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きれいなお城の怖い話26

时间: 2020-06-30    进入日语论坛
核心提示:殺害の現場さっそく兄ジャーコモもまじえて、フランチェスコ殺害が計画されました。父の暴虐《ぼうぎやく》に耐えられないベアト
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殺害の現場

さっそく兄ジャーコモもまじえて、フランチェスコ殺害が計画されました。父の暴虐《ぼうぎやく》に耐えられないベアトリーチェや、彼女を救おうと息まいているオリンピオや、抱えている借金を父の遺産で返済したいと思っているジャーコモ。それぞれの利害は一致していました。ただ、問題は殺害方法です。ジャーコモは毒殺を主張しましたが、ベアトリーチェは大反対しました。いつも誰かに毒殺されるのではという恐怖にとらわれていたフランチェスコは、最近ではルクレツィアかベアトリーチェに毒味をさせないかぎり、何も口にしなくなっていたのです。
ベアトリーチェの提案はこうでした。自分が阿片《あへん》をワインに混ぜて父に飲ませ、父が眠っているところを杖《つえ》で叩き殺し、テラスの手すりをやぶって、いかにも事故に見えるように下の茂みに落とす。バルコニーの板敷が腐っていて、フランチェスコはあやまって落ちたのだと世間には言いふらすというのです。殺害には、義母ルクレツィアと、あのお人好しの歌い手マルツィオ・カタラーノも引き入れることになりました。
 一五九八年九月八日の午後、ベアトリーチェは兄ジャーコモから渡された阿片をワインに混ぜて、フランチェスコに差しだしました。いつもの毒味の習慣どおり、このときもベアトリーチェは父のまえでワインをすすって見せました。その場にいたルクレツィアも毒味してみせたため、フランチェスコは安心してワインを飲みほしました。
最後まで弱気のマルツィオは、ベアトリーチェにフランチェスコ殺害を中止するよう説得しました。彼が父親殺しがどんなに大きな罪であるかと言うと、彼女は言下に答えたといいます。「それはわたしと神さまとのあいだのこと。他人の知ったことではないわ!」
ベアトリーチェの決意は動きませんでした。ジャーコモもオリンピオもマルツィオもルクレツィアも、彼女の鉄のように固い意志にあやつられるままになっていました。とくに恋する男であるオリンピオは、ベアトリーチェへの官能的な情熱に引きずられるままでした。
翌九日、早朝四時に起きたオリンピオは鉄槌《てつつい》を手に、マルツィオはマカロニの麺棒《めんぼう》を手に、つれだってラ・ペトレッラの城に忍びこみます。まだ暗い雲が空をおおっており、いつものように老僕《ろうぼく》は市場に買い出しにでかけました。
ベアトリーチェは二人とともに四階の父親の寝室にあがっていき、ドアを叩きました。ルクレツィアが鍵をまわすと、ベアトリーチェはすばやく中に飛びこみ、窓のブラインドを半分あけて二人の男を部屋に入れると、自分はルクレツィアとともに廊下で待ちました。
異常な緊張感のなかで、オリンピオとマルツィオは武器を手に、眠りこけるフランチェスコの巨大な図体の前に立ちました。そのときフランチェスコが目を覚まし、びっくりしたように二人を見つめました。「なんだ、どうしたんだ!」
その瞬間オリンピオは彼に襲いかかると、左手でフランチェスコの胸ぐらを押さえ、右手の鉄槌で頭をめった打ちしました。いっぽうマルツィオはフランチェスコが起きあがれないよう、例のマカロニ麺棒でくるぶしを殴りつづけます。すべてがあっという間の出来事でした。
二人の男が部屋を出ると、廊下ではルクレツィアとベアトリーチェが、放心したように立ちすくんでいました。「終わったぜ」と、オリンピオが彼女たちに向かってつぶやきました。「やっこさん、『神さま、お助け!』という暇もなかった!」
ベッドのうえはシーツやシャツが散らばり、敷布団のうえには血しぶきが飛びちっていました。オリンピオは計画どおりバルコニーのタイルを剥《は》がして床板に穴をあけ、マルツィオとともに死体をその穴からつき落としました。
その間に二人の女たちは、血まみれになったマットレスを引きさき、羊毛の詰物をひき出し、血に染まったシーツとともに便所に投げすてました。すべては予定どおりに運んだのです。
七時頃、老僕が市場から帰ってきました。ルクレツィアが悲鳴をあげて、彼をバルコニーに呼び、そのすきにオリンピオとマルツィオは城を抜けだします。「お父さまが! お父さまが、テラスからお落ちになったの!」
老僕は仰天してテラスに駆けつけます。手すりから乗りだして、下の茂みに主人が横たわっているのを見て、何度も呼んでみますが、返事は返ってきません。
「もう息をしていなさらねえようだで」
がっくりして戻ってきた老僕はつぶやき、これにルクレツィアは待っていましたとばかり、叫びます。「くさっているからテラスには行かないようにって、何度ご注意したことでしょう。さあ、早く、みんなに知らせて!」
老僕は階段をかけおり、村を一望にのぞむ窓辺に立って、大声で助けを呼びました。呼びかけは戸口から戸口に伝わり、ラ・ペトレッラの人々は何が起こったかと城に飛んできました。
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