このうえない快感を与えてくれるはずのセックスも、ときには残酷な殺人の手段になることもある。
たとえば紀元前のポエニ戦争で活躍したローマの勇将カルプルニウスは、夜、床につくまえに指先に毒をぬっておく。そしてその指先で、妻のクリトリスをやさしく愛撫すると、毒は膣を通して全身にゆきわたり、妻は哀れにも、苦しみぬいて死んでいくというわけである。この方法で何人も妻を殺したというから、恐ろしい。
また、ナポリ王ラディスラスは、敵のまわしものである絶世の美女に殺された。その殺し方というのが、こうである。前もって美女の膣内に猛毒を塗っておき、その美女をラディスラス王に贈る。そしてラディスラス王がそうとも知らず、その絶世の美女を腕に抱くと、ペニスから毒が侵入して、あえない最期を遂げるというわけである……。