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美しき殺法40

时间: 2020-07-25    进入日语论坛
核心提示:ガス室「シラミ駆除の消毒だよ」、アウシュヴィッツの強制収容所に入れられたユダヤ人のうち、ガス室に連れていかれる者は、こう
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ガス室

「シラミ駆除の消毒だよ」……、アウシュヴィッツの強制収容所に入れられたユダヤ人のうち、ガス室に連れていかれる者は、こう言われておとなしく衣服を脱いだ。ガス室が�殺人部屋�であることは、言うまでもない。
ユダヤ人らが押し込められると、ドアが手早く閉じられ、待ちかまえる消毒員が、ガス室の天井にあけた投入孔から、床までとどく空気穴のなかに、ガスを投入する。収容所所長ルドルフ・ヘスの証言によると、ドアののぞき穴から観察していると、投入孔のすぐそばに立っている者が、たちまちバタバタと倒れて行くのが見えたという。
三分の一は即死。残る者はよろめき、叫び、空気を求めてあがきはじめる。隣の人の背中や、周囲の壁に爪を立ててもがく者もいる。しかし叫びはやがて喉のひゅうひゅうなる音にかわり、数分のうちに全員がたおれ、二〇分後にはもう身動きする者もなくなる。
天候、寒暖、乾湿の度合い、ガス発生の状況、ユダヤ人に健康者が多いか老人や病人や子供が多いかなどで、ガスの効果があらわれるのに、五〜一〇分ぐらいの差がある。
ガス投入三〇分後、ドアが開かれ、換気装置が作動し、死体の引き出しが始められる。痙攣や変色などの、肉体的変化はまったく見られない。汚物で汚れることもまれだし、外傷も全くみとめられないし、顔にも苦悶のあとは見えない。
山のように折り重なった死体はガス室の外に放り出され、作業員の一団が駆けつけて、鉄の鉤で死体の口をこじあけて金歯を探す。別の一団は、死体の肛門や生殖器に隠された宝石を探す。
アウシュヴィッツの第一、第二の死体焼却所では、一日に二〇〇〇体、第三、第四の死体焼却所では、一日に一五〇〇体、第五の死体焼却所では、多いときは一日に九〇〇〇体を焼いたという。これだけでも残酷なのに、ナチの連中は、ただ死体を焼くだけではもったいないと考えたらしい。ユダヤ人の死体は、焼くまえに再資源化されるに到ったのだ。
たとえば髪の毛。男性のものは人工フェルトに加工されてロープに、女性のものは潜水艦乗組員のスリッパや、鉄道職員のフェルトの靴底に利用された。皮膚ははぎとって、電灯の笠、しおり、ハンドバッグ、手袋など、いろいろな家庭装飾品をつくる材料になる。また、脂肪は石鹸の、骨は肥料の原料になる。かくてユダヤ人の死体は、一片の無駄もなく、骨の髄まで利用されたというわけである。
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