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花の百名山159

时间: 2020-06-28    进入日语论坛
核心提示:蓼科山《たてしなやま》   オヤマリンドウ・ヤナギラン・ワダソウ 軽井沢の追分の千メーター道路あたりから真南にそびえる蓼
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蓼科山《たてしなやま》
   オヤマリンドウ・ヤナギラン・ワダソウ
 
 軽井沢の追分の千メーター道路あたりから真南にそびえる蓼科山の二五三〇メートルは、北の空をさえぎる浅間山の二五四二メートルに高さでは劣るが、いかにも華奢で、ほっそりとしていて秀麗だと思う。蓼科を若い牡鹿とするなら、浅間山は中年の牡牛のような感じがする。火山としては蓼科の方がずっと古いけれど。
富士山に表と裏の二つがあるように、中央線側から見る蓼科は、東に八ケ岳連峰の偉容が連なるせいか、高さとしてはほんの少し八ケ岳の方が高いだけなのに、何かひどく子供子供して簡単に登れそうな感じである。
私たちの山の会でも何度も登ろうと計画してつぶれている。ある五月の一日、前の日に北八ケ岳の縞枯山に登って、大河原峠から蓼科にと計画した朝は土砂降りの雨で、せめてその裾野の林の中までと雨衣をつけて歩きだしたが、北斜面の春はおそくて、岩礫地にワダソウの白い花がわずかに咲いていた。ワダソウはナデシコ科で、ワチガイソウと花がよく似ているけれど、少し葉も花もがっちりしていて、白い花片の先に桜のような切れこみがある。
頂上まではとてもゆけぬとあきらめて二度目は、初夏の一日、ワダソウの名のついたもとである和田峠から鷲ケ峰を歩いて、また、大河原峠から蓼科にと計画したのだが、これが梅雨どきとぶつかってまたもや雨。霧ケ峰高原のヤナギランは霧の中に咲いてこそ美しいと思った。強い夏の陽のもとでは、この花の鮮やかな紅いろが強調されて、たしかに美麗ではあるけれど、何か風情にとぼしい。風情とは完璧であるよりは、どこかもろいようなところのある不安定感の上に成立するのではないだろうか。
ヤナギランの花にはじめて出あったのは、乗鞍岳の軍用道路としてひらかれた、南からの道路のほとりであった。茂りあう針葉樹の中に一株二株で、森の中の乙女とも言いたいかわいらしさを感じた。
その後北海道の層雲峡で、ひろい道路の両側に大群落を見、カナディアンロッキーへいって、これも道の両側を埋めて延々とつづくヤナギランを見て、その強烈さに圧倒された。一口に言って、かわいげがない。「炎の花」とも呼ばれていて、森の山火事のあとなどでいち早く旺盛な生命力を見せるからだという。
霧ケ峰も草焼きでもやって、そのあとに一せいに繁殖したのだろうか。ニッコウキスゲも車山の斜面に盛大に咲くけれど、ヤナギランのいろの強さを見馴れると、朱黄色のニッコウキスゲが淡泊な印象を与えるから不思議だ。
そして霧ケ峰では霧の去来する中で、その強烈なヤナギランが、何ともいじらしい姿に思えてくるのがおもしろい。
さて三回目は晩秋。前日の美ケ原散策は晴れた空の下で、咲き残ったマツムシソウやノコギリソウや花盛りのオヤマリンドウなどを見てたのしみ、崖ノ湯の山上旅館に泊まって、明日こそ三度目の蓼科山に。早くねたのに、夜半から雨の音が|廂《ひさし》を打ち出した。またあきらめてこのまま東京へ戻ろうか。朝の温泉につかりながらだれが言い出したともなくて皆登ろう! ということになった。雨が降っても槍が降っても蓼科に登ろう。
話が決まるとみな一せいに雨支度。用意のよい人はスパッツをつけ、前日に山靴が少し足に合わなくて、足を引いていた私は宿の主人の百瀬氏から地下足袋を借りた。そして三度目の大河原峠から本降りの雨の中を全員三十人が、クマザサの道から、コメツガやシラベの林間をゆき、泥濘を倒木で越えて、蓼科本峰の熔岩円頂丘の真下まで私はおくれおくれて二時間半。噴出した火山岩の重なりあった急斜面を這い登って三十分。小屋につくと、七十三歳と六十二歳の小屋主夫婦がおいしいうどんをつくって待っていてくれた。雨が上がって、帰りの霧ケ峰高原の枯れすすきの中に、点々と咲くオヤマリンドウの紫が宝石のように見えた。
やなぎらんの花の群落穂絮となり
夕日に光る沼ぞひの道
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