日语童话故事 日语笑话 日语文章阅读 日语新闻 300篇精选中日文对照阅读 日语励志名言 日本作家简介 三行情书 緋色の研究(血字的研究) 四つの署名(四签名) バスカービル家の犬(巴斯克威尔的猎犬) 恐怖の谷(恐怖谷) シャーロック・ホームズの冒険(冒险史) シャーロック・ホームズの回想(回忆录) ホームズの生還 シャーロック・ホームズ(归来记) 鴨川食堂(鸭川食堂) ABC殺人事件(ABC谋杀案) 三体 失われた世界(失落的世界) 日语精彩阅读 日文函电实例 精彩日文晨读 日语阅读短文 日本名家名篇 日剧台词脚本 《论语》中日对照详解 中日对照阅读 日文古典名著 名作のあらすじ 商务日语写作模版 日本民间故事 日语误用例解 日语文章书写要点 日本中小学生作文集 中国百科(日语版) 面接官によく聞かれる33の質問 日语随笔 天声人语 宮沢賢治童話集 日语随笔集 日本語常用文例 日语泛读资料 美しい言葉 日本の昔話 日语作文范文 从日本中小学课本学日文 世界童话寓言日文版 一个日本人的趣味旅行 《孟子》中日对照 魯迅作品集(日本語) 世界の昔話 初级作文 生活场境日语 時候の挨拶 グリム童話 成語故事 日语现代诗 お手紙文例集 川柳 小川未明童話集 ハリー・ポッター 新古今和歌集 ラヴレター 情书 風が強く吹いている强风吹拂
返回首页
当前位置: 首页 »日语阅读 » 日本名家名篇 » 作品合集 » 正文

スカートの風06

时间: 2020-07-26    进入日语论坛
核心提示:生死の別れ道に浮かび上がった日本人の笑い顔 このまま韓国に帰っても、歓迎してくれる人も場所もあるはずがない。勉強にも身が
(单词翻译:双击或拖选)
生死の別れ道に浮かび上がった日本人の笑い顔

 このまま韓国に帰っても、歓迎してくれる人も場所もあるはずがない。勉強にも身が入ることがなく、日本企業でのアルバイトも、疲れるだけで収入が少ない。何のために私は働いているのか? 夢がないものならば、できるだけ簡単にお金を稼ぎ、できるだけ楽に暮らすのがせめてもの人生ではないかとも思えた。
私はそれまでに何回も、酒場で働かないかと誘われたことがある。一日四、五時間働いて二万円以上になると聞いていた。そうしてお金を残す女たちもいるが、いまの私のままでは何も残せるものがない。彼女たちは「若くて美人でなくては人気がないのがホステスなのよ」と言うのだったが、お金をたくさん儲《もう》けているホステスたちが羨《うらや》ましくもあった。また、愛人の子供を産んでそれを生きがいに暮らしている女たちも羨ましく思えた。
私はあるとき、私と同じように、ホステスをやろうかどうかと逡《しゆん》巡《じゆん》し、私と一緒にならばやってもいいと言っていた留学生の友だちに連絡をとってみた。だが、どうしても私は「一緒にやろうよ」とは言えなかった。男を相手に稼ぐ勇気を出すことが私にはできなかったし、ましてや他人を誘うことなどできるわけもなかったのである。
確かに私も、彼女たちのような何かを残したいと思った。たまに寂しくなって韓国に電話をしてみても、友だちはみんな結婚して子供を産んで暮らしている。そして母や姉たちからは、「あなたはいったい何をして暮らしているの。いつまで勉強、勉強と言っているの、周りに恥ずかしくて仕方がないわ」とこぼされる。
それはそうなのだ。日本に来て一年もすれば、大部分の女たちは、家になにがしかのお金を送るとか、弟の大学の学資を出してやるなど、親孝行をするものだ。それにひきかえ私は、日本に来て三年以上経《た》っているのに、家にはお土産以上のものを送ったことがないのだ。私は日本で働く韓国のホステスたちよりはよほど親不孝者であり罪人なのだ。
クリスチャンである私は、当時から新宿にあるキリスト教会を通じて、何人もの韓国人ホステスたちを知っていた。ホステス業は、韓国にいるときの私にとっては軽《けい》蔑《べつ》すべき対象だったのだが、日本では逆に私が彼女たちから、「日本でお金を儲《もう》けられない女」とバカにされる対象となってしまった。
正直、私はほんとうにバカなのではないかと思えた。夢もなく、また彼女たちのようにお金を稼いで親孝行をすることもできない。そう思うしかなかった私は、日々追い詰められて行った。そして、私は生まれてはじめて死を考えた。ほんとうに死にたいと思ったのである。
ただ、かすかながら、死の誘惑へと一歩を踏み出そうとする私をためらわせるものがあった。それは、夢もなく、お金持ちにも権力者にもなりたいとも思わずに、ただ黙々と働く日本人の、ほがらかな笑い顔——私を打ちのめしたはずの日本人の、あの笑い顔だった。なぜあの人たちは笑うことができるのか? 私にも、夢がなくとも笑うことのできる可能性があるのだろうか? ふとそんな思いになるとき、決まって私の瞼《まぶた》の裏に鮮やかによみがえって来るのが、私にとっては忘れることのできない、ある一人の日本人男性のくったくのない笑い顔だった。
彼は私がいったんは心を預けようとも思った、たった一人の日本の男——彼の笑い顔はほんとうに魅力的だった。思い返せば、あの言いようのない笑いに象徴されていたものが、プラスもマイナスも併《あわ》せての日本そのものではなかったのだろうか。私の思いは長い間そのあたりをめぐり、悩んでは思い返し、悩んでは思い返しを繰り返していた。
韓国人がしばしば相反する価値観を同時に持つ民族であるせいなのか、あるいは憎しみと愛は表裏一体のものという人間の自然な惑情のなせるわざなのかはわからない。いずれにしても私は日本人の笑いに打ちのめされ、また日本人の笑いによって立ち上がったのである。
そして私は一変してしまった。日本人を徹底的に理解したい欲望を燃え立たせるようになっていったのである。それは、再び心から笑えるようになりたい一心のことだと言ってよい。不思議と言えば不思議な変身であったが、そうした私の変わり身の激しさはまた、韓国人に特有な性《さが》でもあった。
轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%