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黒魔術白魔術10

时间: 2020-07-21    进入日语论坛
核心提示:薔薇十字のカバラ団一八五四年、三十歳のフランス、リヨンの宗教家ジョセフ・アントワヌ・ブーランは、霊地ノートルダム・ドラ・
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薔薇十字のカバラ団

一八五四年、三十歳のフランス、リヨンの宗教家ジョセフ・アントワヌ・ブーランは、霊地ノートルダム・ドラ・サレットで奇妙な女にめぐり合った。このめぐり合いが、それまでごく普通の宗教家だったブーランの運命を変えてしまうのである。
そのアデール・シュヴァリエという若いベルギー人修道女は、彼にこう主張したのだ。
「自分は神のお告げを受けたり、聖母マリアによって病を治された経験もある」。あげくにある日、こんな幻を見たと言いだした。神がブーランに、宗教改革者になるように命じられている……。
ふつうなら頭がおかしいのではと一笑にふすところだが、その女に惚《ほ》れていたのか、ブーランは誘いにのってしまうのである。さっそく教団を設立することを決意して、ローマ法王に許可を願い出るのだ。が、許可をもらえなかったので、計画に賛同してくれたヴェルサイユ司教の保護のもと、つのった仲間九人とともに、ブーランはリヨンに新教団を設立した。
この教団の儀式は、かなり奇妙なものだった。祝聖された聖体パンのかわりに、馬の尿や、大便を固めた薬などをもちいるのだ。ブーランとアデールは男と女の関係になり、二人のあいだには子も生まれている。もっともその子は、黒ミサのとき哀れにも生《い》け贄《に》えにされてしまったが……。
しだいに降神術に凝りだしたブーランは、当時の名高い妖術《ようじゆつ》使い、ウージェーヌ・ヴァントラスに近づいた。聖ミカエルの訪問を受けて以来、神がかりになったヴァントラスは、一八三〇年ごろカルヴァドス県に慈善カルメル会なるものを創立していた。
並みいる人々のまえで、彼はいろんな奇跡をおこなった。彼が祈りをささげると、全身からふくいくたる香りがしたり、からの聖杯に触れると、酒がなみなみと満ちてきたり、あるいは彼が祭壇に上がると、その足あとから血の文字や心臓の形をした聖体パンが現れたり……。医者がこれを分析すると、まぎれもない人間の血だったそうだ。
ヴァントラスの行なった様々な奇跡を記録した文書は、現在もヴァントラス文庫としてリヨンに保存されている。作家ユイスマンスは『彼方』を書くとき、ブーランに頼んでこれを見せてもらっている。
一八七五年にヴァントラスが死ぬと、ブーラン師はさっそく彼の後継者を自認し、ヴァントラスのエロチックな儀礼を、みずから実行しはじめたのだ。彼は、人が神にいたる道は、性行為のなかにこそあると主張した。アダムとイヴの犯した罪をつぐなうためには、人は罪のなかで生き、性行為を実践しなければならないというのだ。
「アダムとイヴは罪を犯して堕落したのだから、人は罪を通してしか救われることはできない。私と関係を結べば、お前たちにもきっと魂の救済が訪れるだろう……」
かくて狂信的な女信者たちとのあいだに、日夜禁じられた快楽をくりひろげていたブーランは、調子にのって一八八六年のある日、入門を希望してきた二人の他所《よそ》者を受け入れてしまった。
�薔薇十字カバラ会�の会員であるド・ガイタ侯爵と、オカルト学者のオズワルト・ウィルトである。二人は言葉たくみにブーランに近づき、入団を許されてからは、すっかり彼に信頼されてしまい、乱交の一部始終までしっかり目撃してしまったのだ。
十分な証拠を集めると、ド・ガイタ侯爵とウィルトは、さっさとパリに帰っていった。そして薔薇《ばら》十字カバラ会の秘教法廷なるものを開廷して、ブーランの欠席裁判を行なったのだ。判決はむろん、�有罪�である。
ド・ガイタとウィルトが送りつけた有罪判決を受けとったとき、ブーランは怒り心頭に発して、�虎のように飛びあがった�という。かくて薔薇十字カバラ団と、リヨンの慈善カルメル会のあいだに、恐ろしい死闘がはじまった。薔薇十字カバラ会の面々は、スタニスラス・ド・ガイタ侯爵、オズワルト・ウィルト、サール・ペラダン。慈善カルメル会の面々は、ジョセフ・アントワヌ・ブーラン、作家のJ・K・ユイスマンス、ジャーナリストのジュール・ボワである。
