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花の百名山89

时间: 2020-06-26    进入日语论坛
核心提示:御池岳  ヤマエンゴサク(ケシ科) 去年つづけて藤原岳、霊仙と、鈴鹿の山々を歩いてから、何か心ひかれて何べんでも来たくな
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御池岳  ヤマエンゴサク(ケシ科)   
 
 去年つづけて藤原岳、霊仙と、鈴鹿の山々を歩いてから、何か心ひかれて何べんでも来たくなった。
鈴鹿の山地には縄文時代の遺跡が多いそうだけれど、日本列島を東半分と西半分にわけ、東南に伊勢湾と西北に敦賀湾の深い窪みを持つこの日本の中枢部には、そもそもこの国土が海面に現出した時から、多くのひとびとがかくれ住んだのではないかと思う。吹きさらしの平野部よりは、敵からの防衛のきくところとして。
御在所岳は麓に湯の山温泉を持ったのが不幸で、ロープウェイで運ばれた頂上附近の、遊園地化には、胸も凍るまでの衝撃を受けたが、まだまだ鈴鹿には原始の姿がいっぱいあるのではないかしら。大杉谷と同じく、ヘビやヒルが多いというのも、こわいもの見たさの興味をそそられた。
近江と美濃の境にある|金糞《かなくそ》岳へいったあくる日、朝の四時にバスで坂本の宿を出て、コグルミ谷の入口で車を捨て、|御池《おいけ》岳に登った。去年、藤原岳の上から東北よりに、一面のササヤブがひろがり、あのヤブの中に天狗岩があり、更に御池岳へと、石灰岩台地特有のカルスト地帯がつづいていると聞き、時間があれば、このササヤブの中を|辿《たど》ってと思ったが、家庭の主婦の多い私たちの山仲間は、一つの山に、たっぷりとした時間がとれないのであった。御池も登って、この日のうちに豊橋の葦毛湿原を見、東京まで帰らなければならぬのである。
国道三〇六号線が走る谷の入口の標高は五二七メートル、あと七百メートル登ればよい。「心の山」とか、「江勢通相」とかいう文字を|彫《きざ》んだ石碑が立っている。三〇六号線は西に進んで鞍掛峠をトンネルで抜け、|大君《おじ》ヶ畑にむかう。伏木貞三氏の『近江の峠』によれば、平均一千メートルの高度を持つ鈴鹿山脈を、近江から伊勢へと抜けてゆく鞍掛峠越えは、鎌倉時代から近江商人にとって重要な道となっていた。伊勢にもこの峠を通ってゆき、参詣の帰りには、大君ヶ畑の延寿招福の多賀神社に詣ったという。大君ヶ畑は|木地師《きじし》のふるさとでもある。木地師もまた、峠を越えて製品を売りにいったのであろう。
伊勢と近江を結ぶこの峠をらくに越えることは、古代からのひとびとの願いであった。早くから車道の開発ものぞまれていたが、工事半ばで、山津波の膨大な土砂や岩石に埋めつくされたのだという。ま新らしい石碑には、完成のよろこびがこめられているようであった。
水は石灰岩地帯の特徴で伏流になり、谷の名はあっても流れのあとらしいものはなくて、大小の石灰岩が露出した急傾斜の道があるばかりである。フシグロセンノウがのびている。ギンバイソウが対生の矢羽根型の葉をひろげている。ミスミソウが白い花をつけている。藤原岳でおぼえたタキミチャルメルソウが花穂をあげている。ヒトリシズカが、ツルカノコソウが、ユリワサビが咲いている。花のおわったベニバナのエンレイソウ。ヤマブキソウがある。ヤマブキソウは四、五日前、奥多摩でいっぱい見て来たが、関西の山では、はじめてであった。
フタバサイシン、カニコウモリやヤブレガサがようやく葉をひらき、ミヤマカタバミの白い花が見える。ヤマネコノメもある。つぼみをつけたルイヨウボタンもヤマシャクヤクもある。ニリンソウは白々と群がって咲き、イチリンソウもまだ咲き残っている。キクザキイチリンソウやショウジョウバカマもまだ名残りの花を見せている。
藤原岳のようにフクジュソウやアワコバイモには一本もあえなかったが、新緑のブナやミズナラの樹林の中は明るく、花々にむかえられて、昨日の金糞岳での疲れが、登るほどに拭い去られてゆくようであった。八合目近く、ミヤマバイケイソウの大群落が、鮮やかな緑で両側の谷を埋め、あの白く小さくかたまって咲く花が満開になったら、どんな美しさであろうかと想像するさえ、胸が緑のさわやかな流れで満たされるようであった。
中腹から見えはじめて来たカタクリは上にゆくほど増えていき、しばしばかたわらに休んではその美しさに見とれた。この山のは殊に花が大きく、いろも濃いようであった。
御池岳は頂上に、ドリーネに水がたまった池が多く、龍神が住むとされ、雨乞いに登ったひとも多かったという。
ところどころに炭焼小屋のあとの石組みもある。決して人跡未踏というような深山ではない。最近まで炭が焼かれたのであろうか、サワグルミやブナは大樹もあるけれど、ヤマモミジもウリハダカエデもそれほど大木ではなくて、若い木々が多い。しかし花々のゆたかさが、この山の自然のゆたかさを物語っているようであった。真の谷とよばれる伏流のあとが横切っていて、庭園の石組みのような巨石の間を西に下ると、これもドリーネの小さな池があってオモダカの葉が浮いていた。頂上はこの谷を越えてから一時間半の往復である。
林の下草の中に、ヤマエンゴサクの薄紅の花が目立ちはじめた。一人の青年が一生懸命に写真をとっている。
いつか北海道の定山渓谷で、青紫の葉も花も大きいエゾエンゴサクをたくさん見たが、ここのは葉も花も楚々とした姿であった。
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