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美しき殺法88

时间: 2020-07-25    进入日语论坛
核心提示:石抱き責め「石抱き責め」というのも、他の多くの拷問と同じく、まかり間違えば死にいたる拷問である。実際これを受けて死んでい
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石抱き責め

「石抱き責め」というのも、他の多くの拷問と同じく、まかり間違えば死にいたる拷問である。実際これを受けて死んでいった者も数多い。
まず、「十露盤《そろばん》板」という台を用意する。約六〇×五五センチの大きさの台に、三角形に削った、長さ六〇センチ余りの木材の棒を、五本打ちつけたものだ。このうえに、後ろ手に縛った罪人を正座させ、背筋をまっすぐのばして、後ろの柱に縄で縛りつける。
三角形の角が突き出た台に正座させられるだけでも、尖った角がすねに食い込んで飛び上がるほどの痛さ。これに取り調べの役人が、「白状しないと、石を抱かせるぞ」と責め立てる。罪人が白状する気がないと見るや、いよいよ「石抱き責め」が始まるのである。
�責め石�は、伊豆石と呼ばれる水成岩で、長さ約九〇センチ、幅三〇センチ、厚さ一〇センチで、重さが四五キロほど。それが一〇枚は用意されている。
罪人が白状しないと、膝のうえに責め石が一枚ずつ重ねられていく。二枚でも九〇キロ。それが三枚、四枚と重ねられると、三角棒の角が完全にすねに食い込み、それこそ骨まで達する。ここまで来ると、罪人は脂汗を垂らしながら悲痛な呻きをあげ、それがしだいに息もたえだえの喘ぎに変わっていく。
そこへ二人の下男が左右に立ち、石を揺さぶって、「どうだ、参ったか、さっさと吐いてしまえ」と責め立てる。おまけに笞で力まかせに打たれるものだから、罪人はたまったものではない。
しかしそれでもなお白状しないと、責め石はつぎつぎと積み重ねられていき、しまいに顔近くまで来ることもある。ここまでくると、いかに剛の者でも鼻や口から血を吹き出し、意識はもうろうとして、やがては悶絶してしまう。
立会いの医師は脇で、罪人の様子を見ながら、命が危なくなったときは拷問を中止させようと身構えている。見分け方は、罪人の足からしだいに、膝、腿、腰と、血の気が引いて真っ青になって行く。それが腹部のあたりまで来ると、もう危ないというわけだ。
責め殺してしまうのもしばしばだったが、役人には特に何の咎めもない。この拷問にかけられるのは人殺しや盗賊などの重罪人で、どうせ最後は死刑になるのだから、殺されてもともとというわけである。
拷問の時間にも回数にも制限はなく、それこそ自白するか死にいたるまで、何十回でも何年でも繰り返される。責め石を一〇枚積まれても白状しなかった者も二、三人はいたというが、一〇枚というと、重さは四五〇キロはある。これに耐えたというのだから、相当な剛の者であったのだろう。
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