日语童话故事 日语笑话 日语文章阅读 日语新闻 300篇精选中日文对照阅读 日语励志名言 日本作家简介 三行情书 緋色の研究(血字的研究) 四つの署名(四签名) バスカービル家の犬(巴斯克威尔的猎犬) 恐怖の谷(恐怖谷) シャーロック・ホームズの冒険(冒险史) シャーロック・ホームズの回想(回忆录) ホームズの生還 シャーロック・ホームズ(归来记) 鴨川食堂(鸭川食堂) ABC殺人事件(ABC谋杀案) 三体 失われた世界(失落的世界) 日语精彩阅读 日文函电实例 精彩日文晨读 日语阅读短文 日本名家名篇 日剧台词脚本 《论语》中日对照详解 中日对照阅读 日文古典名著 名作のあらすじ 商务日语写作模版 日本民间故事 日语误用例解 日语文章书写要点 日本中小学生作文集 中国百科(日语版) 面接官によく聞かれる33の質問 日语随笔 天声人语 宮沢賢治童話集 日语随笔集 日本語常用文例 日语泛读资料 美しい言葉 日本の昔話 日语作文范文 从日本中小学课本学日文 世界童话寓言日文版 一个日本人的趣味旅行 《孟子》中日对照 魯迅作品集(日本語) 世界の昔話 初级作文 生活场境日语 時候の挨拶 グリム童話 成語故事 日语现代诗 お手紙文例集 川柳 小川未明童話集 ハリー・ポッター 新古今和歌集 ラヴレター 情书 風が強く吹いている强风吹拂
返回首页
当前位置: 首页 »日语阅读 » 日本名家名篇 » 作品合集 » 正文

きれいなお城の怖い話10

时间: 2020-06-30    进入日语论坛
核心提示:牢獄に三年半 ツルゾーからエリザベートに言い渡された判決は、次のようなものでした。「お前をここチェイテの城で終身刑に処す
(单词翻译:双击或拖选)
牢獄に三年半

 ツルゾーからエリザベートに言い渡された判決は、次のようなものでした。「お前をここチェイテの城で終身刑に処する。お前には窓と扉をふさぎ、水と食物を送り込むため壁に小さな穴のあいた一部屋のみが与えられる。お前は今後、誰とも交流することを許されない。見張りをのぞいて、誰もこの城には住まないだろう。今後、私は人がお前の名を口にすることを厳禁する。お前はこの地上の空気を吸うに価せず、神の光をおがむに価しない。お前は止《や》むことのない夜のなかで、犯した罪を永遠に悔いるがいい。神の許しを乞いながら最後を迎えるがいい。今後お前の存在はこの世から、完全に抹殺される」
召使フィツコやドルコたちがビッシェの処刑場で手足の指を一本ずつ引き抜かれ生きたまま火に焼かれるという極刑に処されたにもかかわらず、バートリ家というハンガリーでもっとも絢爛《けんらん》たる栄光を誇っているこの聖域を、結局、国王さえ侵すことはできなかったのです。彼女の城と財産も没収を免れ、本当なら死刑になるところを、かろうじてエリザベートは終身刑に減刑されたのです。
愛用の鏡と深紅のビロード敷きの手箱のなかの、辛うじて兵士らの手を逃れたいくつかの宝石にかこまれ、毛皮のなかにうずくまりながら、エリザベートは大工たちが石や漆喰《しつくい》で、彼女の部屋の窓を一つ一つ埋めていく音をききました。高い所にわずかに空をあおげる明りとりと、水と食物を入れるのぞき窓をくりぬいて、扉も厚い壁で塗りかためられました。こうして彼女の周囲には強固な石の牢獄が築かれ、ここに本当なら死刑になるべき人間が生きていることを示すため、城の四方に絞首台がたてられました。
エリザベートの視界から、しだいに光が消えました。鏡のうえに影が広がっていき、もはや彼女は薄暗がりのなかで、そこに浮かびあがる自分の顔の陰画しかみませんでした。両の目だけが飢えた獣のようにぎらぎら輝いているのが分かります。
城は人気がなく、一日一度のぞき窓が重いきしみ音を響かせて開き、牢番の手で水と食物が入れられました。牢番は彼女に話しかけることを禁じられていましたが、エリザベートのほうでも話したいことなどありませんでした。
最後までエリザベートは自分の犯した罪を悔いることもなく、改心して神に許しを乞うこともなかったといいます。彼女には理解できなかったのです。なぜあれほどの身分にあった自分が牢につながれたのか。自分の欲望のおもむくまま生きることが、どうして世間では罪になるのか……。
時おり彼女は素足で、獣のように物憂く、排泄物と残飯にまみれた石の床を歩いたものでした。この下に地下室があり、かつてそこでは夜な夜な血の宴が繰り広げられ、彼女の欲望をみたすためにだけ娘たちは泣き叫び、しなやかな肉体を鞭のしたでよじらせ、ある限りの血をながして彼女に奉仕したのです。そこには神も君主もなく、ただエリザベートだけが世界の支配者であり、絶対主でした。そこで彼女はこの世界を、確かにその手に握っていたのです。
けれど、すべてを失ったエリザベートをその後待っていたのは、牢獄のなかでの栄養失調による緩慢な死でした。三年半をこの牢獄のなかで辛うじて生きつづけ、そのあいだに自分の食物を差し入れてくれる娘のカタリナに全財産を譲るという遺言状を書き残して、一六一四年八月二十一日、ついにエリザベートは世を去ったのです。肉体はやせ細って子供のからだのように軽くなり、顔には深い皺がきざまれ、かつての美貌はみるかげもなくなっていました。享年五十四歳でした。
轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%