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美しき拷問の本18

时间: 2020-07-24    进入日语论坛
核心提示:美しき毒殺魔と水責め拷問一七世紀フランスの貴婦人マリーは、パリの上流貴族、ド・ブランヴィリエ侯爵の妻だった。生まれつき淫
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美しき毒殺魔と水責め拷問

一七世紀フランスの貴婦人マリーは、パリの上流貴族、ド・ブランヴィリエ侯爵の妻だった。生まれつき淫乱《いんらん》な女で、幼いころから兄や弟たちと、つぎつぎと近親|相姦《そうかん》の関係を持ったという。
さらには夫そっちのけで、騎兵将校サント・クロワと不倫の関係になった。裁判官である彼女の父は、見るにみかねて、とうとうサント・クロワを牢《ろう》にぶちこんでしまった。
恨み骨髄に達したサント・クロワは、牢獄内で知ったイタリアの名高い毒殺魔に、毒薬の作り方を教わり、マリーの父を復讐《ふくしゆう》のため殺そうと決意したのである。
マリーも、父を殺すことに賛成した。単に恨みが晴らせるだけでなく、莫大《ばくだい》な遺産がころがりこんでくるからだ。彼女はまず、毒の効き目をためすために、毒入り菓子をつくって慈善病院を訪れ、患者に食べさせてみた。
そして誰にもバレずに毒を飲ませられることが確かになると、毎日父の食物に少しずつ毒をまぜ、不治の病にして殺してしまった。欲の皮のつっぱった彼女は、さらに遺産を独り占めにしようと、二人の弟を毒殺し、その妻や妹まで殺してしまったのだ。
しかしマリーは、一度も警察に咎《とが》められはしなかった。当時の医学や警察の捜査は、現代のように進歩していなかったので、犯人が白状しないかぎり、警察も手の出しようがなかったのである。
それからのマリーの�毒薬遊び�は、とどまるところを知らなかった。頭の悪い我が子を毒殺しようとしたり、子供の家庭教師との浮気を清算するため毒を飲ませたり、サント・クロワが自分の夫と同性愛であることを知ると、夫まで殺そうとした。
しかし一六七二年、サント・クロワが自分の作った毒をあやまって嗅《か》いで死んでしまうと、警察が彼の邸《やしき》で、マリーが多くの毒殺をおこなったことを示す、証拠書類を押収した。一度は外国に逃げたマリーも、ついに当局に捕らえられてしまったのだ。
マリーはパリに送られ、残酷な拷問にかけられることになった。彼女がかけられるのは、水拷問、それもとくに厳しい�エクストラ・オルディネール(特別)�だった。
マリーは一糸まとわぬ素裸にされ、両手足をそれぞれ拷問台に縛りつけられた。高い台で背中部分を支えられるので、体は大きく弓なりになり、乳房が盛りあがり、両足が開いて恥ずかしい部分が男たちの目にさらされるのだ。
マリーの口に、無理やり牛の角の漏斗《じようご》が差しこまれる。これから五時間にわたって、つづけて水槽いっぱいの水を注ぎこまれるのだ。被告の腹がふくれてくると、助手たちが腹のうえに馬乗りになって水を吐きださせ、また水をそそぎこむのである。どんな強者もドロを吐くと言う、すさまじい拷問だった。
水が注がれるにつれ、乳房が激しく波うち、胸や腹の肉がぴくぴく痙攣《けいれん》しはじめる。苦しくて息をつこうとすると、却《かえ》って水を飲みこんでしまい、咳《せき》がとまらなくなってしまう。
わざとマリーの苦しみを長引かせようと、ときどき拷問吏が漏斗をはずし、膨れあがった腹を上から押さえこむと、マリーは全身を苦しげにもだえて、げえげえ大量の水を吐くのだった。
こうして胃がからになると、また拷問吏が水をそそぎはじめる。顔から胸にかけて赤紫に染まり、心臓が早鐘のようにうちはじめ、頭がガンガンして破裂しそうになる。ついに全部の水を飲みおえたとき、激しい痙攣に全身が大きく波うって、マリーはそのまま動かなくなってしまった。下半身は耐えられず洩《も》らした小水でびしょびしょに濡《ぬ》れ、ほとんど仮死状態だった。
結局、一六七六年七月一七日、マリーはパリのグレーヴ広場で首を切られ、死体を燃えさかる炎のなかに投げこまれることになった。処刑の直前に、マリーは死刑執行人にこう言ったという。
「多くの人々が悪事を働いているというのに、なぜわたしだけがこんな目にあわなきゃならないのかしら?」
おそらくこれが、美しき毒殺魔の、最後のいつわらざる感情だったに違いない。
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