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花の百名山100

时间: 2020-06-26    进入日语论坛
核心提示:祖母山  カキラン(ラン科) 嫁いだのが長崎生まれ長崎育ちのひとであったので、九州には、夫の両親のふるさと、鳥取と共に、
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祖母山  カキラン(ラン科)   
 
 嫁いだのが長崎生まれ長崎育ちのひとであったので、九州には、夫の両親のふるさと、鳥取と共に、一番よくいっている。
昔は連絡船、今はトンネル、ときに飛行機で、眼の前に九州の山野がひらけるとき、いつもおどろかされるのは、緑の濃さである。
緯度が南というだけで、太陽の光の強さがちがうのであろうか。緑が濃いから、風景にもぼってりとした厚味が加わるような気がする。水彩画と油絵の差とも言おうか。新緑の頃に九州の山々を眺めると、クスノキやマテガシの黄金色の新芽が盛り上って、山がムクムクとうごめいているようだ。
しかしそのわりに九州の山に登っていないのは、ひたすらに、多分いっぱいいるであろうヘビがキライなせいである。
九州の山は秋ときめていて、延岡の全旭化成労働組合連合会で講演依頼のあったとき、|祖母《そぼ》山に登らせて下さいとたのんだ。
二、三年前に神話の舞台である|高原《たかばる》町にゆき、五、六世紀の古墳群三百三十基が発掘された|西都原《さいとばる》に案内されて、古代の日本人の生活がそぞろにしのばれたのだったが、それらの地の北に連なる|祖母傾 《そぼかたむき》山地を遠望して、機会があったら、その頂きからはるか神話のふるさとを眺めてみたいと思った。
当時の今西高原町長は、話のおもしろいひとで、聞いていると高原はたしかに高天原の地だという思いになってくるし、西都原の古墳群の地に私を案内したタクシーの運転手は、あまりにも整然とした古墳群に感嘆し、
「これらを残したひとたちはどこに消えたのでしょう」
と、ひとりごとのようにつぶやいた私に自信ある風情で答えた。
「消えていません。その子孫はわたしたちです」
九州の山野の緑の濃さの中には、そのまま、古代びとのいのちが、その葉の一枚一枚のかげに、凝縮して今なお息づいているような気がした。
前夜一泊して、延岡五時三十分出発である。まだ眠気のさめないままにうとうとしている間に五ヶ所着、八時。民家の点在する街道から右折して山みちに入る。山腹が伐採されて杉の苗木を植えているので、下草が枯れたままに、山は明るい草丘のような感じで、道のかたわらに群れをつくって咲いているノコンギクの薄紫が美しい。
地図で見ると祖母山の麓には幾つもの神社があり、中にヘビと人間との結婚伝説を伝えているのもある。これもヘビが多いというしるしであろうか。車はここまでというところに神社の一の鳥居があった。
祖母山の名は、神武天皇の祖母である豊玉姫命から来ているという。かつては、祖母山そのものが一つの御神体と考えられていた。
戦争中は、日本の建国伝説が大事にされ、この山も皇室の祖先にゆかりのあるものとして、多くの信仰登山者を迎えたが、今はそれほどでもないらしい。
神社のうしろの急坂をまいて細い道を登ってゆく。
十月の半ばをすぎているのに、ミヤコザサの中に、ヤマアザミやアキノキリンソウやミヤマラッキョウの紫や黄があざやかである。コウゾリナ、オトギリソウも咲いている。
道の両側に背の高いランが群れをなして生えていて、固くしっかりとした実が横向きにいっぱいついている。葉の形はカキランである。
この花は尾瀬あたりから、奥多摩、狭山丘陵などで見ることができるけれど、これだけたくさんあれば、夏のさかりの頃は、さぞ壮観だろうと思った。他の花々もかたまって群がっている。植物の勢いがさかんなのであろう。
ヤマハハコもウメバチソウもリンドウもまだ花を残し、コオニユリ、シオガマギク、センブリが花がらになっている。ところどころに何合目という石があって、アケボノツツジ、キリシマツツジ、ドウダンなどの潅木にまじって、シャクナゲも目立つ。
千間平から国見峠についたのが十一時三十分。道はアセビやブナの林の中に入って、まんなかが落ちこんですべりやすくひどく歩きにくいが、フタバサイシンやサワヒヨドリやオオルリソウを見つけてよろこぶ。一七五七メートルの頂上に着くと急に視界がひらけて、南に傾山、本谷山、|大崩《おおくえ》、|古祖母《ふるそぼ》が連なり、北に阿蘇、九重が紫にかすんで見える。草地の頂きは神をまつった石祠を中心に、ミネヤナギ、ウツギ、ヤシャブシなどの潅木がようやく黄ばみそめていた。
風もないおだやかな日で、車座になって昼食。旭化成社員であるひとびとの明るい話題でたのしかった。自己紹介をしあってみると、ここにいる青年たちは、ほとんど父君を赤ちゃんの時に戦死で失っている。それにしても、何と健康で気持ちのよいひとたちであることか。私の相手にと、延岡市議だという話のおもしろい稲富女史をはじめ、中年の女人たちも四、五人参加しているのだが、さながら母と息子たちの登山のようであった(亡き父君よ、遺児のこの見事な成長をよろこんで下さい)。ふと空にむかって叫びたくなった。
下りは風穴まで直降する悪路で、木の根草の根につかまりつかまり跳ぶように下りたが、岩の間にクロクモソウ、コゴメグサ、ジンジソウ、ギンバイソウ、ハガクレツリフネソウがまだ咲き残っていて、この花のゆたかさ、この景観の変化あるたのしさに、祖母山というよりは花の乙女山とも名づけたかった。
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