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きれいなお城の怖い話27

时间: 2020-06-30    进入日语论坛
核心提示:深まる疑惑 大急ぎで部屋に運びこまれたフランチェスコの死体は、服をぬがされて傷口を洗われました。洗っているうち、死体の頭
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深まる疑惑

 大急ぎで部屋に運びこまれたフランチェスコの死体は、服をぬがされて傷口を洗われました。洗っているうち、死体の頭の右側に、三つの深い切り傷が現れました。二つはこめかみの上にあり、斧《おの》のような鋭利な凶器でやられたもののようでした。三つ目は耳のそばで、骨がのぞくほどの深い傷で、たぶん致命傷のようでした。
茂みの枯れ枝で出来たような傷でないことは明らかです。周囲で、がやがや騒ぐ声やひそひそ噂《うわさ》する声がうるさくなりました。第一、傷のどこにも枝の切れ端はおろか、泥のあとさえないのです。
オリンピオは、一刻もはやく葬式をはじめるよう、神父をせかしました。神父がまだそんな時ではないし、初めに鐘で信者らに連絡せねばならないと言うと、オリンピオはカッとして神父を乱暴に揺さぶると、自分が大鐘を鳴らすため鐘楼《しようろう》の下に飛んでいきました。
サンタ・マリア教会の司祭はこう述べています。「フランチェスコさまの葬式に御婦人方の名代で参列したオリンピオは、葬式を急ぐようやたら[#「やたら」に傍点]催促しました。葬式が終わると、彼はさっそく御遺体を受けとって、他の者に手伝わせ墓所に隠しました。ベアトリーチェさまが木の棺《ひつぎ》に納めたいと言われると、『お棺はない、そのまま教会の地下墓地に納めればいい』と言ったのです」
このオリンピオの不穏な振るまいは、かえって世間の疑惑を呼び、チェンチ一族を破滅に導く災難のもとでした。やがて墓はあばかれ、フランチェスコの傷だらけの遺骸《いがい》は公衆の前に曝《さら》されることになるのです。
フランチェスコ殺害の噂はひろまるばかりで、ついに十一月十四日、ジャーコモとベアトリーチェがそれぞれ訊問《じんもん》を受けました。二人とも、父はバルコニーから落ちて死んだと誓言しましたが、外出を禁じられ、それにそむけば五万スクードの科料をとると命じられました。ついで十一月十六日、ルクレツィアも訊問を受けて五千スクードの科料で同じく外出禁止を命じられたのです。
いっぽうオリンピオは、チェンチ家のもとに大胆不敵に出入りしていました。やっと隷属的身分から脱した喜びに有頂天になった彼は、ベアトリーチェやルクレツィアと同じテーブルでなれなれしく食事をとりました。夜になるとベアトリーチェの寝室をたずね、明け方まで入りびたっていたため、二人の関係に気づかぬ者はいませんでした。
オリンピオのこの振るまいに怒りを覚えたジャーコモは、時おり、どういうつもりだとベアトリーチェを責め立てました。
「あいつを、このままのさばらせておいていいのか。あいつがオレたちの破滅のもとになってもいいのか?」
「お兄さまは間違ってらっしゃるわ。そもそもわたしたちがお父さまから解放されたのは、オリンピオのおかげじゃないの!」
ジャーコモの怒りは増すばかりでした。ついにある日、ジャーコモはオリンピオが隣室にいるのに気づかないまま、ベアトリーチェの腕をつかんで乱暴に揺さぶりました。
「お前の男[#「男」に傍点]にはもう沢山だ。このままではオレたちの名誉に傷がつく。さっさとこの家から叩きだすがいい!」
そのときオリンピオがつかつかと大股《おおまた》でドアのところに現れました。
「こいつを、すぐオレの目のまえから消してしまえ。さもないと叩きのめしてやるぜ!」
「おぼえていろ。オレにそんな口をきいたからには、そのつけは高いものになるぞ」
鼻先でフンとせせら笑ったものの、オリンピオはこの脅迫にショックを受けたようでした。自分の地位が不安定であることを、誰よりも承知しているからです。
身に危険が迫るのを感じたオリンピオは、そそくさとローマに出発し、カタラーノもラ・ペトレッラをあとに、森に身を隠しました。けれども二人の逃走は、当局の疑惑を深めるばかりでした。警察長官はひろまる噂をもとに、事件の調査を執拗につづけました。
城の現場の調査で、テラスの穴が最近広げられたこと、それも偶然落ちたことを正当化するにはあまりに狭すぎることが分かりました。また、茂みに面した壁も、いかにも漆喰《しつくい》のぬりたてという感じで、捜査の結果、もとは窓だったものを、最近塗りつぶして壁にしたことが判明しました。フランチェスコの敷布団の紛失も、疑いを深めました。
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