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花の百名山158

时间: 2020-06-28    进入日语论坛
核心提示:八島湿原《やしましつげん》   サワギキョウ 私は一番よいのは雪どけの頃か、周りの山々が紅葉する秋。霧ケ峰も秋の枯れスス
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八島湿原《やしましつげん》
   サワギキョウ
 
 私は一番よいのは雪どけの頃か、周りの山々が紅葉する秋。霧ケ峰も秋の枯れススキの頃が一番よいと思う。ひとが少ない。
山は暮れて 野は|黄昏《たそがれ》の|薄《すすき》哉
[#地付き]与謝蕪村  <t-left>
この句は秋の霧ケ峰のためにあるような気がする。ヤナギランの大群落が至るところにあるが、それが皆ほほけて、種子が裂けて風に飛ぶ頃、最高峰の車山の一九二六メートルの頂上まで、標高差わずか二〇〇メートルを登ってゆくとき、東に八ケ岳、南に、赤石山脈から木曾山脈、西から北に北アルプスの飛騨山脈が、いずれも三〇〇〇メートル前後の高度でそびえたっているのが、自分の高度が増すにつれ山も高くせり上がってくる眺めのよさ。そして空が夕映えにかがやくとき、山々は群青の濃淡にいろどられ、道ばたから山腹にかけてのススキの穂は白々と浮いて溜息の出るような美しさになる。
しかしもし夏に霧ケ峰にゆくなら、花が多くて、ひとのあまり来ない場所の歩きを二つだけおすすめしたい。
一つは車山から直線距離で六キロ西の、鷲ケ峰の一七九八メートルの直下にひろがる八島湿原。池塘が多く、ヒルムシロの葉が浮き、縁にはサワギキョウの紫の花が咲く。風が吹くとひるがえる葉裏が銀いろで、花の紫が映えて美しい。ここにもレンゲツツジやニッコウキスゲは咲くけれど、見にくるひとは意外に少ない。
もう一つはこれも車山から東に六キロ近い八子ケ峰の一八三四メートルで、白樺湖の北をまわって直下まで車で入れる。スキーのリフトなどできているけれど、歩いて三十分とかからぬうちに稜線に着き、コウリンカ、ハナイカリ、シオガマギクと花がいっぱいだが、うす紫いろの花穂をたてたカワミドリが珍しい。カワミドリは、鷲ケ峰にも鉢伏山にもある。土地のひとに聞いたら、今、花が多いとよろこばれるこれらの山や高原は火山灰地で耕作に適さず、昔は牛や馬の飼料の草刈り場であったとか。
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