一九六九年設立の、シカゴの魔女集団「ウィッチ」は、現在、メンバー数四〇〇人以上を誇るという。星占いと神秘学の研究団体を装っているが、じつは三人の女ボスが、メンバーに呪殺術を手ほどきしているとか。
人形に針やピンをさして呪文をとなえ、別室の箱に入れられた実験動物を呪い殺すのだ。最初はモルモット、つぎには犬やネコで実験し、最後はいよいよ人間相手に呪いをかけるのだという。
ときにはメンバー一〇〇人で大がかりな集団呪殺術をもよおすこともある。木に相手の名を書いた人形をくくりつけ、みんなで一晩中呪いをかけるのだ。森のなかの集会では、悪魔の生け贄になる女性が、肺や心臓をえぐられ、一〇〇人の団員からつぎつぎ呪い釘を打ち込まれる。
その死体は荒野に放置されるが、ハゲタカに食われて骨だけになってしまうため、たいてい身元不明で片づけられるという。
砂穴の呪殺術という、深く掘った砂の穴に水をみたし、そこに相手を投げこんで呪い殺す方法もある。いずれにしても被害者の体に外傷はいっさい残らないのが特徴だ。
ウィッチは警察をもっとも手こずらせている魔女集団で、内情をあばくため潜入したシカゴ警察の女性刑事が、これまで何人も変死している。一九七八年には、組織にもぐりこんだ若い女性捜査官が無残な死体で見つかり、死体からえぐられた心臓がシカゴ警察署に投げこまれるという事件まで起きている。
現在もFBIがあの手この手を使って調査しているが、依然恐るべき犯罪の実情はつかめていないという。