返回首页
当前位置: 首页 »日语阅读 » 日本名家名篇 » 作品合集 » 正文

きれいなお城の怖い話45

时间: 2020-07-08    进入日语论坛
核心提示:美男の青年司祭十七世紀初め、フランスのルーダンという小さな町で、グランディエという一司祭が、生きながら火刑に処されました
(单词翻译:双击或拖选)
美男の青年司祭

十七世紀初め、フランスのルーダンという小さな町で、グランディエという一司祭が、生きながら火刑に処されました。魔法を使って、修道院の十七名の尼僧《にそう》たちに、つぎつぎと悪魔を取り憑《つ》かせたという嫌疑です。
火刑に先立って、吊り責め、水責め、焼きゴテなど、それこそありとあらゆる拷問にかけられたせいで、グランディエは自分で階段を上がっていく力もなく、ボロクズのように火刑台まで引きずられていったといいます。
 青年司祭ユルバン・グランディエはなかなかの美男でしたが、困ったことに、自分がモテるのをいいことに、女とみれば手あたりしだいにモノにする女たらしでした。
ルーダンのサン・ピエール教会に転任してくるや、彼はたちまちこの田舎町に騒動をまき起こしました。町の女という女がみな彼に夢中になり、つぎつぎと彼の誘惑に落ちてしまったのです。国王の弁護士の妻も、初審裁判所検事の娘も……。この娘は、とうとう彼の子をはらんでしまったほどでした。
娘を傷物にされてしまった初審裁判所検事トランカンはカンカンになり、さっそくグランディエへの復讐《ふくしゆう》にかかりました。涜神《とくしん》・姦通《かんつう》・強姦などの罪で、グランディエをポワティエの司教に訴え出たのです。汚職の件で弱みを握られていたポワティエの司教は、陰謀の片棒をかつがされ、一六二九年十月にグランディエを逮捕させます。証拠もないままグランディエは罰金を科せられたうえ、早々にルーダンを立ちのくように、お上から命じられたのでした。
けれどもグランディエのほうも負けずに控訴したので、事件はポワティエの王立裁判所に移されました。そこで形勢は逆転し、敵側の証拠偽造がバレてグランディエはいちおう無罪となり、復職を許されることになりました。このときの判決文には、「現在のところは差しもどし」とあります。このいかにも結構な文句が、けれどどんな危険をはらんでいるかは、やがてお分かりになるでしょう。
裁判をつかさどったボルドーの大司教は、これ以上騒ぎを起こさないようグランディエ司祭に忠告しますが、いい気になったグランディエはそれに耳を貸すどころか、まるで凱旋《がいせん》将軍のように手に月桂樹《げつけいじゆ》の枝をかざしてルーダンの町に帰還し、トランカン検事らに損害賠償請求をおこしたのです。しかも彼が町に入ってきたのを見ると、町中の女が歓声をあげて手をふったといいますから、敵たちは心やすらかではなかったでしょう……。
轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%