返回首页
当前位置: 首页 »日语阅读 » 日本名家名篇 » 作品合集 » 正文

花の百名山189

时间: 2020-06-28    进入日语论坛
核心提示:大江山《おおえやま》   オオバギボウシ 宮福線の大江山口内宮駅の前には、鬼瓦をあしらった低い柱が、装飾的に林立していて
(单词翻译:双击或拖选)
大江山《おおえやま》
   オオバギボウシ
 
 宮福線の大江山口内宮駅の前には、鬼瓦をあしらった低い柱が、装飾的に林立していて、駅舎もなかなかスマートな設計である。案内役の杉山策二、佳子夫妻と、植物学者の赤松氏に迎えられ、三度目の大江ゆきを果たしたのは、つい最近の十月半ばであった。始めは十年以上も前で着物であったので、宮津から福知山へゆくバス道を普甲峠で下り、眼の前にひろがる宮津湾と天橋立の眺めを、やっぱり絶景だなあと感心しながら、東に六〇〇メートル歩いて、比叡山を焼いたあとで、織田信長が比叡山の僧をかくまったとして焼いてしまった普甲寺あとにいった。寺屋敷とよばれて五、六軒の民家があり、再建された普賢堂の前に、空しく草に埋もれた礎石が残っていた。
大江町へと下る道の流れのそばに鬼ケ茶屋というのがあって、童話的な鬼退治の描かれた大|襖《ふすま》がある。源頼光が討伐したのは、鬼ではなくて、藤原氏に反抗して貢物などをうばった一味だという説があり、その方が真実味があるようだ。その屋敷あとや鬼の岩屋や昔の参勤交替のときの石畳の道などもぐるっと一まわりして見た。二度目は初夏で山姿となり、鬼の岩屋の先の鬼嶽稲荷から、千丈ケ岳の八三二・八メートルに立ち、北西の加悦町まで一〇キロ近く歩いた。トチやブナの新緑が美しい千丈ケ岳の北の山腹にオオバギボウシの大群落を見、大分下りて植林地帯に入って、下草にシライトソウの群落を見た。今度は稲荷まで車が入り、千丈ケ岳への道の両側の小灌木は、淡黄の花が春を告げるヒュウガミズキと赤松氏に教わり、この山は北方系、南方系の植物があるのだと知った。頂上の草原にはまだカワラナデシコの赤、シラネニンジンの白、コウゾリナの黄が咲き残り、大江山は鬼の山より、花の山と思った。紅黄葉したブナやカエデの下を稲荷まで下ってくると、南にひろがる丹波路の山々が、雲海の中に濃紺の山なみを浮かべ、大江山は雲も美しいと思った。
雲の峰に|肘《ひじ》する|酒呑童子《しゆてんどうじ》かな
轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%