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スカートの風03

时间: 2020-07-26    进入日语论坛
核心提示:田舎娘から陸軍士官の恋人への道 私の両親は特別な教育も受けていない素朴な田舎人だった。韓国ではだいたい、女はせいぜい中学
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田舎娘から陸軍士官の恋人への道

 私の両親は特別な教育も受けていない素朴な田舎人だった。韓国ではだいたい、女はせいぜい中学まで行ってハングルが読める程度になれればよいという考えが一般的で、田舎ほどそうした考えが強かった。私の両親もそうした考えではあったが、五人の子供のうち上から四人までが女だったこともあって、本人の意志があれば上の学校にやりたいという気持ちをもつようになっていた。そのおかげで、私の姉妹たちはみんな上の学校に行くことができるし、それが私たちの自慢でもあった。でも周りの人たちから私たち一家は、「なんであの家はそろいもそろって女に教育を受けさせるのか」といぶかしがられていた。
私は上から三番目だったが、娘が上の学校に行くために家を離れ、田舎から地方都市へ、大都市へと移動しながら勉強することに、特にこだわりをもたなかった両親には大いに感謝している。大都市へ行けば行くほど女の教育水準が低く、都市では貧民層が田舎では考えられないほど大きな底辺を形づくっていることを知ったことだけでも、世間知らずの田舎の娘にとっては、大きな社会体験であった。
私は、学生生活を続けるとともに、そうした都市生活の実情を深く知ることになったが、それは私の人生の目的にひとつの理由づけを与えることにもなった。いまから思えば赤面の至りなのだが、貧困をなくすためにこそ権力が必要だと考えたのである。それから、私はなんとしても権力を手に入れなくてはならないと、強く思うようになっていった。
二十歳を過ぎると、私のもとへはお見合いの話がたくさん飛び込んで来た。しかし、それらの話はいずれも財産家の子弟との縁談であった。そうした結婚は望むところではなかったから、私はすべてを一貫して断り続けていた。
私は権力者と近づき、彼らと話をしたかった。韓国で最大の権力者と言えば、いまも昔も軍人である。そこで、人生の目的を限りなく現実的に考えた私は、自分の夢をかなえる近道は軍隊に入ることだと判断したのだった。必ず夢を実現させたいとの意気に燃える私は、思いたつやためらうことなく軍隊に入ったのである。
田舎出の娘がいきなり軍隊に入ることに、私の周囲の人たちは大変にとまどったようだった。何か心にキズを受けて逃避したくなったのではないのだろうか、男ばかりの集団に入れば女らしさもなくなってしまうだろうに——と。
しかし私には私の目的があった。
そして私は、やがて、ある陸軍士官学校出の軍人とつきあうようになっていった。まず第一の関門に手を触れることのできた私は、心が宙に浮くような思いで、彼が面会にやって来てくれる日を待ちわびて毎日を過ごしていた。彼は政治にも深い関心をもっており、彼の兄は政治家の卵として活動していた。私は、やがては政治家として出たいと言う彼に、退役したらすぐにでも結婚したいとの思いをつのらせていた。こうして、私の夢は着々とその現実化へ向かって歩を進めているように見えた。
私が軍人であり、また陸軍士官を恋人にもったこともあって、それまでは会うことすら考えられなかった権力者たちと話を交わすこともできた。またテレビでしか見ることのできなかった大統領を直接まぢかに見ることもできた。私の心は軍隊生活の毎日に、ほんとうに生き生きとはずんでいた。
しかし、運命の女神は私に味方してはくれなかった。私の初恋はみのらず、退役後に彼とは別れることになってしまったのである。このショックに私は大きく打ちのめされることになった。それは一人の男との間の愛を失ったばかりではなく、私の夢である権力へと接近していたひとつの道が確実に断たれたからであった。
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