魔術師としてのあらゆる秘術を駆使して、相手を呪《のろ》い殺そうというのである。まず、ド・ガイタ侯爵は『サタンの聖堂』という著書のなかで慈善カルメル会の所業を洗いざらい暴露し、ブーランを、�汚れた司教、卑しいソドムの偶像、最低の術師で哀れな罪人、妖術師、邪教主�と、罵詈雑言《ばりぞうごん》でののしった。
対して、ブーランの友人である作家J・K・ユイスマンスは、小説『彼方』のなかで、薔薇十字カバラ会の連中を�とぼけた薄ノロ、醜悪なチンドン屋�と、さんざんこき下ろしている。
薔薇十字カバラ会の呪いは、ユイスマンスにも容赦なく向けられた。そのころユイスマンスは、時どき顔にヒヤッとしたものを感じたり、目に見えないものに取り巻かれている気がして、何かに驚いてビクッと飛びあがったりしていた。
さらに毎晩のように、ド・ガイタの送ってくる液体の�拳固�で、顔をぶん殴られていたともいう。ユイスマンスは作家業と同時に、官吏として毎日内務省に出勤したが、呪いから身を守るためだといって、聖体パンをヒモで額に結びつけて行った。これを見た同僚が、あきれて吹き出したのは当然だろう。
ブーランのほうでも蝋人形を作り、「ド・ガイタ、ペラダンよ、くたばれ」などと唱えて、人形をこねまわしていたが、当時六十九歳の彼と、三十代の男盛りのド・ガイタでは、最初から勝負は決まっていたようなものだ。まもなくブーランは呼吸困難を訴え、めっきり体が弱っていった。一八九一年一月三日朝、彼の部屋の窓に、一羽の不吉な黒い鳥がとまったが、その夜彼は息をひきとったのである。
享年六十九歳。この死が果してド・ガイタの呪いのせいだったかどうかは、判然としない。しかし一月七日、ユイスマンスとボワが、�フィガロ�紙にブーランを悼む一文を載せ、真っ向からブーランはド・ガイタらの呪いで殺されたのだと非難した。
「ド・ガイタは悪魔を崇める教団のボスで、気にいらない人間はすぐ呪い殺す。使い魔に毒液を運ばせ、相手の鼻のアナに注ぎこむのだ。ド・ガイタは、使い魔を洋服|箪笥《だんす》のなかで飼っている……」
ド・ガイタは最初は無視していたが、ついに堪忍袋の緒を切らして、新聞にこんな反撃文を発表した。
「ブーランが死んだのは、心臓と肝臓を病んだせいだ。私に関する根も葉もない噂《うわさ》をまき散らしているユイスマンスとボワに、私は断固、決闘を申しこむ!」
ド・ガイタ対ボワの決闘でケリをつけることになったが、これはおかしな成り行きになった。まず決闘の場にむかう途中、ボワを乗せた馬車は、馬が急にガタガタふるえだして、なかなか前に進もうとしない。
また、いよいよ撃ち合いの段になり、双方が一発ずつ弾を発射したが、どちらも相手にあたらないという妙な結果になり、結局勝負のつかないまま、決闘は中断されてしまった。
三日後に、今度はパピュス対ボワの決闘となったが、今回もボワの乗る馬車の馬がつぶれてしまい、別の馬車に乗り換えたが、今度は馬が転倒して馬車が引っくり返るという散々なことになった。
ほうほうの体でボワはようやく決闘の場にたどり着いたが、彼を迎えたのは血気盛んに剣をふりかざすパピュスだった。今度の決闘の武器は剣なのだが、大男のパピュスは剣の名人でもあり、とうてい優男のボワの敵ではない。
幸い双方とも無傷でパピュスが早々に勝利をおさめたが、この機会にボワとパピュスは友達になったというのだから、まあ、めでたしめでたしといったところだろう。その後、ウィルトは磁気療法に入れあげて魔術から遠ざかり、ド・ガイタは一八九七年に麻薬中毒が悪化して死亡した。ブーランにかけた呪いが、跳ね返ってきたのだという説もある。
ペラダンは一八九〇年に薔薇十字カバラ会を脱会し、�カトリック薔薇十字会�を創立。その後は芸術とオカルトを融合させた絵画展を主催したが、一九一八年に世を去った。
ユイスマンスは信仰の人として、世捨て人のような一生をおくった。パピュスはロシアにわたり、皇帝相手に占星術や降霊術を披露して人気者になり、一九一六年に死去。ボワはその後もジャーナリストとして、多くの著書を残している。
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