昔から、浮気した人妻に与えられた拷問は、陰湿でサディスティックなものが多い。
たとえば両手の指一〇本を、根本から斬り落とさせる方法。これは、「お許し下さい。もう二度といたしません」などと言いながら、自分で自分の指を、一本ずつ斬り落としていかねばならない。
しかしそれ以上に残虐なのが、「六所斬り」という処刑だろう。六所とは、耳、鼻、両腕、乳房、局部、両脚の、計六カ所のこと。
それを上のほうから一つずつ、ゆっくりと時間をかけて斬り落とし、あるいはえぐりとっていく。そのあいだも、女が苦しみ悶えるのを楽しげに見物しながら、「どうだ、苦しいか。もっと苦しめ、もっと呻け……」などと、悪態の限りを投げかけ、ありったけの憎しみを刃物にかけて、思う存分、女を責めさいなんでいく……。