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きれいなお城の怖い話35

时间: 2020-06-30    进入日语论坛
核心提示:行方不明の子供たちその後ジルが殺した子供の数は、百四十人とも八百人とも言われます。子供の持つなんともいえない頼りなさとあ
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行方不明の子供たち

その後ジルが殺した子供の数は、百四十人とも八百人とも言われます。子供の持つなんともいえない頼りなさとあどけなさが、ジルを惹《ひ》きつけたのでした。子供が無垢《むく》で信じやすければ信じやすいほど、なおさらジルは残虐さに駆り立てられるのです。逃げ場もなく、訴えるすべも知らない子供たちの天使のような信頼こそが、彼の邪悪な血を燃え上がらせるのです。
当時のジルはどこに行くときでも、部下の兵士たちだけでなく、聖歌隊の少年たちを含む礼拝堂をまるごと引き連れていました。彼の犠牲になったのはもっぱら幼い少年たちで、その多くは彼のように美貌で美しいブロンドと白い肌をしていたといいます。彼が殺そうとしていたのは、もしかしたらあまりに強烈だった、自分の少年時代の思い出だったのではないでしょうか?
子供たちはみな貧しい家の出で、誘拐されるか買いとられてきて、はじめの内は自分がラッキーだったと信じていました。なにしろ領主に目をかけられたのです。彼らの家には八人も十人も幼い子供がいて、食べるものもなく、冬の寒さや夏の暑さもひどく、煤《すす》けたボロ家にひしめきあって暮らし、いつも汚くみすぼらしいボロをまとっていました。
しかし彼らはみな稀《まれ》に見る美貌だったため、ジルの目にとまったのです。当時、貧乏人が貧しさから抜けだすには二つの道しかありませんでした。教会に入るか、あるいは美貌の場合は領主に目をつけられて小姓として引き取られるか……。彼らにとって「小姓」という言葉は、希望の響きに満ちていたのです。ジルの従犯者らがこの言葉を生贄《いけにえ》の親たちにちらつかせたのは、そのためでした。
やがて、貧しい家の子供がつぎつぎと行方不明になり始めました。事件は今晩ここに起きたかと思うと、朝にははるか彼方《かなた》でおこり、村人たちに恐怖と不安を巻き起こしました。嘆き哀《かな》しむ親たちに分かったのは、ただ、いまここにいた子供が、次の瞬間には大地に飲み込まれたように、突然いなくなってしまうということでした。
が、やがて親たちも諦《あきら》めてしまいました。当時の人々はみな耐え諦めることには慣れており、運命にさからうのは不可能なことだと信じていました。あちこちで行方不明が起こっても、誰もそのことをあまり話したがりませんでした。へたに嘆きを訴えれば、おかみの耳に入って、牢にほうり込まれる恐れがありました。だから誰も声を大に被害を訴えようとはせず、ただ声をひそめて語るのでした。
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