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きれいなお城の怖い話49

时间: 2020-07-08    进入日语论坛
核心提示:グランディエ失脚の陰謀ルーダンの教会参事会員ミニョンは、またも同じウルスラ修道女会を舞台に、このゴーフリディ事件を再現し
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グランディエ失脚の陰謀

ルーダンの教会参事会員ミニョンは、またも同じウルスラ修道女会を舞台に、このゴーフリディ事件を再現しようと考えたのでした。そして今回、ゴーフリディのかわりに火刑台にあがろうとしているのは、グランディエ司祭だったのです。
こうしてあおられ、責めたてられて、修道女たちのすさまじい性的妄想は、いやがうえにも燃えあがりました。この「悪魔祓い興行」で一番の花形スターは、まだ少女の尼僧クレールでした。彼女は口汚く神をののしり、ヒクヒク痙攣《けいれん》しながら床をころげまわり、下着をひきはがし、恥部をむき出しにして、ワイザツな言葉を口走りました。あまりのことに、その場の人々は思わず眉《まゆ》をひそめたほどでした。少女は両手で自分の身を辱めながら、声をかぎりに叫ぶのでした。「さあ、来て。はやく、わたしをヤッてよ!」
ここからは、ルイ十三世の宰相リシュリューの腹心、枢密院顧問官のローバルドモンが登場してきます。彼は修道女ジャンヌの遠縁で、たまたま国王の命令でルーダンの城の修復工事にきたとき、悪魔つきの噂を聞きつけました。そしてただちにトランカンやミニョンと組んで、グランディエ失脚の陰謀を練りはじめたのです。
ちょうど前年、枢機卿《すうきけい》リシュリューはルーダンの古い要塞《ようさい》の取り壊しを命じていました。彼の命令で、全国の反抗的な大領主や新教徒の城がつぎつぎと破壊されていた矢先、ルーダンでは新教徒がたちあがって要塞破壊に強く抵抗していました。そのなかには旧教徒も加わっており、グランディエもその一人でした。この件以来、彼はリシュリューからこころよく思われていなかったのです。
リシュリューはこの悪魔つき事件を機会に、騒ぎの張本人のグランディエを、やっかい払いしようと考えました。そこで国務院の評定員ローバルドモンを派遣することにしたのです。
けれど時の国王ルイ十三世は魔法好きでしたし、リシュリューも悪魔つき事件がデッチあげであることは聞き知っていました。そこで並のやり方では勝負にならないと見て、ローバルドモンに、事件を単なる一地方の悪魔つき事件から、政治的陰謀にしたてあげるよう命じました。
つまりグランディエを、当時ちまたに流れていたマリー・ド・メディチ派による匿名の反リシュリュー文書の作者で、危険な政治|煽動家《せんどうか》だということにしてしまったのです。
こうしてローバルドモンが裏工作を進めるあいだ、ルーダンではさらに悪魔つきが激化し、修道女ばかりか普通の娘たちまでが集団ヒステリーに巻きこまれていました。一説にはリシュリューが裏で悪魔祓い僧らに資金を与えて、『悪魔つき興行』をあおり立てていたとも言います。今やルーダンの修道女たちは国中の注目を集める見世物となり、グランディエとはいったい何者なのだろうと、皆噂するようになりました。
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