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花の百名山136

时间: 2020-06-28    进入日语论坛
核心提示:雲取山《くもとりやま》   イワウチワ 雲取山は二〇一八メートル。その山裾は東京、埼玉、山梨にひろがり、東京都で一番高い
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雲取山《くもとりやま》
   イワウチワ
 
 雲取山は二〇一八メートル。その山裾は東京、埼玉、山梨にひろがり、東京都で一番高い山である。私の娘の頃に、亡兄も亡弟も登っていて、その五万分の一の地図が残っている。亡兄も亡弟も、|将監《しようげん》峠から飛龍を越え、北天ノタルを過ぎていったらしく、何日かの重い天幕をかついでの山旅であり、女の私などつれていってもらえなかった。この縦走路には花が多く、ことに雲取にはサクラソウのような花が咲いていたと亡弟は言い、その頃は荒川の河川敷に日本サクラソウが群生していたので、そんなに低いところに咲く花が、二千メートル前後の高いところに咲くのかと首をかしげた。
とにかく自分の足でたしかめなければと思いたったのは、兄や弟が登った頃より四十年以上も経過してからである。秩父の三峰口から出発、三峰神社の奥社にお詣りして、地蔵峠から登山が好きであったという亡き秩父宮の命名の霧藻ケ峰、前白岩と、よく踏まれた道をいつもの山仲間と歩いた。イザナギ、イザナミを奥社にまつったのは、ヤマトタケルと聞いて、両神山と同じにここにもミコトの足跡があると思ったが、秩父は、奈良時代に銅を大和朝廷にさし出している。秩父にはやはり鉱産物があるのである。
さて、前白岩、奥白岩と大きな起伏をくりかえす道は、びっしりと石の根元に群生したイワウチワのうす紅の花の満開で、亡弟はこれをサクラソウのような花と見たのではないかと思った。|馬頭刈《まずかり》のイワウチワより色が濃い。あるいは秩父に多いクモイコザクラか、イワザクラか。
雲取山荘にはほとんど夕暮れる頃に到着。
あくる日は頂上に向かう針葉樹林帯の下草にオサバグサの群落を見、鴨沢にと下る道のかたわらにシオガマギク、ヤナギラン、クガイソウ、シモツケソウなどの芽生えを見て、夏の花盛りを想像した。私は華麗なヨツバシオガマより、あっさりとしたシオガマギクが好きである。この日の下りでは、豪華絢爛とも言うべきヤマザクラの満開の大木を見て、この一本に出あっただけでも来てよかったと思った。
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