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花の百名山157

时间: 2020-06-28    进入日语论坛
核心提示:尾高山《おたかやま》   ヤブレガサ 大分前に今西錦司さんとNHKのラジオ番組で対談したことがある。当時七十代になられた
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尾高山《おたかやま》
   ヤブレガサ
 
 大分前に今西錦司さんとNHKのラジオ番組で対談したことがある。当時七十代になられたばかりで、私は六十代であった。八十歳までに千山を達成したいと言われていたが、七十何歳かですでに千山を登られ、その後にまた|鼎談《ていだん》の機会があり、できるだけ交通機関を利用すると言われて私も同感した。
稜線まで一五〇〇、一七〇〇というのはだんだん苦手になり、遠山郷上村の尾高山のように二二一二メートルの頂上へゆくのに、一八三三メートルのしらびそ峠まで車が入るというのはありがたい。中央高速を松川で下りて、小渋川に沿って秋葉街道をゆき、途中で分かれる。新宿からはバスで峠まで正味五時間。
峠の上は麓の上村が整備して、若ものたちがサッカーでも野球でもやれるほどの芝生がつくられている。公営のしらびそ山荘はまだ新しい丸太づくりのしゃれた建てもので、お風呂もあるというのでよろこび、まず半日の山歩きに|御池《おいけ》山まで四・七キロを往復した。こちらは一九〇五メートル。小起伏をくりかえして辿り着いた頂上は三等三角点があり、コメツガやシラビソにかこまれて、眺めが利かない。
しかしこの山のおもしろいのは七、八〇メートル下ったところに、深い木立にかこまれた三日月形の池があること。湖面に|小波《さざなみ》がたち、倒木なども岸に打ち上げられていて神秘的な眺めであった。小屋の周辺にも御池山へゆく途中にも夏の花が多く、クガイソウ、ヤマハハコ、紅花のエンレンソウが花盛り。そして翌朝は午前四時の暁闇の中を出発した。峠の真下に登山口があり、コメツガの大木の目立つ林床にヤブレガサやゴゼンタチバナが多く咲いていて、奥秩父あたりより、深山の道を歩いているようである。カモシカ特別調査植生調査区域という看板が立っている。カモシカはコメツガの新芽が大好きという。午前七時に頂上の二等三角点に立ち、澄んだ朝空のうす水いろに、荒川岳、赤石岳、大沢岳、|光《てかり》岳などが紺青の雄大な山容を連ねている姿に息をのむ思いであった。
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