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スカートの風21

时间: 2020-07-26    进入日语论坛
核心提示:最も確実に日本に永住できる方法とは? ただ最近は、入国管理局の偽装結婚への監視が非常に厳しい。そのため結婚ビザの確保と維
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最も確実に日本に永住できる方法とは?

 ただ最近は、入国管理局の偽装結婚への監視が非常に厳しい。そのため結婚ビザの確保と維持はかなり困難なものとなっている。たとえば、相手の男性がしっかりした人でなければ三カ月のビザしか発行されないようにするなど、結婚ビザさえ取れば安心、ということも言えなくなってきつつある。
そこでまた新たな方法が考え出される。
偽装結婚には、当然ながら「相手しだい」のこころもとなさがつきまとう。もっと確実な方法をと彼女たちが望むのはこれまた当然のことでもあった。そこで探しあてたのが、亡くなった人の戸籍を死亡届けを出す前に買い取る、という方法なのだ。
なんということなのだろう。体験者から嬉《き》々《き》とした口調でこの話を聞かされたとき、そっと涙を拭《ぬぐ》うといった私の悲しみなど、まったくのセンチメンタリズムでしかないことを思い知らされた。彼女にとって祖国とは何か、日本とは何か、そしてお金とは何か……。私が彼女たちの問題にほんとうに取り組もうと思ったのはそのときからだった。
それにしても、他人の戸籍入手はそう簡単にはいかない。とくに若い女性の戸籍はほとんど手に入ることはない。もし手に入ったとすれば、ブローカーへの報酬は三〇〇万円から五〇〇万円だと言われる。また、戸籍入手を手がけるブローカーは少なく、ブローカーに渡りをつけることだけでも難しい。死亡者の戸籍を扱うブローカーは、数あるブローカーのなかでもとびきり格が高く、いくつかのグループで市場を独占し、新規に参入しようとする者たちを徹底的に排除していると言われる。
私の知る二七歳のホステスは、学生ビザでの来日期間中に三六歳の女性の戸籍を入手している。彼女はこの戸籍に基づいたパスポートを使っていま、世界のあちこちへと愛人のお金で旅行している。韓国人にはなかなかビザをおろさないアメリカやカナダへも、日本の戸籍さえあればたやすく行くことができるのである。
彼女たちの最大の課題、つまり入国管理局の監視を離れて、何の心配もなく日本に永住できること、そしてお金持ちの愛人を得て贅《ぜい》沢《たく》な暮らしを送ることができること。あの二七歳のホステスはわずかな期間でその条件を獲得してしまった。ほとんどすべての日本で働く韓国人ホステスが、彼女のような生き方を理想としている。外国人でなくとも、いったい韓国という国はどうなっているのかと言わずにはいられない。
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