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花の百名山140

时间: 2020-06-28    进入日语论坛
核心提示:乾徳山《けんとくさん》   イワインチン 乾徳山は、武田信玄が深く尊敬し、厚い待遇で美濃から迎えた快川上人が、織田信長の
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乾徳山《けんとくさん》
   イワインチン
 
 乾徳山は、武田信玄が深く尊敬し、厚い待遇で美濃から迎えた快川上人が、織田信長の無残冷酷極まりない攻撃によって、百五十数人の僧侶と共に山門に押しあげられて、猛火の中に亡びた|恵林寺《えりんじ》の山号である。
市川大門出身の夢窓国師が手を加えたという庭の木々が、秋も末に落葉すると、樹間から、乾徳山が仰がれるという。市川大門は甲府盆地の南にあり、夢窓国師も、東北の空の乾徳山に向かって、座禅を組んだことがあるかもしれない。
乾徳山の戦前の古い地図は亡弟のもので、私の息子もその地図を持って登っている。私もどうしても登らなければと思いたったのは、数年前の九月も半ばで、七十代五人を加えた山仲間二十人と、大平牧場の一四〇〇メートルまで車を入れた。乾徳山は二〇二〇メートル。奥千丈岳の東南である。九月半ばの一四〇〇メートルは残暑がきびしく、|瑞牆《みずがき》山と同じ石英閃緑岩の岩山で、遠くから見ると岩峰が空にそびえたっているが、岩場に取りつくまでの、ゆるやかな斜面は、マツムシソウやミヤマアキノキリンソウやノアザミやワレモコウなどが咲いて色とりどりで賑やかだが、暑がりの私は、汗をだらだら流し、左手に連なる道満尾根のまだ紅葉には早い闊葉樹林を見上げながら、帰りは、あの尾根道を辿ろうと思っていた。
扇平から左折して勾配も急に、梯子や鎖場のつづく針葉樹林帯となってほっと一息。ふりかえれば甲府盆地の南をへだてる櫛形山、日向山の上に甲斐駒や仙丈や富士山の見える眺めが素晴らしかった。
大きな露岩が重なりあっている頂上にはまわり道もあるが、二〇メートルの岩場を鎖で登った。先の人が登りつくのを待っている間に、イワインチンの黄の鮮やかな花を見つけて、こんなところでとなつかしかった。ずっと前に菅平の根子岳や、志賀高原の笠ケ岳であって以来である。この花は岩場に多く、葉も花も色が濃くて、山の花というよりも海べの花のような気がする。
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