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花の百名山90

时间: 2020-06-26    进入日语论坛
核心提示:大台ヶ原山  イナモリソウ(アカネ科) |一《ひと》月を三十五日として雨が降る。日本で一春雨の多い山と聞けば、やはり、ど
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大台ヶ原山  イナモリソウ(アカネ科)   
 
 |一《ひと》月を三十五日として雨が降る。日本で一春雨の多い山と聞けば、やはり、どんなに樹々が茂り、苔が美しいかと、久しく大台ヶ原にあこがれていた。
頂上までバスで登れるようになったと聞いてがっかりし、どうせゆくなら、女人禁制の|大峰《おおみね》山に男装してなどと無謀なことを思っているうちに、大台ヶ原にはまだまだ秘境がいっぱい残され、北に下る大杉谷がすばらしいということを、友人山下滋子さんの亡き夫君山下一夫さんの遺著『かんあおい』で知らされた。懸崖にはキイジョウロウホトトギスも咲いているという。いつか新居浜の神野一郎さんからウナズキボシをいただいたが、これも大杉谷にあるとされている。
伊勢の青山高原から赤目四十八滝へいっての旅の最後を、大杉谷下りと予定したのが一昨年の初夏であった。
雨は青山高原を一面の霧で被って、何の花も木も見えないままに過ぎた。赤目で晴れ上り、大台ヶ原の秀ヶ岳頂上で日本晴れとなって、気象測候所附近の真紅のツクシシャクナゲの美しさに眼をうばわれたが、私はいつもの山仲間たち三十名が、大杉谷への道へと下ってゆくのを見送った。数日来の風邪につかった抗生物質が利きすぎたらしく全身がだるくてならぬ。牛石ヶ原、正木ヶ原と一人歩いて、意外にトウヒの大樹、古樹が少いこと、花もトリカブトやバイケイソウが目につくばかり、公園のように整備された道も味気なく、いささか失望してバスで帰った。
二度目は去年の初夏、前年の旅をいったひとたちから、その滝のすばらしいこと、大杉谷を知っては赤目の滝など、ただいろあせるばかりと聞かされ、藤原岳の花を見る旅とかけて予定したが、やはり、前年の晴天は稀れな幸運で、今度ははじめから雨の中の行動となった。
秀ヶ岳周辺のシャクナゲも咲かず、四百メートル近く急勾配を下るシャクナゲ坂の道も、花はほんのわずかで、この花には、当り年と、そうでない年のあるのがわかった。
しかし、山頂附近の人工的な眺めとちがって、さすがに近畿の屋根とよばれる山である。準平原的な頂上の眺めは一変して、雨量の多さから浸蝕も激しく、壮年期の急峻な谷を生み出し、広葉樹、針葉樹が茂りあって、霧のために一そう深く|幽邃《ゆうすい》な様相をあらわしている。
時々の晴れ間の光に咲き残りのシロヤシオやムシカリの純白の花が美しい。また、天城で見たような明るいベージュの樹肌のヒメシャラの大樹もまじっていて、ここにもワビスケに似た形の白い花があった。
この日の泊りの桃ノ木小屋では、去年、厚くおいしいトンカツを出してくれたという。私たちはひたすらに女主人経営という桃ノ木小屋への期待に胸をはずませながら、コウヤマキ、コメツガ、ブナ、ミズナラ、ヒノキ、イチイ、ウリハダカエデ、ミネカエデ、コウチワカエデ、チドリノキ、サラサドウダン、コメツツジ、アケボノツツジ、ムラサキヤシオ、リョウブ、マンサクと、両側の木々をたしかめながら下っていった。
大台ヶ原は修験の道場として、千年の歴史を持つ大峰山とちがって、登山路のけわしさ、狼が棲むというおそろしさに、妖怪伝説も加わり、明治になって、ようやく入山するものが目立つようになったという。
松浦武四郎もその一人である。六十歳ではじめてこの山に入り、その死の七十一歳まで、くりかえし登って、北海道の山々にも似た原生林を持つ大台ヶ原に魅せられ、私財を投じて幾つかの山小屋までつくって、この山の持つ壮大な美しさを世間に紹介しようとしたのである。
武四郎につづいて、大台ヶ原の自然の中に人間の修行の場を求めたのが、現在、登山者も泊ることのできる大台教会として頂上に建設されているものの開祖、美濃のひと古川|嵩《たかし》である。その墓はバスの終点から西側の丘の上につくられ、大台ヶ原の苔やシダにびっしりと被われている。裏から入ってそのこんもりした小さな丘の美しさに腰かけて食事し、前に出て標柱を見てびっくりした。
シャクナゲ坂を下ってはじめて見参するのが、水量もゆたかな堂倉滝、つづいて|隠《かくれ》滝、光滝、七ツ釜滝と数十メートルから百メートルを越える落差で、高い急崖から白々と落ちてくる滝々の壮観に渓流ぞいの道の険しさを忘れ、吊橋のおそろしさも忘れ、かつての探険者たちがこの滝と出あい、これらの滝におどろいた姿を思った。
桃ノ木小屋は今年も厚くおいしいトンカツで大満足。ぬれた靴を、ヤッケを、早くかわかすようにと心こまかい接待がうれしい。
あくる日も雨であったが、それでものどはかわいて、滝のように流れおちる雨水を飲もうと急崖に身をよせれば、薄紅のイワチドリが咲いている。ぬれて重い足のかたわらには芳香を放つササユリがある。イワナンテン、コクサギ、ネコノチチ、イソノキ、ヒメカンアオイ、ヤマトグサ、サワギク、ヒメウズと、あまり、ふだんの山歩きでは見かけない花々にまじって、これも道ばたの崖の苔の上にピンクで五弁の小さな花が咲き、葉の若みどりが美しい。イナモリソウであった。奥多摩あたりの谷間で幾度か見たけれど、花の咲いているのを見たのははじめてである。やはり大杉谷を下ってよかった。ふだん見なかった花にたくさんあったとよろこんだが、宮川ダムまで辿りついて、何となく足許がかゆいので、しらべてびっくりした。真紅になったヒルが五匹もついていた。仲間たちもさわぎ出し、多いひとは十二匹もついていた。
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