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きれいなお城の怖い話51

时间: 2020-07-08    进入日语论坛
核心提示:「針刺し」の儀式さてグランディエが本当に悪魔と契約をかわしたかどうか確かめるため、「針刺し」の儀式が行なわれることになり
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「針刺し」の儀式

さてグランディエが本当に悪魔と契約をかわしたかどうか確かめるため、「針刺し」の儀式が行なわれることになりました。当時、悪魔と契約をかわした者は体のどこかに悪魔のしるしをつけており、その部分を針で刺しても、血も出ないし痛みも感じないはずだと信じられていたのです。そこで行なわれたのが、「針刺し」の鑑定法でした。
ところが悪魔祓い僧らの策略で、修道女たちが「悪魔のしるしがあるはずだ」と言った場所には、わざわざ痛くないように先の丸くなった針があてられたのです。それ以外の場所には奥深く針を刺しこむから、ものすごい悲鳴が上がります。こうして修道女たちのデタラメの証言が、おもしろいように当たってしまうというわけでした。
グランディエが悪魔と結んだ証拠とされる、「悪魔の契約書」という偽造書類も捏造《ねつぞう》されました。奇怪な悪魔のサインやまじないがもっともらしく書きこまれた珍妙なものです。ローバルドモンは自分が捏造したこの契約書に署名するよう、両足を板のあいだで締めつける拷問を加えてしつこく迫りましたが、気丈なグランディエは頑として応じませんでした。
これらのデッチ上げの数々に、さすがの修道女たちもこわくなってしまいました。なかの数人はついに決心して、自分が嘘《うそ》の証言をしたのだと涙ながらに告白しました。一方、王権をかさに着たローバルドモンを不快に思いはじめたルーダン市民らも、国王に事件をパリの議会に移し、公正な裁判を行なってほしいと訴えました。
けれどここにもローバルドモンの全権委員会の手がまわっていて、「このような教唆煽動的な陳情書は破棄し、こんなふるまいは今後重罪として罰する」と宣言したのです。
もはや一切は絶望的でした。グランディエは一六三四年八月十八日、ついに死刑を宣告されました。拷問で体がマヒしていたので横たわったまま告解を行ないながらも、彼は最後まで、町の人妻たちとの関係は認めても、ジャンヌら修道女たちとは一度も会ったことはないと主張しつづけました。
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