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スカートの風02

时间: 2020-07-26    进入日语论坛
核心提示:韓国人のふたつの夢お金と権力 私の祖国韓国では、日本人には夢がなく、人生の目的がはっきりしていないとよく言うのだが、韓国
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韓国人のふたつの夢——お金と権力

 私の祖国韓国では、日本人には夢がなく、人生の目的がはっきりしていないとよく言うのだが、韓国人は一般に、はっきりとした夢や人生の目的を持つものだ。そして、その狙《ねら》いには大きく言ってふたつのものがある。
ひとつは経済力である。今日より明日はもっといい暮らしがしたい、他人よりもっといい生活がしたいということ。一般的にはお金持ちになりたいということであり、通俗的には、たとえば社長になりたいというようなことである。そうなることは恰《かつ》好《こう》がいいし、また人に羨《うらや》ましがられることでもある。そうした目的のために、常に他人と競争関係にあってこそ、力が出るし、また生き生きともする。もうひとつは、権力である。権力があれば経済的な問題も解決されるし、お金持ちよりもさらに恰好がよい——。
私はどちらかと言うと、権力を手に入れることを人生の目的としていた。しかし、女であるために自ら権力者となることが難しいので、権力者と結婚し、権力者の妻として生きたいと思った。そのため私は、高校生くらいのときから、世界各国のファースト・レディについて書かれた本などを読んで、自分がそうなったときのことを頭に描いては、将来の人生へと思いを馳《は》せるようになっていた。
ただ私は、世界のファースト・レディたちが、自らを洗練された美で装うことに最大の努力を傾けているところが、どうにも好きになれなかった。私はそれよりも知性を大切にする女性に魅力を感じていた。そんな私はやがて、権力者の妻になるにしても、好きな本を読みながら小さな家で暮らすことができたら、なおさらのこと素敵だと思うようになっていった。
大学に入ると、友だちどうし集まると必ずと言ってよいほど結婚の話が出てくる。そして、一〇人のうち八人まではお金持ちとの結婚を夢見ており、大きな家に家政婦を雇い、贅《ぜい》沢《たく》な暮らしを存分にできたらいいと言う。でも私は大きな家には住みたくなかった。私の故郷は田舎だったが、家は大きく、常に親《しん》戚《せき》の者たちやわが家の手伝いを仕事にする者たちの出入りが絶えなかった。家の中も庭も広く、とても一人では掃除できない広さだった。私の家は、田舎ではお金持ちの部類に属していた。
私はわが家の、単に広いだけでまとまりのない雑然とした感じが嫌で、小さな家にこぢんまりとした庭があって、可愛《かわい》い花壇とちょっとした池があるような生活に憧《あこが》れた。そして、一人で勝手にそんな家のイメージを頭のなかで創っては楽しんでもいた。
もし私が権力とお金を手にしたとしても、家政婦もいらないし大きな家も欲しくないと思った。そして、そんな話を友だちにするたびに、「変わっているわね」と言われていた。それでも私が、韓国一般の少女——権力者かお金持ちのお嫁さんになることを夢見る少女であることには変わりはなかったし、また自分の夢を何にもまして成し遂げたいとすることでも、私は典型的な韓国人であった。
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