返回首页
当前位置: 首页 »日语阅读 » 日本名家名篇 » 作品合集 » 正文

きれいなお城の怖い話52

时间: 2020-07-08    进入日语论坛
核心提示:グランディエ火刑グランディエ火刑を前に、読みあげられた死刑宣告文は次のようなものでした。「グランディエは妖術、魔法、さら
(单词翻译:双击或拖选)
グランディエ火刑

グランディエ火刑を前に、読みあげられた死刑宣告文は次のようなものでした。
「グランディエは妖術、魔法、さらに当地のウルスラ修道女会の修道女や世俗の女たちがこうむった悪魔つきの罪と、これに先だつ余の悪行悪徳の件で告訴され、罪を確認された。
贖罪《しよくざい》のためグランディエに、かぶり物を脱ぎ首に縄を巻き、手に二ポンドの燃えるかがり火を持ち、聖ペテロ寺院前と聖ウルスラ修道女会の教会堂前で懺悔《ざんげ》し、ひざまずいて神・国王・法に許しを乞うことを命じる。
その後は聖十字広場で火刑台につながれ、悪魔の契約書とともに生きたまま焼かれ、その灰を空中にまかれ財産をすべて国王に没収される」
火刑台に縛りつけられたとき、グランディエはむらがる群衆に何かを訴えようとしましたが、悪魔祓い僧たちに顔に聖水をかけられて、さえぎられたといいます。
けれど、この宣告文をよく読んでみると、あることに気づかれるでしょう。ここには罰の一部始終はのべられていても、かんじんの罪のほうはとんと忘れられているのです。たまに触れられても、妖術とか悪魔つきとか通り一遍の言葉が記されているだけです。
ただ一方にルーダンの人妻たちとグランディエ司祭の火遊び事件があり、もう一方にウルスラ修道女会の悪魔つき事件があったというだけで、二つのあいだには本当のところ何の結びつきもないのです。
だいたいグランディエ逮捕後、前よりいっそう悪魔つきがひどくなっているのは何故《なぜ》なのでしょう? ローバルドモンが登場した一六三三年末から翌年八月の処刑まで、グランディエはずっと牢に放りこまれていたのです。もし牢のなかからも魔力をあやつれるなら、どうしてそれを使ってそこを脱出できないのでしょう?
それにグランディエの死とともに、彼と悪魔のあいだにかわされた契約も無になったはずなのに、その後もルーダンの悪魔つきはどうして止《や》もうとしないのでしょう?
結局のところグランディエという生贄《いけにえ》を媒体に、王権と地方権力、宗団と宗団という対立関係が、極限まで押しすすめられたわけなのでしょう。哀れなグランディエは、ちょっとした火遊びから突然その争いのなかに巻きこまれたのです。不運といえば不運なこと……。
轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%