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花の百名山79

时间: 2020-06-26    进入日语论坛
核心提示:高峰山  コウリンカ(キク科) いつどこの山へいっても、それが春ならば秋になって又来ようと思い、秋ならば、春の花々が咲い
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高峰山  コウリンカ(キク科)   
 
 いつどこの山へいっても、それが春ならば秋になって又来ようと思い、秋ならば、春の花々が咲いた頃にと思う。
また、この山はあと十年生きているとして、また必ずやって来ることができるとも思う。今までに出あった高年での登山者は、木曾の御嶽の九十歳、月山の八十四歳である。私たちの山の会にも、八十三歳で、三平峠から鳩待峠まで歩いたひとがいた。
山へ度々ゆくことが、自分の健康の保持に役だっているといつも思っているけれど、山へ多くゆくひとと長寿とどんな関係があるのだろうか。
案外に、山男などとよばれたひとであっても、遭難以外の病気で、この世を去る例も少くないのではないだろうか。重い荷物を背負い得るのが、山にゆくものにとって、欠いてはならない資格のように思い、ずい分な無理を重ねて短命につながることも多いのではないだろうか。
山へゆくというと、いきなり、何キロ位しょえますかなどと聞かれることがある。私は山に谷川の水があれば水筒も持ちたくないし、くだものの皮もむいてビニールの袋につめてゆく。下着が汗でぬれるので、タオルを二、三本持ってゆき、下着と背の間において、汗をかく度とりかえて頭の鉢巻につかったり、首のところに下げる。最後は下着なしの素肌となって、下着をもってゆく重さを倹約しようとする。
おにぎりなどは重いので食事はもっぱらパンやハムやサラミソーセージの薄切りである。もっとも私の山歩きなどは、全くのハイキング、低山趣味であるけれど。それでも山にはできるだけ多くゆきたい、どんな忙しい暮しの中でも万難を排してと思い、この数年は年間三十のノルマを自分に課している。月に二回から三回、最小限度六時間から十時間までの山を歩くためには、その間の健康管理にはずい分と気をつかう。時間の配分にも気をつける。ありがたいことに数日前に今年のドック入りの検査表がとどいて、血圧が要注意の外はほとんど内臓に支障がないとのことであった。血圧は仕事をやめて山を歩けば下るので、やっぱり山はせっせとゆかなければと思った。
車坂峠の西にのびる|高峰《たかみね》山は、八十になっても九十になっても登れるところとしている。峠が一九六八メートル。わずか百二十三メートルの標高差で、大きな露岩が積み重なった頂上にたつことができる。時間にしてゆっくり歩いて往復二時間足らず、眺望は広濶絶佳で、八ヶ岳から南・中央アルプスが一目で見える。何よりもその花々の多さがすばらしく、一歩足をふみ入れて驚嘆に次ぐ驚嘆である。ただ車坂峠から西の登山道にさしかかり、ゆるやかな坂を登ってゆくと、いきなりかたわらの小笹の藪の中から、灰いろに黒の縦縞模様の蛇が一匹あらわれて、すばやく足許すれすれに横切っていったのはありがたくなかったが——。浅間周辺はヘビが多い。
小笹の斜面がすぎると野生の芝の生える草地になり、シャジクソウやミヤコグサが明るく地表を埋める。かつては軽井沢の高原の到るところにあった花たちである。
ヤマルリソウもある。マツムシソウ、ノギラン、ノハナショウブ、シシウド、シオガマギク、ウツボグサ、ハナニラ、コウゾリナ、アサマフウロ、ミヤマキンバイ、イブキジャコウソウ、コゴメグサ、ユウスゲ、ニッコウキスゲ、オニユリ、キキョウ、オヤマリンドウ、カワラナデシコ、クガイソウ、ヒメシャジン、オミナエシ、コキンレイカ、チダケサシ、ミズギボウシ、フシグロセンノウ、マイヅルソウ、ユキザサ、ハクサンイチゲ、イワオトギリ、ヨツバシオガマ、ヤナギラン、ベンケイソウ、ワレモコウ、シギンカラマツ、ヨツバヒヨドリ、ヤマオダマキ、シモツケソウ、アキノキリンソウ、キオン、シラネニンジン、コケモモ、ツガザクラと数えると五十近い種類が、歩いてわずか一時間の稜線の左右の山腹を埋めていた。
シモツケソウやノギランやユキザサやハクサンイチゲやノハナショウブやイブキジャコウソウはもう花がすんでいた。
八月も末で、マツムシソウやアキノキリンソウやフシグロセンノウやカワラナデシコやリンドウは花の盛りであった。コウリンカの朱赤の花も二、三本、見つけた。これもなかなか見られない花である。いつ見てもこの花は群れをつくらず、花びらも下むきになって、ひっそりと咲いている。いろは朱赤で、一目見てそれとわかる。
鬼押出、離山、石尊山、浅間山、黒斑山、碓氷峠、小瀬と、軽井沢を中心にずい分長い年月、馴れ親しんで来たけれど、この山ではじめて出あい、今まで浅間高原では見ることのなかったのは、ハクサンイチゲ、イブキジャコウソウ、ヨツバシオガマ、キオン、ノギラン、コゴメグサなどである。浅間高原の他のところにもあるのかもしれないが、私にははじめてであった。
そしてこの山には、どうしてこんなに花が多いのであろうと思った。北側の斜面にはアズマシャクナゲもいっぱいある。その根もとにゴゼンタチバナの大群落。
ひとのいのちの明日はわからないけれど、いつか八十歳をすぎた日に、心をゆるしあった友だちの数人と来て、一人一人がはなればなれの、見えかくれするほどの距離を保って花々の中をゆっくりと歩けたらいいなと思う。その日まで、これらの花々よ、生き残っていてと切に思う。
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