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花の百名山98

时间: 2020-06-26    进入日语论坛
核心提示:韓国岳  マイヅルソウ(ユリ科) 私は火山が好きだ。眺めても登ってもよい。その頂きから煙が立ち、その頂きから火を噴きあげ
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韓国岳  マイヅルソウ(ユリ科)   
 
 私は火山が好きだ。眺めても登ってもよい。
その頂きから煙が立ち、その頂きから火を噴きあげ、その頂きや山腹になお、かつての火を噴いていた頃のあとを残し、あるいは地表のすべてが草地に被われていても、いつその内部から燃えさかる炎を噴き上げるかわからないという不気味さをひそめている。
そんな山頂を身近に仰ぎ、そんな山の頂きを目ざして歩いているとき、大地は生きているのだなあと思い、自分の全身にふつふつとそのいのちに似たものが、たぎりたってくるのを感じる。
しかし、できれば、登るならその山の八合目位までは、びっしりと木々や草が生えていてほしい。
それが無理ならせめて六、七合目位までと思い、その山裾に、ようやくイワブクロの花がまばらに生い出ていて、あとは全山火山礫で被われているような十勝岳などはあまりありがたくなかった。
あるいは、山肌に草も木も生えていないものほど噴火活動が新らしく、また激しいのがおそろしく、おのずから敬遠する気持ちが働いているのかもしれない。生きている大地は、いつ爆発して焼けただれた熔岩を噴き上げるかわからない。
火山を好むと言っても、死とすれすれの危険をたのしもうなどという|不逞《ふてい》さは毛頭持たぬつもりである。そんな実力も皆無である。
わたつみの沖に火もゆる火の国に
われあり誰そや思はれびとは
子供の頃、柳原白蓮とよばれた公卿華族の出の美しいひとが、九州の炭坑経営者と結婚し、十年たって、年下の雑誌『解放』編集者と恋愛して家を出たという新聞記事が世間を賑わしていた。白蓮がつくったというこの歌は、まだ、恋愛などに関心を持たぬ少女の胸にも、九州は火の国。海に|不知火《しらぬい》が燃える。山も赤い炎をあげて燃えているというあこがれをかきたてた。
火はいのちの象徴であり、くりかえされる火山の爆発は、大地が亡びない|証《あか》しである。
はじめての飛行機で鹿児島にいったとき、空から町の後方にそびえたつ霧島火山群の偉容を見下して息をのんだ。秀麗な高千穂と、それにつづく中岳や|新燃《しんもえ》岳や|韓国《からくに》岳などの頂きに、明らかに火口のあとと知られる大きな窪みがある。火口のあとが沼となって光る水面もあり、そのことごとくが火を噴きあげていた日の、原始のすさまじい光景がそぞろにしのばれるようであった。
韓国岳に登ったのは夏の早暁である。鹿児島文化センターの鞍掛氏、永谷嬢の案内であった。鹿児島市内を出はずれて、えびのへと向う途中で、両側の林の中にエビネはないかと目をこらしたが一本も見えなかった。
韓国岳は霧島火山群の主峰として一番高く、千七百メートルあるけれど、標高千二百メートルのえびの高原からは、二時間ばかりの登りで、日の出と共に、頂きの火口壁の突端に立つことができた。私たちより早く登っている青年や娘さんたちもいて、私がいい年をしていると見て、上からさかんに声援してくれた。
すぐ眼の前の高千穂の山肌を朱に染め、朝焼けの雲間からさし出た太陽に、旧噴火口の東面の草地が一斉に緑のいろも冴えてかがやき、西側はまだ、|茄子紺《なすこん》いろの闇に沈んでいて、その明暗の対照が美しい。
どんな草が生えているのであろう。直径は一キロもあろうか。深さは三百メートル近くもえぐられていて、下りてゆけるような道はどこにもない。吹き上げる風は冷たく、鶯の声がしきりであった。
西の方を望めば、美女お浪が身投げして、大蛇になってかくれ住んでいるという伝説の|大浪池《おおなみいけ》が、青々としずまりかえっている。これも明らかに噴火口のあとで、周辺は成層型火山の稜線でかこまれている。
火口のあとらしい大きな窪地は、目に入るだけでも十近く点々と存在し、霧島火山群は、それらをふくむ二十あまりの火山を包含しているという。
これらの火山たちは、日本の国の創成期の頃も、まださかんに火を噴きあげていたのだろうか。
霧島火山群の東麓にあたって、|西都原《さいとばる》の大古墳群がある。それらをつくった民の子孫が今日伝説の高天原を、霧島火山群のあたりにおいているのは、はるかな昔、朝夕にすべての火口から立ちのぼる煙を眺めながら、|稚《おさな》く新らしい国家の誕生を夢とし、自分たちを、そのえらばれた地位に引きあげようとしたのであろうか。地質学的にはもちろん人類の住みつく以前の噴火かもしれないが。
韓国岳の山腹は茂りあうクロヅルで被われ、中腹以上の道のはたにマイヅルソウがいっぱいある。北海道や東北の山々で見かけるのにくらべると、葉は五分の一ほどの小ささで、背丈は三センチほど。それなりに小さい実をつけているのだが、新らしい地質で栄養にとぼしいのか、寒地を好む植物でこの暖国に馴染まないのか、一緒に生えているノギランもまた、五分の一程の小型であった。『植物手帳』の長谷川真魚さんがたよりを下さって、鹿児島の植物研究家、伊藤氏が、明治二十七年に牧野富太郎氏に「韓国岳山嶺はマイヅルソウをもつて被はれたり」と書いて知らせたこと。屋久島まで南下する北国の植物だが、九州では、阿蘇、九重、|大崩《おおくえ》山位だけなのに、霧島山には到るところに生えていると「宮崎の植物」に書かれていることを教えて下さった。その大きさはどうだったのであろう。
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