》は、知床という土地の遠さもあるけれど、北海道で一番ヒグマが多いと聞かされて、久しく登る勇気がなかった。
昭和四十五年に福岡大学の三人の学生が、カムイエクウチカウシ山で、一匹の狂暴なヒグマに襲われ、悲惨な最期をとげた。
その秋、久住で、福岡大の学生と一緒になり、九州にはクマがいないため、クマのおそろしさについての予備知識がなくて、あの不幸な事件をひきおこしたのではないかと語りあった。
娘の頃に避暑先の房州の千倉で、「熊の出る開墾地」という芝居を見たことがある。町の小さな芝居小屋であったので、開墾者の家族が寝入っているところに、戸を破って入ってくるヒグマの姿が、リアリティをもって一段とおそろしく感じられた。
戦後十年ほどして、根室の東の|珸瑤瑁《ごようまい》の町で、一晩、旅芝居を見たが、その中に、同じ|演《だ》しものがあって、北海道では、いまだにこの芝居が観客を集めていることを知った。
札幌の野幌の開拓記念館で、札幌市内の|丘珠《おかだま》の開墾地の一家族を襲い、十人近くをかみ殺したヒグマの|剥製《はくせい》を見たことがある。福岡大学生を襲ったのも出ていて、共通しているのが、他のヒグマたちとちがう表情である。見るからに執念深そうで、賢こそうな顔をしている。
この百年の北海道開拓史の中で、ヒグマに殺されたものは、三百人にも及ぶとか。志を立てて移住して来て、ヒグマの餌食になるのでは、死んでも死にきれぬ思いであろう。
羅臼には富良野岳に登った翌々年、雌阿寒岳の帰りに登った。案内は滝本幸夫さんと、友人の鈴木和夫さん、中川泰助さん。私たちはいつもの山仲間の二十人近く。
いつか登ってなつかしい斜里岳に迎えられ、見送られて、岩尾別の旅館についたのは夕暮れ近かったが、夕陽の知床五湖をちょっとでも見たいと、車をまわしてもらう。オホーツク海の荒波につくられた潟湖であろうが、そのうちの三湖のほとりを駆け足で歩いた。
茂りあう原始林の深さ。ヤナギランの紅。クガイソウの紫。クルマユリの朱のいろが林間に見えかくれし、夏雲が夕映えに赤々と燃えて湖面をいろどる。自然の美しさの極みは、ヒグマの天国のしるしとも思って、どの雲にもどの花にも、足をとどめることはなかった。
羅臼岳の登り口には番小屋のようなものがあって、登山者名簿が備えられているのだが、先ずおどろかされたのは、番人の話で、中腹の極楽平に二、三日前にヒグマが出たということ。
そこは水場だから、ヒグマも水を飲みにくるのである。極楽平ではなくて、地獄平と改称したらよいのになどと思いながら、|鬱蒼《うつそう》とした樹林帯を登る。
林の下草にはクルマユリ、ツバメオモト、コバノイチヤクソウ、オトギリソウ、エゾトリカブト、ツマトリソウと花のきれいさが疲れをなぐさめてくれ、花に元気づけられて、沢沿いの狭い谷を、極楽平から銀冷水へと辿る。意外に歩きよい道で、傾斜も手頃である。何よりも登るにつれて木々の茂みが深くなり、岩場を埋める花のゆたかさにびっくりした。
羅臼岳はその北にある硫黄岳、知床岳などと共に千島火山帯に属している。
十勝岳のように頻繁に活躍していると、花もなかなか定着できないのであろうが、羅臼は噴火後の状態が、ちょうど、花々を多く咲かせるによい時期なのではないだろうか。羅臼平まで、狭まった岩場の道は、まるで、空にむかって登高してゆくような眺めで、西側の岩壁を埋めるのはチシマフウロ、リンネソウ、タカネトウチソウ、ミネズオウ、チシマクモマグサ、エゾツガザクラ、エゾコザクラ、エゾツツジ、エゾナデシコの赤、シナノキンバイ、キバナノシャクナゲ、ホソバノイワベンケイの黄、ジムカデ、イワウメ、ミヤマウイキョウ、シコタンソウ、チングルマの白、チシマギキョウ、エゾチドリの紫と、まるで高山植物園さながらの華麗さは、谷が狭いだけに白馬や早池峰に勝って素晴しく、やはりはるばると来てよかったと思った。
羅臼平は、びっしりとコケモモの群落で、この実はヒグマの大好物だから、いよいよヒグマの運動場と想像できたが、先ず羅臼岳に対する左手の三峰に登り、はじめて知らない花にぶつかった。ツガザクラに似てもっと細かい葉の、薄紅いろの四弁の花は小さく数個ずつかたまってついている。じゅうたんのようにびっしりと生えている。
頂上は強い風で、露岩のかげにかくれて、海をへだてて横たわる|国後《くなしり》を見た。滝本幸夫さんが風をよけながら指さして、
「あの国後の富士山のように形のよい山は、有名なチャチャヌプリです」
と言われた。かつては日本の岳人のあこがれの山であり、今はすぐ眼の前に近々とそびえていても登れない。
ツガザクラの葉に似た葉をもつ花はチシマツガザクラだと、中川さんが教えてくれた。チャチャヌプリの山腹にもじゅうたんのように、この花が咲きさかっているにちがいないと思った。
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