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花の百名山95

时间: 2020-06-26    进入日语论坛
核心提示:石鎚山  キレンゲショウマ(ユキノシタ科) いつかの冬、尾道から|今治《いまばり》へ船でわたっていったとき、南に当って、
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石鎚山  キレンゲショウマ(ユキノシタ科)   
 
 いつかの冬、尾道から|今治《いまばり》へ船でわたっていったとき、南に当って、鋭い山容の連なりのことごとくが雪に被われているのを見た。
四国の山にも雪がある。当然のことなのに、もう三月も間近い頃であったので、春は南からなどと何となく考えていた甘さを頭から、がんとやられたような気がした。
石鎚山。その名のきびしさも好ましい。冬は全山霧氷に被われて、陽光きららかな日は、この世ならぬ美しさだと、松山の知人に聞かされたけれど、せめて晩春の山に、どんな花々が咲いているのだろうか。お隣りの剣山はどうか。その二つの山を目標にして五月の末の一日、東京から松山に集まったのは、いつもの花好きの山仲間、女ばかりの同勢三十名。愛媛大学教授であった植物学者の山本四郎、新居浜の神野一郎の両氏が案内して下さった。
その日スカイラインは落石事故で不通とのことである。明日も期待できないという。雨もよいの空の下を、先ず宿舎近くのパノラマ台まで散歩した。お二人の先生がたは、一木一草の名をことごとく御存じで、ヒカゲツツジ、アケボノツツジ、ダイセンツツジなどの花を見た。
あくる日はとうとう降り出した雨の中を、面河渓谷の上熊淵から左折して、急傾斜の石段を登る。面河の渓谷はスカイライン工事に荒廃したと聞かされて来たけれど、渓川の水量もゆたかに、川原には何十畳敷とも言いたいような巨岩がるいるいとして横たわり、第一級の渓谷美であった。
間もなく樅や栂などの針葉樹林帯に入り、その幹まわりの太いのにおどろく。石鎚山に天狗が出るなどという伝説も、こんな神秘的な眺めが生んだのだろうと思ったりする。
雨は小止みになったが、霧が濃くて、視界百メートルほど。案外に緩い勾配だが、急傾斜の山腹につけられた細い道は荒れていて、上からは雨水が滝のように降りそそぎ、下は浮石が多く、足許をたしかめるのがやっとである。しかしツマトリソウ、シコクスミレ、ミヤマハコベ、タニギキョウと、かわいい白い花が咲き競い、ミズタビラコの水いろ、コケイランの薄紫いろの花になぐさめられ、いまにもなだれ落ちそうな沢の斜面を被うヤマシャクヤクの白い花の大群落におどろき、ヤブウツギ、マルバウツギ、ヒメウツギ、ガクウツギ、ウラジロウツギ、コガクウツギとウツギのいろいろに打ち興じ、愛媛大学の山小屋もすぎて、イシヅチザクラの自生最南限地まで辿りついた。通称チシマザクラのよし。ザラ峠を下りて、五色ヶ原の登り口で見たのと似ている。花期も終ろうとして雨にぬれた風情が美しかった。
同じ年の夏、鹿児島の韓国岳に登った帰りにもう一度登った。
前回はその日のうちに高知までという時間に限られて、あきらめた頂上にゆけるとたのしみに眠れば、夜半からの雨に風まで加わって、台風の前線通過とのことである。石鎚山の雨は有名で、霧の発生日は年間三百日余とか、それでも二度も雨にであうとは口惜しかった。海の上に仰ぎ見た石鎚の頂きからはるかに海を眺めたかったのに。
何かとかつぎたいひとはやっぱり女人禁制の山だからとか、日頃の心がけが悪いからとあきらめるのであろうが、残念にもそんな心情はさらさら持ち合せないので、やっぱり雨にぬれ、風にたたかれてゆくより外はないと覚悟し、午前七時半風と雨の中を出発。案内は愛媛新聞の高市氏と田中氏、植物学者の山本四郎氏と山草研究家の神野一郎氏。西も東もわからず五里霧中でとにかく歩く。
稜線に出ると強風が一度に押しよせて、大波にもまれているようによろよろするけれど、山腹をまいて風のかげに入ると、別世界のように静かな山になって、ミソガワソウ、シロバナナンゴククガイソウ、サケバヒヨドリ、ハガクレツリフネソウと、はじめての花々との対面ができた。雨の切れ間に谷々も見渡され、シコクシラベ、シラベの南限ですと山本氏に指さされてその立派さに感嘆。神野氏は望遠鏡で、それらの幹の一つにフガクスズムシソウを見つけられ、私は、北向きの斜面にキレンゲショウマの群落を見てよろこぶ。レンゲショウマとは葉も花も形がちがって、背も高く華麗である。これも石灰岩を好み、かつて日本が大陸とつづいていた頃の名残りであるとか。
巨岩重畳の頂きには十時四十分着。遂に眺望は皆無。しかし前回と同じく、この四国第一の深山を歩いていたのは、私たちの一行だけで、何ともぜいたくな山旅の気分であった。
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