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花の百名山130

时间: 2020-06-28    进入日语论坛
核心提示:鳴神山《なるかみやま》   イワタバコ 鳴神山にはヒイラギソウがあるという。シソ科で、背は四、五センチだがヒイラギのよう
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鳴神山《なるかみやま》
   イワタバコ
 
 鳴神山にはヒイラギソウがあるという。シソ科で、背は四、五センチだがヒイラギのような葉を持つ。カッコソウもあるという。私の好きな野生のサクラソウの仲間である。ぜひゆきたいと思いつつ、十数年たって秋の十月の半ば、桐生市に所用があって、その帰りにようやく登ることができた。それ以前に南麓の川内町へゆき、このあたりが大陸渡来の民によって、多分、奈良時代以前より開け、群馬県と並んで、関東地方でもっとも多く古墳を残していることを知っていた。足尾山地の南端にあり、渡良瀬川に注ぐ山田川の谷にある。
鳴神山は川内町を左に|棒谷戸《ぼうかいと》の杉の植林の中から登った。浅く水のきれいな渓流をいく度か徒渉し、葉の落ちつくしたイヌブナやクヌギやコナラやカエデ類の明るい林の中を過ぎて、急坂をつめると稜線に出て、左手の木の間がくれに赤城の東側が堂々たる山容をあらわして来た。
渓流のわきには野ぶどうの紅葉した葉が目立ち、稜線にはカラマツ、シラカバなどもある。足尾山地は日光につづくので、クマなど出ないかと聞くと、二、三日前に、東側に連なる高沢川の谷の上の稜線で出あったひとがあったとか。
頂上は双耳峰になっていて、石の小さな祠がある。前方に渡良瀬川を越えて関東平野がひろがり、北に日光連峰が見え、|皇海《すかい》山に向かっての矢印が示されている。
秩父古生層に属するチャートを主体とする鳴神山は、氷河期の名残の貴重な花が多いが、カッコソウはもうほとんど盗まれてしまったという。そう言えば大分前に、東武鉄道の浅草駅で、カッコソウを持って下りて来た青年にあい、どこからかと聞いたら、鳴神山と答えたことを思い出した。ヒイラギソウの葉も見つからなかったが、岩の間の南向きの日だまりに、コキンレイカの一株がわずかに葉を残していた。下りの川内への川沿いの道の岩に、イワタバコも花を残していて、この谷はあたたかく、ひとも住みよかったのであろうと思った。
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