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花の百名山47

时间: 2020-06-26    进入日语论坛
核心提示:樽前山  ウラジロタデ(タデ科) |樽前《たるまえ》山が活動しはじめた。激化している。そんな新聞記事に、何か胸がわくわく
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樽前山  ウラジロタデ(タデ科)  
 
 |樽前《たるまえ》山が活動しはじめた。激化している。そんな新聞記事に、何か胸がわくわくした。一九七九年、昭和五十四年三月十六日の毎日新聞には、十五日にとった機上からの写真がのっていて、左手に|支笏《しこつ》湖から、恵庭、空沼などの山々をのぞみ、あの特徴のあるドーム型の山頂の部分が裂けて、盛んに白煙をあげている姿がうつされている。
白黒の写真だけに却って、山頂から山腹を|被《おお》う雪の白さと、噴煙の不透明に濁ったいろ、火山灰や押し流された泥流による雪面の汚れなどがはっきりと見わけられて、平面的な写真が、火山という巨大な生きものの荒々しい呼吸をつたえ、こちらの胸の鼓動を高めるのである。
——ああ、飛んでいきたい、あの山の上をぐるっとまわって、噴きあげる煙の合間に、真紅の炎が、大地の血のいろのように、見えかくれするのをこの眼でたしかめたい。
何べんもその写真を、くりかえし眺めて思った。
樽前山の噴火は一六六七年、寛文七年から一九五五年、昭和三十年までの記録が残されていて、その山頂のドームの部分からの活動が激しいという。|千歳《ちとせ》、あるいは|丘珠《おかだま》への飛行場に下りる機窓から、何度その怪奇的とも言いたいような頂上部分の姿を見下したことだったろうか。
寂然としずまりかえる支笏湖の南に、|風不死《ふつぷし》岳のくろぐろとした緑が盛り上る。晴れていれば湖面は紺碧に染められ、樹林と緑とその紺碧の二つが画布に塗りつけられた絵の具の塊のように動きのない美しさをつくり出しているとき、風不死の東南に当って、生皮をはがれた大地のように、黄土色の山肌をむき出しにした樽前が、傲然と、不機嫌な山容をさらしている。
北海道の山々を飛行機の窓から眺めていつもヒグマのことを思わないことはない。この機影を、あの樹海の中で仰ぐヒグマもいるのだと、一種の親しみと同時に恐怖を抱くのだが、樽前のあの樹木のかげ一つない山には、さすがのヒグマもいないだろうと札幌の友人に語ったら、いや、支笏湖周辺はヒグマの多発地帯で、樽前の火口原まで登ってくるのもいるのだとおどかされた。草食動物であるヒグマは、火口原で、どんな食糧用植物を見つけるというのか。登ったのは数年前、アポイ岳へ登った帰りである。
タカネコウゾリナの大群落やアポイマンテマやエゾウスユキソウ、アポイハハコ、アポイツメクサなどの好ましい花々にであったあとなので、おそらく活火山の十勝岳同様、大した花はあるまい、ただ七合目までバスが入る気楽さで、定山渓に一泊して、東京へ帰る前の一登りと思っていった。日曜日のため、家族づれで賑わい、サンダル履きも目立ったが、火山礫がごろつく急坂の登りで、それぞれに苦労しているようであった。
花らしいものをと、火山岩や礫の間をのぞいてゆく。七合目までの潅木地帯には、バスの車窓からヨブスマソウや、ハンゴンソウ、ミミコウモリや、オニシモツケソウ、マルバシモツケ、エゾオヤマリンドウなどが見えたけれど、頂上までの山腹には十勝岳にいっぱいあったイワブクロがわずかにあり、ところどころ、ウラジロタデがかたまっていて、黄白色の花炎をあげているばかり。時に一メートルを越して群落をつくるこの花は、茎の太さ、葉の厚味あるゆたかさで、いかにもたくましい感じがするけれど、樽前では背も低く、礫の間から二十センチほどに伸びたのが、地味のやせていることを知らせているようであった。この茎や葉の新芽を生のままかじるとホロ酸っぱくておいしい。
ヒグマは、この新芽をさがしに樽前に登ってくるのだろうと思った。
小一時間かかって外輪山の稜線にとりつき、眼の前にひろがる火口原の眺めにびっくりした。ゆるやかな起伏で、中央火山の稜線が波のうねりのように盛り上り、そのまん中のあたりに、いろも暗い黒灰色の岩山が忽然とそびえたっている。熔岩の塊そのものなのであろうが、何という巨大な岩塊であろう。しかも幾つかの亀裂があって、そのすき間から|濛々《もうもう》たる白煙を噴き出している。大自然そのものの抑圧された怒気をほとばしらせるように。私はその目ざましい姿に圧倒され、まわりにぞろぞろひとのいることなど一つも気にならず、見あきるまでこの岩山を見ていたいと思った。この岩山を背景にして、うすい絹の白衣をまとって、縦横に跳躍しておどりまわりたい。いや、登場人物百人のページェントをやっても、まだまだ人間集団が小さく見えるだろう。そこに、ヒグマの群れを参加させたいとも思った。もっともよく調教されていなければならないが——。
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