こうした韓国クラブのきまりは、同時にお客も守らなくてはならないきまりでもある。お客もまた、自由にホステスを選ぶことができないのだ。
もし仮に、お客が自分の愛人であるホステスに無断で他のホステスのお酌を受けようとすれば、大変なトラブルになってしまう。また、一度ある人に連れて来てもらって次に一人で来たお客が、そのある人の愛人以外のホステスからサービスを受けたいと言ったとしたら、同じように、許されざる由々しき問題が発生することになる。
もっとも、このようなきまりがあるにしても、ホステスたちはスキあらばとお客の争奪戦を深く静かに展開している。彼女たちにとっては、店のお客というよりは愛人をつくることに目的があるわけだから、愛人の心が他のホステスに移ることを何よりも警戒しなくてはならないのである。
かと言って、一人のホステスだけでお客をサービスしきれるものではない。当然ヘルプをつけなくてはならないことは多いのだ。そこでホステスたちは、それぞれ仲のよい相手が集まってグループをつくり、決して他人のお客を奪うことはしないという信頼関係のもとに、互いに同席するようにしている。
私の知っている三四、五名のホステスのいる店では、そういうグループが五つほどある。彼女たちはそれぞれ仲間意識をもって行動しているため、そうしたグループに入れないホステスは、どうしても大きな店で仕事をすることが難しくなってしまう。また、ホステスとママとの間にもめごとがあったりすると、グループ総出でママに向かうことになり、場合によってはグループごと店をやめてしまうことも多いので、ママは力のあるグループには大変に気をつかっている。
そういうわけで、韓国クラブでは、どのホステスとも楽しくお酒を飲もうとするお客は、考えのないお客としてホステスたちから嫌われることになる。だから、韓国クラブで楽しく遊ぼうとするならば、ママのお客としてではなく、だれか一人のホステスのお客として通うことである。そうしてはじめて、よりよい待遇を受けられることになるのだし、またそれが韓国クラブでの礼儀でもあるのだ。
もし仮に、お客が自分の愛人であるホステスに無断で他のホステスのお酌を受けようとすれば、大変なトラブルになってしまう。また、一度ある人に連れて来てもらって次に一人で来たお客が、そのある人の愛人以外のホステスからサービスを受けたいと言ったとしたら、同じように、許されざる由々しき問題が発生することになる。
もっとも、このようなきまりがあるにしても、ホステスたちはスキあらばとお客の争奪戦を深く静かに展開している。彼女たちにとっては、店のお客というよりは愛人をつくることに目的があるわけだから、愛人の心が他のホステスに移ることを何よりも警戒しなくてはならないのである。
かと言って、一人のホステスだけでお客をサービスしきれるものではない。当然ヘルプをつけなくてはならないことは多いのだ。そこでホステスたちは、それぞれ仲のよい相手が集まってグループをつくり、決して他人のお客を奪うことはしないという信頼関係のもとに、互いに同席するようにしている。
私の知っている三四、五名のホステスのいる店では、そういうグループが五つほどある。彼女たちはそれぞれ仲間意識をもって行動しているため、そうしたグループに入れないホステスは、どうしても大きな店で仕事をすることが難しくなってしまう。また、ホステスとママとの間にもめごとがあったりすると、グループ総出でママに向かうことになり、場合によってはグループごと店をやめてしまうことも多いので、ママは力のあるグループには大変に気をつかっている。
そういうわけで、韓国クラブでは、どのホステスとも楽しくお酒を飲もうとするお客は、考えのないお客としてホステスたちから嫌われることになる。だから、韓国クラブで楽しく遊ぼうとするならば、ママのお客としてではなく、だれか一人のホステスのお客として通うことである。そうしてはじめて、よりよい待遇を受けられることになるのだし、またそれが韓国クラブでの礼儀でもあるのだ。