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花の百名山65

时间: 2020-06-26    进入日语论坛
核心提示:守屋山  ザゼンソウ(サトイモ科) 諏訪湖の南に|守屋《もりや》山がある。赤石山脈の一番北にある一六五〇メートルのこの山
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守屋山  ザゼンソウ(サトイモ科)   
 
 諏訪湖の南に|守屋《もりや》山がある。赤石山脈の一番北にある一六五〇メートルのこの山が、地図を見る度に気になっていた。すぐ真下に諏訪湖がひろがっている。湖畔の諏訪神社は、日本の神話時代にさかのぼる伝説がある。オオクニヌシの国譲説話に見られるように、大和族との戦いに敗れた出雲族のタケミナカタが、諏訪湖のほとりに住みついたというもので、諏訪神社の祭神になっている。
私が好奇心をそそられるのは、タケミナカタが、この諏訪盆地に入って来たとき、先住民族である守矢族と交戦し、やがて、これと和睦して、守矢族は天竜川の左岸一帯を占めるようになったという話で、ちょうど守屋山の麓に当っている。
モリヤ山とは、旧約聖書の中にあるモリア山と同じ名前ではないのだろうか。アブラハムが成長した息子イザアクを、神の言葉のままに、その山の頂きで殺そうとしたとき、神の声が聞えて、お前の心がわかったからもうよいという。神はアブラハムを祝して、子孫は地上に満つるであろうと言う。モリアとは、「神がとりはからいたもう山」の意味。アブラハムは親子で山を下って、七つの羊の泉のそばに天幕を張る。アブラハムが他部族と仲よく水をわかちあうことを誓った場所であった。守屋山はまさに諏訪湖のほとりにあって、守矢族は、出雲族と和睦して、水をわかちあって暮した。
守矢というような山は日本全国にたくさんある。そのそばにすべて湖や沼があるかどうか知らないが、私はずっと以前、牛山清四郎氏の『古信濃の交通』という著に、日本にユダヤ人が入って来て、先住民族になっていると書かれてあったことが忘れられないのである。十二部族あったユダヤ民族の一つが、紀元前六世紀に於て、ユダヤの王国の滅亡後に、東に進んで中国大陸を経て日本にわたったのだという。ユダヤ人の選民意識は、日本人の選民意識とよく似ているという。
とにかく守屋山のてっぺんにいってみたいと、茅野から杖突峠を越えたのは、六月のはじめであった。この街道は高遠から伊那を経て、天竜川沿いに尾張へ出る。ヤマトタケルの東征の道でもあったろうと言われている。
カラ松の芽ぶきの美しい林をしばらくゆくと、小さな沢に出て、登山道は、まっすぐに左側の稜線の上を追って、だらだら登りに頂上まで、二時間足らずの山歩きだが、頂上近くで一汗かいて一面の岩石群の平地に出る。東は西峰につづく尾根。三方が鋭く|削《そ》ぎおとされていて、モリヤ族の祖先をまつるのであろうか、大きな石の祠がある。晴れた日であったから、北の霧ヶ峰から八ヶ岳連峰、西に木曾駒、空木などの中央アルプス、南に北岳、間ノ岳、農鳥、塩見、荒川、聖、そして富士山、東に秩父、丹沢と、まことに申し分のない眺めであった。
日本列島は、糸魚川から静岡までの断層を西の縁とする大地裂(フォッサ・マグナ)で、大きく二つにわかれているというけれど、真下に見える諏訪湖の西北に当って、三千メートル前後の峰々が、大糸線沿線の平地部あたりから急に盛り上って、高峻な山容を連ねているのを遠望すると、この宇宙に地球が生まれ、陸と海にわかれ、いろいろの生物が繁殖し出した悠久な旧約の創世記の昔まで、はるばると思いがのびてゆくようであった。この低い山で、これだけの眺望ということは、やはり、古代の民が、里から登って来て、神の心を聞くのにふさわしい場所だと思えた。
それに花がいっぱいある。そのときはレンゲツツジのさかりだったけれど、マツムシソウやカワラナデシコやミヤマダイコンソウやハクサンフウロやクルマユリやショウジョウバカマやニッコウキスゲやノハナショウブが、まだ固いつぼみをつけ、あるいはようやく葉をしげらせはじめていた。
同じ年の八月末、岡谷町の教育委員会の青年諸君と、夜半の二時に塩尻峠を出発して登った。二十日すぎの月の光が美しく、午前五時半、月の光も星の姿も消えて、八ヶ岳連峰の上の空を、緋にいろどって太陽があがるのを見た。明るくなって、六月にさがした花のつぼみがことごとくひらき、葉は茂りあい、花の種類はなおふえて、トリカブト、ハンゴンソウ、ソバナ、ヤマシロギク、オミナエシ、サワアザミのいろ鮮やかな姿を見出した。一番うれしかったのは、六月のときは葉も小さかったザゼンソウが、沢一面を緑の広葉で埋めていたことである。ミズバショウの純白の苞にくらべて、暗褐色の薄気味悪い苞をもつザゼンソウが私にはおもしろい。この山の花の豊富さは、山に神が下ることを信じたひとびとの思いが、山へのおそれとなって、山をまもっているからではないかと思った。
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