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花の百名山127

时间: 2020-06-28    进入日语论坛
核心提示:上 州《じようしゆう》|武尊《ほたか》|山《やま》   ウメバチソウ 早春、あるいは晩秋の頃、群馬県の山々に登って、北方
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上 州《じようしゆう》|武尊《ほたか》|山《やま》
   ウメバチソウ
 
 早春、あるいは晩秋の頃、群馬県の山々に登って、北方に白々と雪をかぶる上州武尊山の姿を見るたびに、その山容の秀麗さに心を惹かれた。
沖武尊とよばれる二一五八メートルの頂きには、ヤマトタケルの剣を両手で支えて立った二メートル近い銅像が建っていて、私が登る前夜に泊まった山麓の「花咲」の民宿の主人の戸丸さんは、「花咲」とは、ヤマトタケルノミコトが、花が咲いたように美しい男だったことからつけられた地名だという。『古事記』と『日本書紀』ではミコトの東国から信濃へいった道がちがい、本居宣長は『古事記伝』に『日本書紀』の編者は地理を知らなかったのであろうと言っている。すなわち、『古事記』によれば、ミコトは相模、上総から北にゆき、足柄にもどって、甲斐、信濃にとゆくのに、『日本書紀』では、甲斐から武蔵、上野を経て信濃に入る。ところが武蔵の両神山、武甲山には、ヤマトタケル伝説がある。これに上州武尊を加えると、『日本書紀』の記述はまちがっていないことになる。
あこがれの山に登ったのは数年前の十月。群馬県山岳連盟編の『群馬の山』によれば、百八十万年前にできた成層火山で、その山頂部や山体が水蒸気の爆発で吹きとばされて、カルデラ地形を示しているという。熔岩台地と思われる武尊牧場を過ぎ、「東岐」としるされた一四七七メートルの休憩所に辿りつくと、ヤマハハコ、ミヤマアキノキリンソウの大群落である。間もなく黄葉したブナの大原生林の中を抜け、オオバザサの藪の中をつっきって一七七六メートル、一八四一メートルとコメツガの茂る支峰を越え、頂上まで一・六キロのところに、小さな湿原があり、ウメバチソウの花盛りであった。カルデラ地形の外縁と思われる急斜面をゆく道は、根曲がり竹の伐採したあと地で、歩きにくいことおびただしかったが、間もなく、いかにも噴火作用のあとらしい岩場を鎖で通過、池塘沿いの道を三十分、ハイマツの中を這い登って、「御岳山大神」と|彫《きざ》まれた石の前に立った時、嬉しさで、全身が熱くなった。
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