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美しき拷問の本56

时间: 2020-07-24    进入日语论坛
核心提示:四つ裂きの刑(2)やはり四つ裂きの刑に処せられたフランソワ・ダミアンは、一七五七年に国王ルイ一五世を殺そうとした。未遂に
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四つ裂きの刑(2)

やはり四つ裂きの刑に処せられたフランソワ・ダミアンは、一七五七年に国王ルイ一五世を殺そうとした。未遂に終わったにもかかわらず、ラヴァイヤクと同じく四つ裂きの刑に処せられたのである。
ダミアンは処刑の前に、つぎのような措置をほどこされることになった。
1、胸と手足を、焼き棒で突く。
2、その傷口に、鉛と油と樹脂と蝋《ろう》と硫黄《いおう》を熱したものを注ぎこむ。
3、特に短刀を使った右手は、彼がまだ息のあるうちに、火で丸ごと焼く。さらに四頭の馬に引かせて囚人の四肢をばらばらにし、それを火で焼く。
死刑当日、ダミアンは、二時間半にわたって残酷な拷問にかけられたあと、囚人護送車に乗せられて、グレーヴ広場(現市庁舎広場)の刑場に連行された。
広場には大勢の群衆が押しかけ、通りに面した窓という窓からも、見物人がのぞいている。そのなかに、じつはあの色男カサノヴァも混じっていた。この処刑を見物するため、わざわざ友人と一緒に広場に面した窓を借りていたのだ。
午後五時、いよいよ刑が始まった。まず平鍋《ひらなべ》のうえの燃える炭火で、ダミアンの右手が焼かれたが、本人は気も失わず耐えぬいた。つぎに焼き棒で身体《からだ》を突かれたが、これも、あまりの苦しみで気でも狂ったのか、ダミアンは口から泡を吹いて悶絶《もんぜつ》しながらも、執行吏を「もっとひどくやれ、もっとひどく……」と反対にはげますのだった。
そしていよいよダミアンの四肢が、四頭の馬の脚に引き革で結びつけられる。執行吏の合図で馬に力いっぱい鞭《むち》があてられ、いっせいに馬が四方に走り出した。しかし、ダミアンの四肢はびくともしない。二度、三度とやっても同じで、本人の関節は伸びきっても、まだ手脚は身体から離れないのだ。
これではらちがあかないと見た執行吏は、関節と腱《けん》を切ることを願いでて許可された。かくてようやく手脚が身体から離れ、ダミアンも地獄のような苦しみから解放されることが出来たというわけである。
こんなことがわずか二〇〇年前に、慈悲心のかけらもない残酷な群衆の目前でおこなわれたのである。
じつは処刑の経過報告を受けたとき、ルイ一五世は思わず涙ぐんだという。哀れなダミアンに同情したのは、じつに被害者の国王ただ一人だったというわけだ……。
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