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花の百名山122

时间: 2020-06-28    进入日语论坛
核心提示:鎌倉岳《かまくらだけ》   クリンソウ  九輪草四五輪草で終りけり小林一茶一茶の住んだ信濃の黒姫山に近い柏原あたりは、冬
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鎌倉岳《かまくらだけ》
   クリンソウ
 
  九輪草四五輪草で終りけり
小林一茶
一茶の住んだ信濃の黒姫山に近い柏原あたりは、冬の寒さが残って、|九リンソウ《ヽヽヽヽヽ》も四、五リンソウで終わってしまうという解釈ができるかもしれないが、私の見た同じ信濃の戸隠の奥社への道のかたわらに一本咲いていた|九リンソウ《ヽヽヽヽヽ》は、四リンソウであった。戸隠の中社の久山という旅館によく泊まったことがあって、その庭に咲くのも四、五輪ぐらいであったと思う。
秋川の奥の浅間尾根の近くに庭にいっぱいふやした家があって、あまりたくさんなので、中には九輪咲いているのがあるかもしれないと近づいていったら、家の中から「こらあ」と叱り声がとんで、びっくりして跳びずさってしまった。
野生のサクラソウの好きな私は、クリンソウも美しいと思い、戸隠の久山さんから一株もらって来て中軽井沢の山荘の池のそばに植えたら、ふえてふえて四年目には八、九株になり、中には七リンソウとなるのもあって、来年は|九リンソウ《ヽヽヽヽヽ》ができるとよろこんでいたら、その夏の間に、私たちが帰ったあとで、だれかにすっかり持っていかれてしまった。
気の毒がって、地許のひとが、十株ほど持って来て植えてくれ、次の年は二十株になったが、三年目に、一本も残さずにとられてしまった。他人の庭に入りこんで来て、自分のほしいものをどんどん盗んでゆくひとの気持ちが憎い。
鎌倉岳は大滝根山と同じ阿武隈山地で、郡山から東に車で一時間半ほどいった|常葉《ときわ》町にある。九六七メートルと山は低いが、花崗岩を主体にした山容は堂々としていて、初夏はコバノトネリコのうす緑、トウゴクミツバツツジのうす紅、ヤマツツジの真紅にいろどられ、全山花の山となる。その登り口に近い谷川のほとりではじめて九輪のクリンソウを見たのは、つい最近である。思わずその草むらに足を踏み入れようとしたら、案内の町役場のひとがあわてて「そこはマムシ注意です」。
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