日语童话故事 日语笑话 日语文章阅读 日语新闻 300篇精选中日文对照阅读 日语励志名言 日本作家简介 三行情书 緋色の研究(血字的研究) 四つの署名(四签名) バスカービル家の犬(巴斯克威尔的猎犬) 恐怖の谷(恐怖谷) シャーロック・ホームズの冒険(冒险史) シャーロック・ホームズの回想(回忆录) ホームズの生還 シャーロック・ホームズ(归来记) 鴨川食堂(鸭川食堂) ABC殺人事件(ABC谋杀案) 三体 失われた世界(失落的世界) 日语精彩阅读 日文函电实例 精彩日文晨读 日语阅读短文 日本名家名篇 日剧台词脚本 《论语》中日对照详解 中日对照阅读 日文古典名著 名作のあらすじ 商务日语写作模版 日本民间故事 日语误用例解 日语文章书写要点 日本中小学生作文集 中国百科(日语版) 面接官によく聞かれる33の質問 日语随笔 天声人语 宮沢賢治童話集 日语随笔集 日本語常用文例 日语泛读资料 美しい言葉 日本の昔話 日语作文范文 从日本中小学课本学日文 世界童话寓言日文版 一个日本人的趣味旅行 《孟子》中日对照 魯迅作品集(日本語) 世界の昔話 初级作文 生活场境日语 時候の挨拶 グリム童話 成語故事 日语现代诗 お手紙文例集 川柳 小川未明童話集 ハリー・ポッター 新古今和歌集 ラヴレター 情书 風が強く吹いている强风吹拂
返回首页
当前位置: 首页 »日语阅读 » 日本名家名篇 » 作品合集 » 正文

きれいなお城の怖い話70

时间: 2020-07-08    进入日语论坛
核心提示:不吉な予言 その日もラスプーチンはユスーポフを上機嫌で迎え、マッサージをはじめました。「ねえ、今度、僕の邸にきて下さいよ
(单词翻译:双击或拖选)
不吉な予言

 その日もラスプーチンはユスーポフを上機嫌で迎え、マッサージをはじめました。
「ねえ、今度、僕の邸にきて下さいよ。妻も待っていますよ」ラスプーチンはロシア一の美女といわれるイリーナに会えることに、たちまち乗り気になりました。会って、それからあとは? 彼は自分が女たちにおよぼす絶対的な魅力を、疑ったことはありませんでした。
その夜十二時ころ迎えにくると約束してそこを辞したユスーポフは、同志たちと最後の打ちあわせをしました。同志たちが階上に待機している間に、ユスーポフは部屋でラスプーチンに、用意した青酸入りの菓子と葡萄酒《ぶどうしゆ》をすすめることが決められました。
その夜のラスプーチンは上機嫌でした。イリーナに会って彼女をものにできるという予感が、彼を勢いづけていたのでしょう。ところがその晩訪ねてきた友人のアンナ・ヴィルーボフは、不審そうに言いました。「あら、イリーナはいまクリミアに行っていて留守ですよ」、そして心配そうに、「いらっしゃらないほうがいいんじゃない? なんだか心配だわ」が、そのときに限って、不思議にもラスプーチンは自分を待っている運命を疑ってもみないようでした。
ところが実はその朝に、彼は皇帝夫妻に一通の手紙を出していたのです。なかには有名なつぎの予言が記されていました。「私は正月までに死ぬだろう。私を殺すのが私と同じ百姓なら、皇帝よ、汝《なんじ》は帝位にとどまり汝の子らは長くロシアを治めるだろう。が、私を殺すのが貴族なら、彼らの手は永遠に私の血に染まり、彼らは祖国を追われるだろう。彼らは兄弟どうし殺しあい、ロシアにはもう貴族も皇帝もその末裔《まつえい》もいなくなるだろう」そして……、「私の死の鐘が打ち鳴らされてから一年もたたないうちに、皇帝も皇后も皇子らも、皆死ぬだろう。ロシアの民衆が彼らを殺すだろう……」
奇《く》しくもこの予言は、一年後のロシア革命で、実現されることになるのです。
 その夜おそくラスプーチンは、ユスーポフの宏壮《こうそう》な邸を訪ねました。玄関ホールを横ぎり一階のフロアから螺旋《らせん》階段をおりると、奥まったこぢんまりした部屋に通されました。ここは半地下室だったのを、ユスーポフが今夜のため改良したのです。うちっ放しの壁は華麗なカーテンや額でおおわれ、床にはみごとな絨毯《じゆうたん》が敷かれ、豪華な家具や置物が部屋を飾っていました。
イリーナはまだ来ないのかと聞くラスプーチンに、ユスーポフはいま客が来ているので……と、ゴマカしました。彼女がくるまでここで一服しましょうとの彼の誘いに、ラスプーチンは疑う様子もなく従いました。テーブルにはサモワールが湯気をあげ、ワインの瓶が何本もならび、豪華なクリルタル・グラスが暖炉の炎に照り映えていました。
ユスーポフの手でラスプーチンのまえに、グラスと菓子がなにげなく置かれました。菓子のなかにもグラスにも、どんな人間もひとたまりもないほどの青酸が入っています。部屋はしーんと静まり返って、遠くで時計が十二時をうっていました。
息をのんで待ち受けるユスーポフの前で、ラスプーチンはついに菓子を二、三個手にとり、ゆっくり口に運んでいきました。一度に大勢の人間を殺せるほどの猛毒を彼は口にしたのです。さあ、今に効いてくる。どんな男だって、これほどの毒に抵抗できるはずはないのだ……。
ユスーポフはドキドキしながら目を閉じました。ところが……、少しして彼が目をあけると、な、なんと、ラスプーチンがケロリとして「どうしたんだい?」と尋ねたのです。
なおも平気でどんどん菓子を噛《か》みくだいていくラスプーチンに、ユスーポフはわけが分からなくなりました。いったいどうなったのだろう。医師が間違えたか、それとも裏切ったのか?
階上で苛々《いらいら》しているはずの仲間たちに相談に行きたいと思っても、そうもいきません。
ラスプーチンがワインがほしいと言ったので、ユスーポフは青酸入りグラスに注いでわたし、それをラスプーチンは一気に飲み干しました。今度こそ大丈夫。今度こそラスプーチンも毒にあたって、その場にくずおれるはずだ。どんな超人的な体力だって、いくらなんでももう敵《かな》うまい……。
が、やはり今度も何も起こりはしませんでした。ラスプーチンはワインのおかわりを要求しただけでなく、またも毒入りの菓子をゆうゆうと口にいれたのです!
ユスーポフは心臓が爆発しそうでした。つぎつぎと毒入りのワインを飲み下し、菓子を口に運んでいくラスプーチン。まるで時間が止まってしまったようでした。またもおかわりを要求するラスプーチンに毒杯を差しだしながら、ユスーポフの手は思わず震えました。
ふいにラスプーチンが、目ざとく部屋の隅にあるギターを見つけました。「君の名演奏を聞きたいな?」ユスーポフはギャフンという思いでしたが、仕方なくギターをとりあげて爪弾《つまび》きはじめました。ラスプーチンは椅子《いす》に座って、じっと目をとじて聞き入っていました。
彼が歌い終えても、ラスプーチンはビクとも動きませんでした。死んだのか。それとも毒が効いて苦しんでいるのか? 思案していると、ラスプーチンは急に顔をあげて、「良かったよ。もっと歌っておくれ」と言うのです。ふと時計を見たユスーポフはゾーッとしました。もう二時間も、ラスプーチンは毒を体内に運びつづけていたのです。この二時間が、ユスーポフには永遠のように思えました。
轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%