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きれいなお城の怖い話47

时间: 2020-07-08    进入日语论坛
核心提示:ミニョン司祭の企《たくら》みけれどここまでなら、欲求不満の女たちのたわいない妄想だと、笑って済ますことも出来ます。ところ
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ミニョン司祭の企《たくら》み

けれどここまでなら、欲求不満の女たちのたわいない妄想だと、笑って済ますことも出来ます。ところがそこへ、僧院ぐるみの美男幽霊騒動を、グランディエ失脚に利用しようとする人物が現れたのです。ウルスラ修道会の告解僧だった、教会参事会員のミニョンでした。
じつはミニョンは、かつてグランディエを失脚させようとして失敗したトランカンの甥《おい》にあたるのです。叔父《おじ》に口説きおとされたミニョンは、修道女たちの見た「グランディエの幽霊」を、グランディエ失脚の道具に使おうと思いついたのでした。
やがてミニョン司祭が、悪魔にとりつかれた修道女たちの「悪魔|祓《ばら》い」を始めました。実際はグランディエを陥れるための猿芝居を演じさせようと、彼が修道女らを仕込んでいたのに過ぎないのですが。
女たちが充分彼の期待にこたえられるようになると、彼は市当局の役人たちを招いて悪魔祓いの儀式を見物させました。修道院長のジャンヌは、役人たちがやってくるのを見かけるや、身ぶるいしながらピョンピョン跳びはね、奇妙な鳴き声をあげては、ベッドの下に隠れてしまったといいます。
祈祷師《きとうし》たちはジャンヌにとりついた悪魔をのぞくためといって、いっさいの手加減を排して業にはげんだので、一日三度もおはらいを受けたジャンヌは、とうとう人事不省におちいってしまいました。名を名乗るように命じられた悪魔は、「神の敵だ……、神の敵だ……」と答えました。言葉を発しているのはジャンヌですが、祈祷師にいわせると、その声は確かに悪魔のものだったといいます。
なおも祈祷師が責めつづけると、悪魔はしばらくして、ついに自分がサン・ピエール教会司祭グランディエとのあいだに契約書をかわしたことを認めたのです。
こうしてミニョンとその助手役の祈祷師たちと、ジャンヌのなかの悪魔とのあいだに、珍問答がかわされました。
「なぜお前は、処女の肉体にもぐりこんだのか?」
「快楽のためだ」
「どうやって入りこんだのか?」
「花によってだ」
「どんな花か?」
「薔薇《ばら》の花だ」
「それを置いたのは何者なのか?」
「ユルバン・グランディエだ」
対話は支離滅裂で、錯乱したジャンヌがもらす意味不明のことばを、ミニョンらが誘導|訊問《じんもん》して、どうにか辻褄《つじつま》をあわせただけのようです。つまりはグランディエが修道院の塀の上からバラの花束を投げこんで気を惹《ひ》いておいてから、夜な夜な修道院にしのび入り、尼僧たちの肉体をもてあそんだということなのです。
ジャンヌは自分の胎内には悪魔の赤ん坊が育っているのだと言い、ほんとうに想像妊娠の兆候もあらわしてきました。こんな光景が何度か、驚き呆《あき》れる見物人の目のまえで繰り返され、ついにグランディエ司祭は、またも告訴されることになったのです。
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