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きれいなお城の怖い話38

时间: 2020-06-30    进入日语论坛
核心提示:告発されたジル これまでは、誰もあえてジルを非難する者のないことが、彼を守っていました。中世という身分社会では、教会が事
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告発されたジル
 
 これまでは、誰もあえてジルを非難する者のないことが、彼を守っていました。中世という身分社会では、教会が事件の捜査に乗りださないかぎり、庶民が貴族を訴えることはできなかったのです。そこで、いわゆる「誹謗《ひぼう》文書」が必要になるのでした。おかしな噂が身分高い人物をめぐって流れているときに、教会がその裏づけになる証拠や証言をあちこちからかき集め、情報をつなぎ合わせてこの「誹謗文書」が出来上がるのです。その犯罪の噂があまり大きくなって放っておけなくなると、正式の告訴がなくても、裁きを行うことができるのです。訴えられる人間が大変な権力者の場合は、これだけが彼を裁く方法でした。「調査」が行われているという情報は百姓らを安心させ、これまで泣き寝入りするだけだった人々も、やっと受けた被害を申し立てるようになりました。
「ジルが数人の手先とともに無垢な少年の多くをいまわしい手口で虐殺し、少年たちに淫らな行為とソドミーの悪徳を行い、おそるべき降魔術を行い、悪魔に生贄をささげ悪魔と契約を結ぶなどの恐るべき罪を犯した」との告発状が、司教やその代理人たちの手で作成され、ついに四〇年九月十五日、ジルが逮捕されるのです。
その日、ブルターニュ公配下の隊長ラベは三十人の騎乗兵を従えて、このときジルの滞在していたマシュクールの城にむかいました。彼らが進んできて城壁の前で立ちどまり、伝令が前に進み出てラッパを一吹き吹きならすのを、砦の上からジルは見守っていました。
「いさぎよく城を明け渡して縛《いまし》めを受け、降魔術、殺人、ソドミーの三重の咎《とが》で宗教裁判を受けよ」と、巻紙を手に読みあげるのを聞きながら、ジルはためらっていました。数人の手先が不穏な動きを感じて昨日姿を消したことで気が弱っていたこともありましたが、ジルはまだ罰金を支払うとか、敵と折りあう可能性があるのではないかと思っていたのです。自分は普通の犯罪者とわけが違う。強力な親戚《しんせき》や高い身分や過去の名声にしっかり守られているのだ。誰も自分の罪を裁こうとする力などないはずだ。
まだそう思っていた彼は、ひとまずここは一矢もまじえず、素直に兵士たちに身を引き渡そうと決心したのです。
こうして跳ね橋はおろされ、ジルは自分を捕えにきたラベ隊長を丁重に迎えに進み出ました。なんの騒ぎも流血もなく、奇妙な逮捕劇はこうして成功したのでした。
 
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